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生成AIにおけるRAGの仕組みを解説!社内ナレッジ検索でわかる精度と活用性
Telegramからの質問に対して、メール履歴からAIワーカーがRAGを活用して返信する
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生成AIにおけるRAGの仕組みを解説!社内ナレッジ検索でわかる精度と活用性
AI最新トレンド

2026-07-01

生成AIにおけるRAGの仕組みを解説!社内ナレッジ検索でわかる精度と活用性

Yuzuki Amano
Yuzuki Amano

「生成AIを導入したが、社内の独自ルールや最新情報に答えてくれない」「AIが自信満々に嘘をつくハルシネーションをどうにかしたい」といった悩みを抱える企業は少なくありません。こうした課題を解決し、生成AIを実務で「使える」ツールに変える技術がRAG(検索拡張生成)です。
本記事では、RAGの基本的な仕組みから、従来のAIやファインチューニングとの決定的な違い、導入によって得られる具体的なメリットまでを徹底的に解説します。
専門用語を避けつつ、ビジネスパーソンが実運用をイメージできる内容にまとめました!

🔍生成AIにおけるRAGの仕組み

RAGは、生成AIの回答精度を向上させるための代表的な技術です。
ここでは、RAGとはどのような仕組みなのか、基本構造や検索から回答生成までの流れ、回答が作られる仕組みについて分かりやすく解説します。

▼RAGの定義と基本構造

RAGは、大規模言語モデル(LLM)が持つ知識だけに頼らず、外部の信頼できるデータから関連情報を「検索(Retrieval)」し、その情報を付け加えて「生成(Generation)」を行う技術です。
RAGを動かすためには、いくつかの「必要なパーツ」があります。
基本的には、外部の知識源、情報を探し出す仕組み、そして回答を生成するAIの3つの役割が組み合わさって成り立っています。
以下の要素が重要な役割を果たします。

  1. 知識の保管庫(ナレッジベース): PDF、Excel、社内Wikiなどのデータ群を、AIが扱いやすい数値の形で保存した場所です。AIが回答する際の「教科書」や「カンニングペーパー」の役割を果たします。
  2. 情報を探し出す仕組み(検索エンジン): ユーザーの質問に対して、保管庫の中から「どこに答えが書いてあるか」を瞬時に見つけ出す「司書」のような役割です。
  3. 文章を作るAI(生成AI): 見つかった情報とユーザーの質問を組み合わせて、自然な日本語の文章として回答を完成させる役割です。

▼RAGの検索から回答生成までの流れ

RAGの動作は、まずユーザーの質問を受け取るところから始まります。
システムは質問の意図を解析し、あらかじめ準備された「知識の保管庫」の中から、その回答に必要と思われる情報を「情報を探し出す仕組み」によって高速で検索します。
次に、見つかった情報を「参考資料」として元の質問と一緒に「文章を作るAI」に渡します。AIはこの資料を読み込み、そこに書かれている情報を踏まえて回答を生成します。
これにより、AIが学習データだけでは扱いにくい専門的な内容にも、外部データを根拠として回答しやすくなります

▼RAGの回答生成と出力の仕組み

検索された生の情報は、そのままではユーザーにとって分かりにくい場合があります。RAGのプロセスでは、抽出された複数の情報を整理し、ユーザーが求めている形式(要約、リスト形式、手順の解説など)に変換して出力します。
また、出力の際には「出典」を明示するように設定することも可能です。これにより、ユーザーはAIの回答がどのドキュメントに基づいているのかを自分で確認できるようになり、情報の信頼性が飛躍的に向上します。

⭐Yoomはナレッジ検索業務を自動化できます

生成AIの利便性を最大限に引き出すRAGですが、検索の対象となる社内データの整理や、各アプリから情報を収集するプロセスの構築には、本来多くの開発工数がかかります。せっかく便利な仕組みを導入しようとしても、その準備段階で挫折してしまっては意味がありません。
そんな問題もYoomなら解決できます!

