画像データ・PDFをOCRで自動化するフローの応用編
メールで受信した添付ファイル(JPEG、PDF)よりテキストデータを抽出し、その内容をGmailへ送付するフローをご紹介しました。
Yoomをご利用いただくと、他にもこのようなフローを作成できます。
昨今、ペーパーレスや保管場所の観点、そして2022年に改正された電子帳簿保存法の改正によって、書類を画像やPDF形式でデータとして保存しておく機会が大幅に増えています。
またAI技術の発展により、従来のOCRでは認識しにくかった手書き文字や流動的なフォーマットに対しても読み取りができるようになりました。
AI-OCRの普及により、さらにOCR技術が注目されています。
今回は、画像データやPDFをOCR技術を用いて自動化するメリットと自動化例をご紹介します!
画像データやPDFファイルをOCRで自動化すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
1.ドキュメントのデジタル化
画像やPDFとして保存していたデータをテキストデータへ変換することで、このようなデータもドキュメントデータとしてデジタル化が可能となり、ドキュメント管理が飛躍的に効率化します。
2. 情報検索が手軽に
OCRでテキストデータへ変換されるため、キーワード検索やフィルタリングが容易になり、検索の効率が大幅にアップします。
3. データ入力の効率化
紙の書類を自動的にデジタルデータへ変換することで、従来手動で行っていたデータ入力が不要となり入力作業の負担が軽減します。
また、OCRを利用することで大量の書類を短時間でデータ化でき、データ入力にかかる時間と労力を大きく削減できます。
4.他システムとの連携
書類をデジタル化することで、ワークフローを自動化したり、既存のシステムとの連携も可能となり、他システムでデータを活用することができます。
画像データやPDFファイルをOCRを用いて自動化すると、様々なメリットがありますね。
ここからは、画像データ・PDFファイルのOCRを利用した自動化例をご紹介します。
・請求書の処理を自動化
PDFやスキャンした請求書をOCRで読み取り、文字情報を抽出します。その後、読み取った内容を会計システムへ自動で連動し、手入力無しで完結します。
・営業活動の効率化
名刺や手書きのメモをスキャンまたはスマートフォンで撮影して、OCRを利用して内容を読み取り、顧客管理システムへ自動で登録します。
・契約書等のデジタル化
紙で保管していた契約書をOCRでテキストデータに変換し、契約書管理システムへ登録します。
これにより、過去の契約書もシステムで参照可能となり、担当者が変わっても契約状況が簡単に確認できます。
その他にも、PDFから画像データを抽出することも可能です。
こうした自動化にはプログラミングの知識や技術が必要になりますが、Yoomではノーコードで実装が可能なんです!
さっそく簡単に実装できるフローボットの作り方をご紹介します。
今回は、メールで受信した添付ファイル(JPEG、PDF)よりテキストデータを抽出し、その内容をGmailへ送付するフローを作成していきます。
まず、Yoomアカウントをお持ちでない方は、Yoomのアカウント発行ページからアカウントを発行してください。30秒で始められます!
