ビジネスのグローバル化が進む中、海外顧客のために資料を翻訳したり、海外のサイトをリサーチしたりする機会が増え、翻訳業務の負担は増え続けています。
「翻訳作業に時間を取られている」「直訳調で文脈が伝わらない」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
そうした翻訳業務の課題を解決する候補の1つにMicrosoft Copilotの利用があります。
本記事では、Microsoft Copilotを活用した翻訳方法の紹介をはじめ、実際の業務でどの程度使えるのかを徹底解説します。
現時点でMicrosoft Copilotが対応できる翻訳業務と対応できない翻訳業務が明確になるので、ぜひ参考にしてみてください!
✍️そもそもMicrosoft Copilotとは
本記事の想定読者
本記事は、以下のような方を想定して執筆しています。
- 海外顧客の対応を日常的に行っており、翻訳工数を削減したい方
- 翻訳専任の担当者がおらず、自分たちで効率的に英語資料を作成・読み解く必要がある方
- Microsoft Copilotの導入を検討中で、翻訳精度や具体的な活用シーン(メール、PDF、Web記事など)を知りたい方
Microsoft Copilotでできる翻訳業務
Microsoft Copilotは、OpenAI社のChatGPTの技術をベースに開発されており、
最大の特徴はWord、Excel、PowerPoint、OutlookなどのOfficeアプリや、Edgeブラウザと深く統合されている点です。まずは、Microsoft Copilotが活躍する翻訳業務を一覧でご紹介します。
こうした業務に利用できるMicrosoft Copilotは、文脈を理解した自然な翻訳を得意にしているため、前後の文脈やビジネスのトーン&マナーを考慮した意訳が可能です。
一方で、専門用語の厳密な定義が必要な場面では、プロンプトの工夫が必要です。
また、非対応の言語への翻訳においては、専門特化型の翻訳ツール(DeepLなど)との使い分けが必要になる場合もあります。
しかし、日常的なビジネスコミュニケーションや情報収集においては、非常に強力なパートナーとなります。
⭐Yoomは様々な翻訳にかかわる業務を自動化できます!
👉Yoomとは?ノーコードで業務自動化につながる!
ハイパーオートメーションツール「Yoom」では、翻訳にかかわる様々な業務を自動化できます。翻訳したテキストをそのまま別のSaaSツールと連携させたい時など、シームレスにツール間での連携が可能です!
下記のテンプレートをコピーして設定するだけで、お好きな業務の自動化が実現。気になる方はぜひチェックしてみてくださいね👀
定期的に報告書をDeepLで翻訳し、GhatGPTで要約してSlackに投稿する
試してみる
■概要
「定期的に報告書をDeepLで翻訳し、ChatGPTで要約してSlackに投稿する」フローは、多言語での報告業務をスムーズに進めるための業務ワークフローです。
毎週や毎月の報告書を自動的に翻訳し、要約された内容をチームのSlackチャンネルに共有することで、情報共有の効率化とコミュニケーションの円滑化を実現します。
■このテンプレートをおすすめする方
- 定期的に多言語の報告書を作成・共有しているチームリーダー
- DeepLとChatGPTを活用して業務の自動化を図りたいIT担当者
- 報告書の翻訳や要約に時間を取られ、他の業務に集中できないビジネスパーソン
- チーム内での情報共有を効率的かつ正確に行いたいマネージャー
- 自動化ツールを導入して業務効率を向上させたい中小企業の経営者
■このテンプレートを使うメリット
- 業務効率の向上:報告書の翻訳から要約、Slackへの投稿までを自動化することで、手作業の時間を削減できます。
- 情報共有の効率化:最新の報告内容がチーム全体に共有されるため、意思決定がスピーディーに行えます。
- 品質の一貫性:DeepLとChatGPTの連携により、常に高品質な翻訳と要約を提供し、情報の正確性を保ちます。
メールを受信したらChatGPTで要約し、Difyで翻訳する
試してみる
■概要
海外からのメールやニュースレターなど、外国語の情報を扱う際に都度翻訳ツールを開くのは手間がかかるのではないでしょうか?このワークフローを活用すれば、特定のメールを受信した際に、自動でChatGPTが内容を要約し、Difyが指定言語へ翻訳します。これにより、手作業での翻訳や要約の手間を省き、言語の壁を感じさせない迅速な情報収集を実現できます。
■このテンプレートをおすすめする方
- 海外の顧客やパートナーとメールでやり取りする機会が多い方
- 英語のニュースレターなど、国外の最新情報を効率的に収集したい方
- ChatGPTやDifyを活用し、手作業での翻訳業務を自動化したいと考えている方
■このテンプレートを使うメリット
- メール受信後、自動で要約と翻訳が実行されるため、手作業で翻訳ツールを操作する時間を短縮し、より重要な業務に集中できます。
- 手作業によるコピー&ペーストのミスや翻訳漏れといったヒューマンエラーを防ぎ、常に正確な情報に基づいた判断を支援します。
■フローボットの流れ
- はじめに、ChatGPT、Dify、SlackをYoomと連携します。
- 次に、トリガーでメールトリガーを選択し、「メールが届いたら」というアクションを設定します。
- 次に、オペレーションでChatGPTを選択し、「テキストを生成」アクションを設定して、受信したメール本文の要約を指示します。