[Yoomとは]

たとえば、Telegramからの質問に対して、メール履歴からAIワーカーがRAGを活用して返信するといったことも可能です。気になる方はぜひチェックしてみてくださいね👀


■概要
Telegramを通じた顧客や関係者からの問い合わせに対し、過去のメール履歴を探して回答を作成する作業に手間を感じていませんか?一件ずつ情報を探す作業は時間がかかるだけでなく、対応品質のばらつきを生む原因にもなり得ます。 このワークフローを活用すれば、Telegramにメッセージが届くと、AIがRAG技術を用いて関連するメール履歴を自動で検索・参照し、最適な回答案を生成します。これにより、問い合わせ対応の迅速化と品質向上を実現できます。
■このテンプレートをおすすめする方
  • Telegramでの問い合わせ対応で、過去のメール履歴の検索に時間を要している方
  • RAGの仕組みを活用し、Telegramでの顧客対応を効率化したいと考えている方
  • AIを用いて問い合わせ対応の品質を標準化し、属人化を解消したいチームリーダーの方
■このテンプレートを使うメリット
  • Telegramへの問い合わせに対し、関連するメール履歴の検索と回答案作成が自動化されるため、手作業での対応時間を短縮することができます
  • RAGを用いて過去のやり取りを基に回答を生成することで、担当者による対応品質のばらつきを防ぎ、業務の標準化に繋がります
■フローボットの流れ
  1. はじめに、GmailとTelegramをYoomと連携します
  2. 次に、トリガーでTelegramを選択し、「ボットがメッセージを受け取ったら」というアクションを設定します
  3. 最後に、オペレーションでAIワーカーを選択し、Gmailから取得したメール履歴を分析してRAGに基づいた回答を生成して返信するためのマニュアル(指示)を作成します
※「トリガー」:フロー起動のきっかけとなるアクション、「オペレーション」:トリガー起動後、フロー内で処理を行うアクション
■このワークフローのカスタムポイント
  • AIワーカーのオペレーションでは、回答生成に利用するAIモデルを任意で選択することが可能です
  • AIワーカーへの指示(プロンプト)も任意で設定できます。回答のトーンや文字数、参照すべき情報の優先順位などを業務に合わせて調整してください
■注意事項
  • Telegram、GmailのそれぞれとYoomを連携してください。AIワーカー内で使用するツール(アプリ)についてもマイアプリ連携が必要です。
  • AIワーカーの基本設定は「【AIワーカー】基本的な設定方法」をご参照ください。
  • AIワーカーの同時実行数・作成可能なAIワーカー数・利用可能なAIモデルはご契約中のプランによって異なります。
  • AIワーカー内でご利用いただけるアプリやオペレーション等はフローボットの利用制限と同様です。
  • AIワーカーは、テスト実行でも本番実行と同様にタスクを消費しますのでご注意ください。詳細は「【AIワーカー】タスク実行数の計算方法」ご参照ください。
  • AIワーカーはマニュアルを詳細に設定することで適切な処理を実行しやすくなります。詳細は「【AIワーカー】マニュアルの作成方法」をご参照ください。

■概要
カスタマーサポートへの問い合わせ対応は、正確な回答が求められる一方で、担当者の工数負担が大きくなりがちな業務です。特に、過去の対応履歴やFAQが蓄積されているにもかかわらず、それらを確認して回答文を作成する作業を手作業で行うと、対応の遅れや品質のバラつきが生じる課題があります。このワークフローを活用すれば、Zendeskに新しい問い合わせが入った際、AIワーカーがNotion内のナレッジを自動で参照し、最適な回答案を生成して返信までを自動化します。これにより、ナレッジを有効活用しながら、問い合わせ対応のスピード向上と担当者の負担軽減を同時に実現することが可能です。

■このテンプレートをおすすめする方
  • Zendeskを用いたカスタマーサポート業務において、問い合わせ対応の効率化と無人化を推進したい担当者の方
  • 製品の仕様やFAQをNotionで管理しており、それらを活用して問い合わせ回答の質を安定させたいチームリーダーの方
  • 過去のナレッジを有効活用しつつ、サポートデスクの運用工数を削減し、効率的な組織運営を目指す経営者の方