また、Yoomの基本的な操作は、初めてのYoomを参照してください。
※AIオペレーションはチームプラン・サクセスプランでのみご利用いただける機能となっております。フリープラン・ミニプランの場合は設定しているフローボットのオペレーションはエラーとなりますので、ご注意ください。
※チームプランやサクセスプランなどの有料プランは、2週間の無料トライアルでご利用いただけます。
1.Yoomにログイン後、左欄にある「マイアプリ」を選択し「+新規接続」を選択してください。
2.マイアプリの新規接続一覧の中から、今回使用する「Gmail」を選択し、アプリを連携して下さい。アプリ名で検索も可能です。
3.「Sign in with Google」を選択します。
4.連携するGoogleアカウントを選択します。
5.「次へ」を選択します。次の画面でも、「続行」を選択してください。
6.連携が完了したら、フローボットを作成していきます。左欄のプロジェクト一覧から任意のプロジェクトを選択し、「+新規作成」をクリックします。
7.任意のタイトルを入力します。
1.「特定のメールを受信したとき」選択します。
2.受信用アドレスを設定します。受信メールをここで入力したアドレスに転送することで、メールトリガーが起動します。
次に、検索条件を設定します。今回は件名に「写真」というワードが入っていた場合を条件に設定していますが、本文もしくは送信者を条件にすることも可能です。
入力後、「次へ」を選択します。
3.先ほど入力したメールアドレス宛に、設定した条件に合致するメールを送付します。
(PDF等のファイルも添付してください。今回は名刺のPDFファイルを添付しました。)
送信完了後、「テスト」を選択します。
※メール送信後、受信まで少し時間がかかることがあります。また、テスト失敗となった場合は、条件を再度確認してください。
テストが成功したら、「保存する」を選択します。
1.先ほど追加したアプリトリガーの下の「+」マークを選択します。
2.オペレーションは、「画像・PDFから文字を読み取る」を選択します。
3.「任意のPDFや画像ファイルから文字情報(6500文字以内)を読み取る」を選択し、「次へ」を選択ます。
4.詳細を設定します。ファイルの添付方法では、STEP2にて送付したメールの添付ファイルを使用するため、「取得した値を使用」「添付ファイル1」を選択します。
文字データを抽出したい項目を入力します。(STEP2で名刺データを添付したため、「名前」「会社名」「メールアドレス」を設定しました。)入力後
入力後、「テスト」を選択します。
テストが成功すると、アウトプットに読み取った内容が表示されます。
正確に読み取りが行われたかを確認し、「保存する」を選択します。
1.先ほど追加したオペレーションの下の「+」マークを選択します。
2.オペレーションを選択します。Gmailへメールを送信するため、「メールを送る」を選択します。
3.「Gmail」を選択します。
4.メールの設定を行います。「Gmailと連携するアカウント情報」を選択します。
5.メールの内容を設定します。「To」に送信先のメールアドレスを入力します。(Cc、Bccも設定可能です。)
「件名」を入力します。「本文」には、STEP3で抽出したアウトプットを設定します。
入力後、「次へ」を選択します。
6.メール送信のテストを行います。「テスト」を選択してください。テストが成功したら、「保存する」を選択します。
7.最後に、トリガーを「ON」にして完了です。
メールで受信した添付ファイル(JPEG、PDF)よりテキストデータを抽出し、その内容をGmailへ送付するフローをご紹介しました。
Yoomをご利用いただくと、他にもこのようなフローを作成できます。
・Google Driveに格納されたPDFデータをOCRして、内容確認およびGoogleスプレッドシートDBに追加し、Slackにその旨を通知する
アプリトリガー(Google Drive):新しくPDFファイルが作成されたら
↓
アプリと連携する(Google Drive):PDFファイルをダウンロードする
↓
画像・PDFから文字を読み取る
↓
担当者へ対応を依頼する
↓
データベースを操作する(Googleスプレッドシート):Googleスプレッドシートにレコードを追加する
↓
アプリと連携する(Slack):チャンネルにメッセージを送る
※Google Drive、Googleスプレッドシート、Slackをマイアプリ連携してください。
・フォームに添付された伝票などのPDFファイルをOCRで読み取り、Microsoft Excelに格納しTalknoteに通知する
フォームトリガー:書類PDF送付用フォーム
↓
画像・PDFから文字を読み取る
↓
データベースを操作する:Microsoft Excelにレコードを追加する
↓
アプリと連携する(Talknote):Talknoteに通知する
※Microsoft Excel、Talknoteをマイアプリ連携してください。
また、読み取る書類の種類によってフローを使い分けるとより一層活用の幅が広がりそうです!
名刺情報を読み取ってNotionに自動でレコード追加するので、手入力の手間を省いて名刺情報の管理を簡単にします。
忘れがちな領収書の処理も、スマホからファイルをアップロードしてフローを起動できるなら簡単にできそうですね。
請求書を読み取ってNotionのデータベースに追加するだけでなく担当者に依頼もできるので、業務の手間を省いて効率化することができます。
いかがでしたでしょうか?
画像データやPDFファイルのOCRによる自動化によって、様々な業務の効率化や精度アップが実現します。
ドキュメントのデジタルデータ化は電子帳簿保存法の観点も含め、ビジネスシーンで重要な役割を果たします。
先ほどご紹介した応用フローも含め、使い方は無限大です!