- 次に、オペレーションでDifyを選択し、「チャットメッセージを送信」アクションを設定して、ChatGPTが生成した要約テキストの翻訳を指示します。
- 最後に、オペレーションでSlackの「チャンネルにメッセージを送る」アクションを設定し、Difyで翻訳されたテキストを指定のチャンネルに通知します。
※「トリガー」:フロー起動のきっかけとなるアクション、「オペレーション」:トリガー起動後、フロー内で処理を行うアクション
■このワークフローのカスタムポイント
- メールトリガーでは、特定の送信元メールアドレスを指定したり、件名や本文に特定のキーワードが含まれる場合のみ起動させたりといった条件設定が可能です。
- ChatGPTのオペレーションでは、プロンプトを自由にカスタマイズし、受信したメール本文を変数として埋め込み、「この内容を日本語で100字に要約して」といった具体的な指示が設定できます。
- Difyへのメッセージ送信では、メッセージを送信する会話IDを任意に指定でき、本文に前段のChatGPTで生成した要約テキストを変数として埋め込むことが可能です。
- Slackへの通知アクションでは、メッセージを投稿するチャンネルやメンション先を自由に設定できます。また、Difyで翻訳されたテキストを変数として埋め込むなど、通知内容を柔軟に作成することが可能です。
■注意事項
- ChatGPTとDifyのそれぞれとYoomを連携してください。
- Difyのマイアプリ連携方法はこちらをご参照ください。
- ChatGPT(OpenAI)のアクションを実行するには、OpenAIのAPI有料プランの契約が必要です。(APIが使用されたときに支払いができる状態)
- ChatGPTのAPI利用はOpenAI社が有料で提供しており、API疎通時のトークンにより従量課金される仕組みとなっています。そのため、API使用時にお支払いが行える状況でない場合エラーが発生しますのでご注意ください。
🤔Microsoft Copilotで実際に翻訳してみた!
ここからは、実際の業務シーンを想定し、Microsoft Copilotの翻訳能力を検証します。
今回は「PowerPoint資料の翻訳」と「海外サイトの翻訳・要約」の2つをテストしました。
検証条件
検証に使用した環境は以下の通りです。
【検証1】
- アカウント: Microsoft 365 Business Basic
【検証2】
- ブラウザ: Microsoft Edge
- アカウント:Microsoft無料アカウント
検証内容とポイント一覧
以下の2つのケースで検証を行います。
検証1:日本語のPowerPoint資料を、デザインを維持したまま英語化できるか
検証ポイント:
- スライドのデザイン崩れがないか
- テキストが適切に訳されているか
- 処理にかかる時間
検証2:海外のニュースサイトを、ページ遷移せずに日本語で要約・理解できるか
- ページ全体の文脈を理解しているか
- 広告などのノイズが除去されているか
- 要約と翻訳を同時に実行できるか
検証方法
それぞれの検証手順を解説します。
【検証1:PowerPointファイルの翻訳】
PowerPointで資料を開き、「ホーム」タブからCopilotを選択して以下のプロンプトを送信しました。
【検証プロンプト】
このプレゼンテーションのすべてのスライドを英語に翻訳してください
【条件】
・翻訳した内容をもとに英語バージョンのファイルを作成してください
・英語バージョンのファイルを作成する際は元のデザインを維持し、内容のみ英語にしてください
【検証2:海外サイトの翻訳・要約】
対象のサイトを開き、コンテキストメニューから要約を行います。今回は、以下のページを翻訳対象としました。
AI in Everyday Life: 20 Real-World Examples
✅検証結果1:PowerPoint資料の翻訳
まずは、日本語で作成したプレゼンテーション資料を、レイアウトを崩さずに英語へ翻訳する作業です。
Copilotで作成されたファイルを開くと以下のようになりました。
検証結果
検証ポイントをもとに結果を評価すると、以下になります。
翻訳バージョンのファイル作成は実用段階ではない
残念ながら、Copilotによる「翻訳版PowerPointファイル」の作成は実用的ではありません。
処理時間は31秒と驚異的な速さでしたが、すべてのスライドでデザインが崩れ、未翻訳のテキストも残っていました。
これらを修正する手間を考えると、手作業でテキストを差し替える方が確実に早く終わります。
Copilotは、Microsoft製品との相性が良いことが最大のメリットですが、デザインを維持した翻訳版の資料作成ができないのであれば、優位性は限られます。
あくまでも、外国語のスライドをタブを切り替えずに翻訳したいシーンのみ有効と言えます。
翻訳作業と同時に翻訳版のPowerPointも作成できるのは、もう少し先になりそうです。
プロンプトの工夫でも改善は困難
翻訳バージョンのPowerPointファイルの作成は、プロンプトを工夫しても難しいです。例えば、作成されたファイル内に未翻訳があったことをチャットで指摘して新たにファイルも作成してもらいましたが、依然として未翻訳のテキストが残っており、デザインも崩れたままでした。
【再依頼して作成されたスライド】
また、翻訳とPowerPointの作成作業を分けて依頼することも試してみました。
翻訳自体は正確でしたが、作成されたファイルはデザインが大きく崩れており、テキストが複雑に重なっている状態でした。
【翻訳とファイル作成を分けたバージョン】