■このテンプレートを使うメリット
  • Zendeskに届いた問い合わせに対し、AIがNotionの情報を基に回答案を作成するため、顧客へのレスポンス時間を短縮できます。
  • Notionに蓄積された正確なナレッジを基にAIが回答を生成することで、回答の質を一定に保ち、担当者による知識の差を埋めることが可能です。

■フローボットの流れ
  1. はじめに、Zendesk、Notion、SlackをYoomと連携します。
  2. 次に、トリガーで、Zendeskを選択し、「チケットが作成されたら」というアクションを設定します。
  3. 次に、AIワーカーで、顧客からの問い合わせに対し、Notionのナレッジを基に回答案を作成するためのマニュアル(指示)を作成します。
※「トリガー」:フロー起動のきっかけとなるアクション、「オペレーション」:トリガー起動後、フロー内で処理を行うアクション

■このワークフローのカスタムポイント
  • AIワーカーのマニュアル設定にて、どのようなトーンで回答を作成するか、または特定のキーワードが含まれる場合にどのような処理を行うかなど、指示を詳細にカスタマイズしてください。
  • Notionでのナレッジ参照先を、FAQページやマニュアルが格納されている特定のデータベースやページに指定することで、より精度の高い回答案が作成できます。
  • Slackでの通知設定では、AIが作成した回答案をまず担当者が確認できるよう、通知先のチャンネルやメッセージ内容を任意に設定してください。

■注意事項
  • Zendesk、Notion、SlackのそれぞれとYoomを連携してください。AIワーカー内で使用するツール(アプリ)についてもマイアプリ連携が必要です。
  • トリガーは5分、10分、15分、30分、60分の間隔で起動間隔を選択できます。
  • プランによって最短の起動間隔が異なりますので、ご注意ください。
  • Zendeskは、ミニプラン以上でご利用いただけるアプリとなっております。フリープラン・パーソナルプランの場合は設定しているフローボットのオペレーションやデータコネクトはエラーとなりますので、ご注意ください。
  • ミニプラン・チームプラン・サクセスプランなどの有料プランは、2週間の無料トライアルを行うことが可能です。無料トライアル中には制限対象のアプリを使用することができます。
  • AIワーカーの基本設定は「【AIワーカー】基本的な設定方法」をご参照ください。
  • AIワーカーの同時実行数・作成可能なAIワーカー数・利用可能なAIモデルはご契約中のプランによって異なります。
  • AIワーカー内でご利用いただけるアプリやオペレーション等はフローボットの利用制限と同様です。
  • AIワーカーは、テスト実行でも本番実行と同様にタスクを消費しますのでご注意ください。詳細は「【AIワーカー】タスク実行数の計算方法」ご参照ください。
  • AIワーカーはマニュアルを詳細に設定することで適切な処理を実行しやすくなります。詳細は「【AIワーカー】マニュアルの作成方法」をご参照ください。 

💡RAGを導入するメリットと必要性

ここからは、RAGを導入することで得られる具体的な3つのメリットを詳しく解説します。

①ハルシネーション抑制と精度の向上

RAGを導入することで、AIが根拠のない情報を生成するハルシネーションの抑制が期待できます。提示された資料を参照して回答するため、適切に設計・運用された環境では回答精度の向上が見込めます。事実に基づかない回答を避けることで、業務での実用性が一気に高まります。

もし資料に記載がない場合は「資料内に該当する情報が見つかりませんでした」と回答させるように制御することも可能です。これにより、AIが勝手な推測でユーザーを混乱させるリスクを排除でき、確実な情報のみを届ける仕組みを構築できます。

②社内情報・専門情報にも対応できる

社外に公開されていない独自のノウハウや専門知識をAIに扱わせたい場合、RAGは有力な選択肢です。

  • 社内マニュアル
  • 技術資料
  • 業界特有のルール

などを参照させることで、一般的な生成AIだけでは答えにくい実務的な質問にも対応しやすくなります。例えば、特殊な機械のメンテナンス手順や、複雑な業界規制、過去の膨大な判例データなど、インターネット上に存在しない情報をAIが検索対象にできるようになります。専門性の高い情報をAIが活用することで、熟練社員の知見を若手社員へスムーズに継承したり、属人化していた業務を標準化したりする効果が期待できます。

