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【RAG(検索拡張生成)の活用事例】社内FAQ構築で回答精度を検証
Telegramからの質問に対して、メール履歴からAIワーカーがRAGを活用して返信する
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【RAG(検索拡張生成)の活用事例】社内FAQ構築で回答精度を検証
AI最新トレンド

2026-06-15

【RAG(検索拡張生成)の活用事例】社内FAQ構築で回答精度を検証

Yuzuki Amano
Yuzuki Amano

生成AIの業務活用が進む中、多くの企業が直面する課題が「自社固有のルールや専門知識をAIが理解できない」という点です。一般的な生成AIは、インターネット上の公開データなどを学習して回答を生成しますが、企業の社内マニュアルや顧客データといった非公開の情報にはアクセスできません。そのため、業務に関する具体的な質問に対しては正確な回答が得られない傾向があります。
このような課題を解決する技術として「RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)」が導入されています。本記事では、RAGの基本的な仕組みから、企業における具体的な活用事例、導入時の検証手順までを詳しく解説します!

🔍RAG(検索拡張生成)とは?

RAGは、生成AIの回答精度と信頼性を高めるために開発された技術です。
生成AIが回答を作成する前に、社内文書やマニュアルなどの外部データを検索し、その情報を根拠として回答を生成します。これにより、自社独自のルールや最新情報を反映した回答が可能になり、参照した文書を根拠として提示できるという特徴があります。

▼RAGの仕組み

RAGのシステムは、大きく「検索(Retrieval)」と「生成(Generation)」の2つのプロセスで構成されています。

  1. ユーザーの質問と検索:ユーザーが質問を入力すると、システムは質問内容と関連性の高い情報をデータベースから検索し、必要なテキストを抽出します。
  2. プロンプトの構築と回答生成:抽出した情報とユーザーの質問を組み合わせてプロンプトを作成し、生成AIに渡します。AIはその情報を基に回答を生成します。

このように、外部情報を検索してから生成を行うことで、回答の精度を飛躍的に向上させます。

▼RAGと通常の生成AIの違い

通常の生成AIとRAGを組み合わせたシステムには、いくつかの明確な違いがあります。
1.情報の参照元

  • 通常の生成AI:事前学習済みの知識と会話内で与えられた情報をもとに回答
  • RAG:外部データベースや検索基盤から関連情報を取得し、その内容を根拠に回答

2.専門知識の有無

  • 通常の生成AI:広く一般的な知識
  • RAG:社内の機密情報や独自の業務マニュアルに基づく専門的な知識

3.根拠の提示

  • 通常の生成AI:回答の根拠を示さないことが多い
  • RAG:参照した社内文書のリンクなどを提示でき、情報の裏付けが容易

これらの違いにより、RAGはビジネスの現場で実用性の高いツールとして機能します。

🏢企業におけるRAG活用事例5選

ここでは、実際にRAGを導入して業務効率化やナレッジ共有を実現している企業の事例を5つ紹介します。各事例を通じて、RAGがどのように業務課題を解決しているのか、具体的な利用イメージを把握できます。

事例①社内情報検索による業務効率化

企業名:LINEヤフー株式会社
活用概要:社内文書検索システム「SeekAI」を構築し、業務効率化を実現
導入内容

  • 社内に散在する規程、マニュアル、Wikiなどの膨大なテキストデータを統合して検索可能な状態にし、従業員が日常的な言葉で質問を入力するだけで情報を引き出せるようにしました。システムが関連する社内文書を検索し、それらを参照しながら要約された回答を表示します。

導入効果

  • 社内の情報を探すという非生産的な時間が削減され、従業員はより価値の高い業務に時間を割くことができるようになりました。

参照:出典①

事例②カスタマーサポート業務の効率化

企業名:セゾンテクノロジー
活用概要:HULFT製品のテクニカルサポートセンターにRAGを活用した回答作成支援システムを構築
導入内容

  • 過去の問い合わせ履歴や製品マニュアルをデータベース化し、RAGシステムと連携させることで、顧客からの問い合わせ内容をAIが分析し、データベースから適切な情報を抽出して回答のドラフトを自動生成します。サポート担当者は生成された回答案を確認して必要に応じて修正するだけで済みます。

導入効果

  • サポートエンジニアの回答作成時間を最大30%短縮。
    回答作成の効率化に加え、対応スピードの向上にもつながっています。

参照: 出典②

事例③新入社員向けFAQ対応の自動化

企業名:株式会社ゆめみ

活用概要:Slack上で利用できる社内QAシステムを構築し、新入社員のセルフオンボーディングを支援

導入内容

  • 社内コミュニケーションツールであるSlack上でRAGを活用した社内QAシステムを構築。
    社内のNotionドキュメントを活用して関連情報を抽出しながら回答を生成し、会話履歴を踏まえた応答にも対応しています。

