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2025年9月、Alibaba Cloudから最新AIモデル「Qwen3-Max-Preview」が発表され、その圧倒的な性能とコストパフォーマンスが話題です。Claude Opus 4やKimi K2といった最上位モデルに匹敵するとも言われるこのAIは、私たちの業務をどう変えるのでしょうか?
特に、バックオフィスやマーケティング担当者が日々頭を悩ませる「大量のドキュメントからの情報整理」。毎月届く請求書や報告書PDFの内容を目で確認し、システムに手入力する作業は、時間がかかるだけでなく、ミスの温床にもなりがちです。
この記事では、「Qwen3-Max-Previewの優れた情報整理能力を使えば、複雑な書類などの情報整理を自動化できるのでは?」という仮説を検証していきます!
まずは、Qwen3-Max-PreviewがどのようなAIなのか、基本的なスペックを整理しましょう。一言でいえば「圧倒的な文書処理能力と効率性を両立させた、次世代の大規模言語モデル」です。
ここからはQwen3-Max-Previewの性能について、実際のビジネスシーンをもとに検証していきます。
今回は、多くの企業で共通の課題である「契約書PDFからの要約とリスク箇所の洗い出し」について検証します。
まずはQwen3-Max-Previewのチャット画面にログインします。
今回は、検証用にシンプルな業務委託契約書のサンプル(PDF)を用意しました。この内容をAIに読み込ませてみます。
チャット入力欄の左側にある「+」ボタンをクリックします。
すると下記のような画面になるため、「ドキュメントのアップロード」を押して分析してほしい資料(業務委託契約書)をアップロードします
次に、「主要な条項の要約と、自社に不利になりそうなリスク箇所を教えてください。」というプロンプトを入力します。
すると、「主要な条項の要約」では下記のようなアウトプットが出力されました。
次に、自社にとって不利になりそうなリスク箇所については下記のアウトプットが出てきました。
続いてGemini2.5PROでも同じことを聞いてみました。
数十秒待つと、「主要な条項の要約」では下記のようなアウトプットが出力されました。
自社に不利になりそうなリスク箇所については、下記のようなアウトプットがありました。
Qwen3-Max-PreviewとGemini2.5PROのアウトプットを比較した結果がこちらです。
Qwen3-Max-PreviewもGemini2.5PROも高いレベルで要約・リスク箇所の抽出を行っていました。
一つ大きな違いだと感じたのは、リスク箇所の抽出部分です。Qwenは発注者のリスクを中心に抽出していましたが、Gemini2.5PROは受注者が注意すべき点をまず抽出していました。指示文章は「主要な条項の要約と、自社に不利になりそうなリスク箇所を教えてください」と発注者の目線となっていたため、Qwenのほうがよりプロンプトに忠実な返答があったと言えます。ただ、Gemini2.5PROのほうが網羅的という捉え方もできるため、あくまでユーザーの好みにゆだねられるほどの違いでしょう。
AIが複雑な契約書の条文を読み解き、重要なポイントや注意すべき点を分かりやすく整理してくれます。これにより法務担当者でなくても契約内容の一次チェックが可能となります。
またPDFをアップロードしてから数分ほどですぐにアウトプットが出るため、スピーディに契約書を処理できます。
AIが指摘するリスクはあくまで一般的なものであり、個別の取引状況や背景を汲み取った上での高度な法的判断はできません。AIの出力を鵜呑みにせず、法務担当者などの確認を挟む必要はあるでしょう。
またチャット機能に未締結の契約書など外部に漏洩してはならない機密情報をアップロードするのは、情報漏洩のリスクが伴います。実際の業務で利用する際はセキュリティポリシーが明記された有料API連携を利用するなど、データの取り扱いに関する工夫が求められます。
お使いのQwenアカウントとYoomを連携させることで、テキスト生成や画像の生成が可能となります!たとえば今回検証した契約書の要約では、「メールで届いた契約書をそのままQwenで要約して出力し、CRMツールに格納する」といった自動化フローを作ることも可能です。ぜひYoomとQwenを連携させて、業務を自動化してみてくださいね!
[Yoomとは]
今回はQwen3-Max-Previewについて、契約書の要約タスクをもとに検証しました!一兆パラメータという膨大な情報を取り込んでいるため、専門的な契約書でも難なく読み込みプロンプト通りのアウトプットができることが分かりましたね。ぜひ参考にしてみてください!