③出典明示による透明性と信頼性

RAGでは、実装によって情報の根拠となった『出典(ソース)』を回答に添えることができます
これは、AIの回答を最終的に人間が判断・承認するプロセスにおいて、極めて重要な役割を果たします。出典が明示されることによるメリットは、主に以下の通りです。

  • 情報の検証が容易になる:AIが提示したページ番号やファイル名を辿るだけで、元の文章をすぐに確認できます。
  • 回答の説得力が増す:単なるAIの言葉ではなく、「社内規定の第3条に基づくと〜」といった具体的な裏付けを持って回答を提示できます。

🏢RAGを実務に活用する具体的なシーン

RAGの仕組みとメリットが理解できたところで、次に検討すべきは「自社のどの業務に適用するか」という点です。ここでは、多くの企業で即戦力として期待できる3つの代表的な活用シーンを紹介します。

1.カスタマーサポート・ヘルプデスクでの活用

製品仕様書、FAQ、過去のサポート対応履歴をRAGのナレッジベースとして連携させることで、顧客や従業員からの問い合わせに自動回答する高度なチャットボットを構築できます。従来のチャットボットには、あらかじめ登録された質問と回答に沿って応答するものが多くありました。
一方、RAGを活用すると、次のような問い合わせにも柔軟に対応できます。

  • 「最新のアップデート後に発生した特定の不具合への対処法」のような複雑な質問にも、マニュアルの該当箇所を参照して正確に回答できる
  • 常に最新のサポートドキュメントを参照するため、製品の仕様変更のたびにボットの設定を書き換える手間を削減できる

これにより、オペレーターが回答を探す時間を大幅に短縮できるだけでなく、回答のばらつきを防ぎ、サポート品質の均一化顧客満足度の向上を同時に実現できます。

2.社内ナレッジ検索・情報共有での活用

数千件、数万件と積み上がった社内の議事録、報告書、企画書、社内Wikiなどの情報をRAGで一括検索できるようにします。多くの企業では「あの情報はどのフォルダにあるか分からない」という情報の埋没が課題となっていますが、RAGを導入すれば

「昨年の類似プロジェクトでの予算感は?」
「〇〇社の導入事例で強調した成功要因は?」

といった問いに対し、AIが組織内の全ドキュメントを秒速でスキャンして回答します。単なる「ファイルの検索」ではなく、内容を理解した上での「情報の抽出」ができる点がRAGを導入する最大の価値となります。

3.営業支援・提案資料作成での活用

顧客との過去のメール履歴、商談メモ、自社製品の事例集をRAGに参照させることで、商談の準備や提案書の作成をAIが強力にバックアップします。例えば、商談前に

「この顧客が過去に懸念していた技術的課題と、それに対する弊社の回答案をまとめて」

とAIに依頼すれば、過去の膨大なテキストデータから関連箇所を抜き出し、説得力のある提案の骨子を作成してくれます。また、最新の競合比較データや業界動向レポートをナレッジベースに加えておくことで、常に根拠に基づいた質の高い提案が可能になります。個々の顧客に最適化された提案の質を上げることが、最終的な成約率の向上に直結します。

⚖️RAG・従来の生成AI・ファインチューニングの違い

特定の専門知識や自社情報をAIに扱わせる手法には、RAG以外にもいくつかの選択肢があります。ここでは、何も追加学習させていない「従来のAI」や、AIを丸ごと追加学習させる「ファインチューニング」と比較し、RAGにはどのような優位性があるのか、その違いを明確にします。

▶従来の生成AIが抱える課題

従来の一般的な生成AIは、膨大なインターネット上のデータを学習していますが、その知識は学習を完了した時点で止まっています。そのため、社内限定の非公開情報や、昨日発表されたばかりのニュースには答えることができません。
さらに、十分な根拠がないまま不正確な回答を生成してしまう、いわゆるハルシネーションが起こるリスクがあります。例えば、RAGを導入していないAIに「弊社の最新の旅費精算規定は?」と聞くと、他社の規定や古い常識を混ぜた誤った回答を生成する恐れがあります。このように、情報の「鮮度」と「正確性」を担保できない点が、従来のプロンプトのみによるAI利用の限界といえます。

▶ファインチューニングの特徴と課題

ファインチューニングは、AIモデルそのものに追加のデータを与えて「再学習」させる手法です。モデルの口調を変えたり、特定の専門分野の基礎知識を深く定着させたりするのには適していますが、非常に高いコストと専門スキルを必要とします。また、一度学習させた内容を修正するには、再度学習をやり直さなければなりません。
さらに、学習データに誤りがあった場合、その「記憶」を消去することも困難です。このように、ファインチューニングは「情報の更新頻度が低い」「特定の振る舞いを固定したい」場合には有効ですが、日々の業務情報を反映させるには効率が悪いという課題があります。

▶従来の生成AI・ファインチューニング・RAGを比較

それぞれの特徴をコスト、精度、運用の観点から比較しました。
自社の目的に最適な手法を選ぶ際の参考にしてください。

🧪【検証】RAGの実用性と精度を確認

ここでは、ノーコードでRAGを構築できるツール「Dify」を使い、実際にどれほど正確に動作するのかを検証します。特別な開発知識がなくても、RAGの凄さを体感できる内容です。

▼検証目的

  1. 専門性の高い独自ドキュメントから、AIがハルシネーションを起こさずに具体的な数値を抽出できるか。
  2. 複数の異なるファイルに分散した情報を、AIが矛盾なく一つの回答にまとめ上げることができるか。
  3. 回答と共に出典元を提示し、ユーザーが正しく元の情報に辿り着けるようになっているか。

検証① 独自PDFから正確な情報を抽出できるか

架空の「福利厚生規定」というPDFをDifyに学習させ、一般的なAIでは答えられない「特定の勤続年数に応じたリフレッシュ休暇日数」を質問しました。

【「福利厚生規定」の該当箇所】

【検証プロンプト】

勤続10年目の社員が取得できるリフレッシュ休暇の日数と、申請時の期限を教えてください。

検証結果

AIはPDF内の表を正確に読み取り、申請日数について正確な回答を行いました。「申請時の期限」に関する内容やニュアンスも原文と一致しており、解釈のずれは見られませんでした。さらに、日数のカウント方法や申請フローにおける注意点についても補足情報として適切に説明しており、高い精度が確認できました。

また、回答には出典(条番号や該当箇所)が明示されており、そのリンクをたどると実際に同一内容が記載されていることも確認できました。出典を基に素早く内容を確認できるため、ハルシネーション対策の面でも有用性が高い結果となりました。

さらに追加検証として、あえて規定に記載のない内容を質問したところ、「規定内に記載が見当たりません」といった趣旨の正直な回答が返ってきました。このことから、ナレッジ情報のみを根拠として回答を生成していることが確認できました。

以上より、参照データに基づいた正確な回答生成と、未記載情報への適切な対応の両面が確認でき、RAGの有用性の高さが改めて明らかになりました

検証② 複数資料を横断した回答精度

次に「製品Aの仕様書」と「過去のトラブル対応ログ」の2つのファイルを読み込ませ、「製品Aで発生しやすいトラブルとその解決策」を尋ねました。

【検証プロンプト】

製品Aで過去に発生したトラブルのうち、特に頻度が高いと考えられるものを3つ挙げ、それぞれについて「発生しやすい条件」「想定される原因(仕様上の制限を含む)」「推奨される対応手順」をセットで教えてください。

検証結果

AIは各ファイルから情報を収集し、実践的な回答を生成しました。「発生頻度」に関する直接的な記載はないことを明示したうえで、代わりに仕様上の制約に関わる代表的な要因として3点に整理して説明しています。存在しない情報を補完するのではなく、「代表的な要因」として再構成している点は、ハルシネーション抑制の観点で有効です。

また、各トラブルの内容についても、仕様書とログ情報を矛盾なく統合できており、すべて事実ベースで記載されています。PDFと照合しても、15分・25MB・IE非対応といった数値や条件は正確に抽出されていました

さらに、各ポイントについて根拠となる文書箇所も示されており、後からの確認も容易です。複数資料を横断して情報を整理する作業は人手では時間がかかりますが、RAGであれば短時間で正確性を保ったまま処理できる点が確認できました

▶検証結果まとめ

今回のDifyを用いた検証により、以下の結果が得られました。

  • 事実に基づく回答:外部ドキュメントを優先して参照するため、嘘のない正確な情報提供が確認できました。
  • 複雑な情報の統合:複数ファイルからの情報抽出においても、文脈を維持したまま自然な日本語で回答できました。
  • 実務への即応性:検証プロンプトの内容通りに、資料に基づいた回答と出典の提示がスムーズに行われました。

⚠️RAG導入・運用における注意事項

RAGを導入する際には、技術的な側面だけでなく、運用ルールやデータの取り扱いについても慎重に検討する必要があります。長期的に成果を出し続けるためのポイントを整理しました。

①セキュリティ・プライバシーと権限管理

AIに参照させるデータには、顧客情報や経営戦略などの機密情報が含まれることが多いため、セキュリティ対策は最優先で検討すべき事項です。
安全に運用するためには、次のような対策が欠かせません。

  1. 誰でもすべての社内情報を検索できる状態にするのではなく、ユーザーの役職や所属部署に応じた適切なアクセス権限(ACL)を設定する
  2. 「人事評価に関するドキュメントは人事部門のユーザーのみが検索・回答を得られる」といったアクセス制御を実装し、情報漏洩のリスクを防ぐ
  3. API経由で送信したデータがAIモデルの学習に再利用されないことを保証しているサービスを選定し、社内のセキュリティポリシーとの整合性を取る

技術的な導入を進める前に、どの範囲のデータを誰に開示してよいのかというガバナンスを明確に定義しておくことが、安全なAI運用の第一歩となります。

②元データの品質と整理が重要

RAGの回答精度は、参照元となるデータの質に大きく左右されます。

  • 内容が古くなったドキュメント
  • 重複している情報
  • 誤字脱字や表記ゆれが多いテキスト

などがナレッジベースに混ざっていると、AIはそれらを「正しい情報」として拾ってしまい、誤った回答を生成する原因となります。また、複雑なレイアウトのPDFや巨大なExcel表などは、AIが構造を正しく解析できない場合があるため、AIが理解しやすいようにテキストを整理したり、適切なサイズに文章を区切る(チャンク分割)といったデータ加工の工夫が求められます。導入後も定期的にナレッジをクレンジングし、情報の鮮度と正確性を保つための「データ管理責任者」を配置するなど、運用体制を整えることが精度維持の鍵となります。

③コストと更新頻度のバランス

RAGの運用には、

  • 文書をベクトル化するための計算費用
  • 保管するベクトルデータベースのストレージ費用
  • AIモデルのAPI利用料

などが発生します。これらのコストは、参照させるデータの量や更新頻度、そしてユーザーの利用回数に応じて変動します。全データをリアルタイムで同期させて常に最新の状態に保つ仕組みは理想的ですが、その分システム負荷とコストが増大します。一方で、更新頻度が低すぎると情報の鮮度が落ち、業務に支障をきたす恐れがあります。「このマニュアルは週に一度の更新で十分だが、顧客対応ログは毎日同期する」といったように、業務上の優先度に合わせてコストと更新頻度のバランスを最適化する設計が必要です。

✅まとめ

RAG(検索拡張生成)は、生成AIをビジネスで実用化するうえで有力な技術のひとつです。従来のAIが抱えていたハルシネーションの問題を克服し、社内独自の専門知識や最新情報を安全かつ正確に扱えるようにします。導入にはデータの整理やセキュリティといった準備が必要ですが、一度構築すれば、情報の検索や活用にかかる時間を劇的に削減し、意思決定のスピードを加速させることができます。
まずは小規模なドキュメントから検証を開始し、自社の業務に最適なRAG活用の一歩を踏み出してみましょう!

💡Yoomでできること

Yoomは、業務を自動化するハイパーオートメーションプラットフォームです。
これまで手動で利用していた各ツールをメインとした自動化フローが、直感的な操作で実現可能です。もし自動化に少しでも興味を持っていただけたなら、ぜひ登録フォームから無料登録して、Yoomによる業務効率化を体験してみてください。


■概要
社内からの問い合わせ対応は、担当者にとって時間と手間がかかる業務の一つではないでしょうか。特に、同じような質問に繰り返し回答したり、膨大なナレッジの中から適切な情報を探したりする作業は大きな負担となります。このワークフローを活用すれば、Slackに投稿された問い合わせ内容をAIワーカーが自動で分析し、Googleドキュメントに蓄積されたナレッジを基に回答案を生成します。こうした社内問い合わせ対応を自動化することで、担当者の作業時間を削減し、より迅速で均質な対応を実現できます。
■このテンプレートをおすすめする方
  • Slackでの社内問い合わせ対応に多くの時間を割かれている情報システムや総務担当者の方
  • AIワーカーを導入して、社内問い合わせ対応の効率化を検討しているDX推進担当者の方
  • ナレッジを有効活用し、属人化しがちな問い合わせ業務の標準化を目指している方
■このテンプレートを使うメリット
  • Slackへの投稿をトリガーにAIワーカーが回答案を自動で作成するため、社内問い合わせ対応にかかる工数を削減し、コア業務に集中できます。
  • Googleドキュメントのナレッジを基に回答が生成されるため、担当者による回答の質のばらつきを防ぎ、業務の標準化と属人化の解消に繋がります。
■フローボットの流れ
  1. はじめに、GoogleドキュメントとSlackをYoomと連携します。
  2. 次に、トリガーでSlackを選択し、「メッセージがチャンネルに投稿されたら(Webhook)」というアクションを設定します。
  3. 最後に、オペレーションでAIワーカーを選択し、投稿された問い合わせ内容とGoogleドキュメントのナレッジを基に回答を作成するためのマニュアル(指示)を作成します。
※「トリガー」:フロー起動のきっかけとなるアクション、「オペレーション」:トリガー起動後、フロー内で処理を行うアクション
■このワークフローのカスタムポイント
  • Slackのトリガー設定では、問い合わせを受け付ける対象のチャンネルを任意で設定してください。
  • AIワーカーの設定では、利用したいAIモデルを任意で選択できます。また、問い合わせ内容の分類方法や回答のトーンなど、具体的な指示(プロンプト)を任意で設定してください。
■注意事項
  • Slack、GoogleドキュメントのそれぞれとYoomを連携してください。
  • AIワーカー内で使用するツール(アプリ)についてもマイアプリ連携が必要です。
  • AIワーカーの基本設定は「【AIワーカー】基本的な設定方法」をご参照ください。
  • AIワーカーの同時実行数・作成可能なAIワーカー数・利用可能なAIモデルはご契約中のプランによって異なります。
  • AIワーカー内でご利用いただけるアプリやオペレーション等はフローボットの利用制限と同様です。
  • AIワーカーは、テスト実行でも本番実行と同様にタスクを消費しますのでご注意ください。詳細は「【AIワーカー】タスク実行数の計算方法」ご参照ください。
  • AIワーカーはマニュアルを詳細に設定することで適切な処理を実行しやすくなります。詳細は「【AIワーカー】マニュアルの作成方法」をご参照ください。

■概要
メンバーの自己評価に対するフィードバックは、個々の成長を促す重要なプロセスである一方、過去の履歴を確認しながら内容を検討する作業はマネージャーにとって大きな負担となります。このワークフローを活用すれば、Googleフォームで自己評価が送信されると、AIワーカーがGoogle スプレッドシートから過去の履歴を自動で分析し、最適なフィードバック案を生成します。評価業務の属人化を防ぎ、質の高いアドバイスを迅速に作成することで、評価業務の効率化と平準化を同時に実現します。

■このテンプレートをおすすめする方
  • メンバーへのフィードバック内容を考える際、過去の評価履歴を遡って確認する作業に負担を感じているマネージャーの方
  • GoogleフォームやGoogle スプレッドシートで評価管理を行っており、データ分析からフィードバック案の作成までを効率化したいチームリーダーの方
  • 評価の質を一定に保ちつつ、管理職の評価業務にかかる時間を短縮したいと考えている人事責任者の方

■このテンプレートを使うメリット
  • 自己評価の提出に合わせてAIが過去の推移を踏まえたフィードバック案を自動生成するため、ゼロから内容を考える手間を省き、評価業務を効率化できます。
  • 過去の評価データに基づいた客観的な分析が行われるため、評価のばらつきを抑え、メンバーに対して一貫性のある質の高いアドバイスを提供可能です。

■フローボットの流れ
  1. はじめに、GoogleフォームとGoogle スプレッドシート、SlackをYoomと連携します。
  2. 次に、トリガーでGoogleフォームを選択し、「フォームに回答が送信されたら」というアクションを設定します。
  3. 次に、AIワーカーで、過去の履歴を分析しフィードバック案を作成するためのマニュアルを作成し、Google スプレッドシートの「行を検索する」アクションと「行を更新する」アクションを使用ツールとして設定します。
  4. 最後に、オペレーションでSlackの「ダイレクトメッセージを送る」アクションを設定し、生成されたフィードバック案をマネージャーに通知します。
※「トリガー」:フロー起動のきっかけとなるアクション、「オペレーション」:トリガー起動後、フロー内で処理を行うアクション

■このワークフローのカスタムポイント
  • Google スプレッドシートの設定では、社員番号や氏名など、個人の履歴を一意に特定できる検索条件を適切に設定してください。
  • AIワーカーへの指示出し(プロンプト)を調整することで、「より具体的な改善案を提示する」「ポジティブな表現を重視する」など、組織の評価方針に合わせたアウトプットが可能です。
  • Slackでの通知先を、提出したメンバー本人への仮共有用として設定するなど、運用に合わせて柔軟に変更できます。

■注意事項
  • Googleフォーム、Google スプレッドシート、SlackのそれぞれとYoomを連携してください。AIワーカー内で使用するツール(アプリ)についてもマイアプリ連携が必要です。
  • トリガーは5分、10分、15分、30分、60分の間隔で起動間隔を選択できます。
  • プランによって最短の起動間隔が異なりますので、ご注意ください。
  • Googleフォームをトリガーとして使用した際の回答内容を取得する方法は「Googleフォームトリガーで、回答内容を取得する方法」を参照ください。
  • AIワーカーの基本設定は「【AIワーカー】基本的な設定方法」をご参照ください。
  • AIワーカーの同時実行数・作成可能なAIワーカー数・利用可能なAIモデルはご契約中のプランによって異なります。
  • AIワーカー内でご利用いただけるアプリやオペレーション等はフローボットの利用制限と同様です。
  • AIワーカーは、テスト実行でも本番実行と同様にタスクを消費しますのでご注意ください。詳細は「【AIワーカー】タスク実行数の計算方法」ご参照ください。
  • AIワーカー内で使用するツール(アプリ)についてもマイアプリ連携が必要です。
  • AIワーカーはマニュアルを詳細に設定することで適切な処理を実行しやすくなります。詳細は「【AIワーカー】マニュアルの作成方法」をご参照ください。

Yoomを使えば、今回ご紹介したような連携を
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この記事を書いた人
Yuzuki Amano
Yuzuki Amano
3年間動画制作に携わり、 視聴者の心を動かす表現を追求してきました。 その経験を活かしyoomの魅力や可能性を わかりやすく・魅力的に発信していきます。
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