導入効果

  • 新入社員が社内の膨大な情報へ迅速にアクセスしやすい環境が整い、コミュニケーションツールとRAGを連携させたオンボーディング支援を実現しています。

 参照: 出典③

事例④マニュアルを活用したナレッジ共有

企業名:東洋建設株式会社

活用概要:RAGを用いた安全指導支援システムを導入し、建設現場の安全管理を強化

導入内容

  • 過去の災害事例データと安全基準に関する膨大なマニュアルを統合データベース化。現場監督や作業員がAIに状況を伝えることで、現場の状況に応じた適切な安全基準や過去の事例が即座に提示されます。

導入効果

  • 正確な情報に基づいた安全指導が可能になり、安全管理に関する知見を組織全体で共有しやすくなりました。

参照: 出典④

事例⑤稟議書・申請書のドラフト作成支援

企業名:ふくおかフィナンシャルグループ(ふくおかFG)

活用概要:融資稟議書の作成支援に生成AIを活用したシステムをプロトタイプとして開発

導入内容

  • CRMシステムやExcelシートなどの業務データに加え、過去の類似案件の情報も参照しながら融資稟議書の作成を支援する仕組みをプロトタイプとして開発。担当者が必要情報を入力すると、関連データをもとに稟議書のドラフトが自動生成されます。

導入効果

  • 文書の体裁を整える手間や過去の類似案件を探して参照する作業が不要になり、稟議書作成にかかる時間を約35%削減。意思決定のスピード向上にもつながる可能性が示されました。

 参照: 出典⑤

📈企業がRAGを導入するメリット

ここでは、企業がRAGを導入することで得られる具体的なメリットを解説します。

1.ハルシネーション(誤情報)の抑制

生成AIが事実とは異なる不正確な情報を生成してしまう現象を「ハルシネーション」と呼びます。RAGは回答を生成する際、指定された外部データベースの情報を参照しながら回答するため、AIが推測で誤った回答を作り出すリスクを大幅に低下させます。

また、回答とともに参照元の文書リンクを提示することで、利用者が情報の正確性を直接確認できるため、業務利用における安全性が高まります。このように、根拠の薄い情報が含まれる可能性を抑え、信頼できるデータに基づいた回答を提供する仕組みが、企業のAI導入における不安を払拭する大きな要因となっています。

2.社内ナレッジの有効活用

企業内には、マニュアル、議事録、過去の提案書など、多様なナレッジが蓄積されていますが、十分に活用されていないケースが少なくありません。RAGを導入することで、部署ごとに分散していた社内文書を横断的に検索し、必要な情報としてスムーズに引き出すことが可能になります。特定の担当者しか知らない業務ノウハウをデータベース化してRAGに連携させることで、属人化を解消し、誰でも簡単にその知識にアクセスできるようになります。
さらに、過去の事例や実績データを迅速に参照できるため、データに基づいた的確な意思決定を支援し、組織全体のパフォーマンスを底上げします。埋もれていた情報資産を実践的な知識として再利用できる点が、大きなメリットです。

3.情報検索の効率化と業務時間削減

日常業務において、必要な情報を探すための時間は従業員の生産性を低下させる要因の一つです。こうした課題に対して、RAGは有効な解決策となります。

  1. 瞬時の情報アクセス:キーワード検索では見つけにくい情報でも、RAGは質問の文脈を理解して該当する情報を探し出し、要約して提示するため、検索時間を大幅に短縮できます。
  2. 問い合わせ対応の削減:バックオフィス部門への社内規定に関する質問などをRAGボットが自動で回答することで、担当部門の対応負荷を軽減します。
  3. 資料作成の支援:過去の類似文書や必要なデータポイントを瞬時に抽出できるため、稟議書や企画書などのドラフト作成にかかる作業時間を大きく削減します。

⭐Yoomは社内ドキュメントと連携したナレッジ活用を自動化できます

AI単体でもRAGの仕組みを構築することは可能ですが、Yoomを組み合わせることで、「情報の取得からAIへの連携、そしてチャットツールへの回答通知」といった業務プロセス全体をシームレスに自動化できます。

[Yoomとは]

たとえば、Telegramからの質問に対して、メール履歴からAIワーカーがRAGを活用して返信するといったことも可能です。気になる方はぜひチェックしてみてくださいね👀


■概要
Telegramを通じた顧客や関係者からの問い合わせに対し、過去のメール履歴を探して回答を作成する作業に手間を感じていませんか?一件ずつ情報を探す作業は時間がかかるだけでなく、対応品質のばらつきを生む原因にもなり得ます。 このワークフローを活用すれば、Telegramにメッセージが届くと、AIがRAG技術を用いて関連するメール履歴を自動で検索・参照し、最適な回答案を生成します。これにより、問い合わせ対応の迅速化と品質向上を実現できます。
■このテンプレートをおすすめする方
  • Telegramでの問い合わせ対応で、過去のメール履歴の検索に時間を要している方
  • RAGの仕組みを活用し、Telegramでの顧客対応を効率化したいと考えている方
  • AIを用いて問い合わせ対応の品質を標準化し、属人化を解消したいチームリーダーの方
■このテンプレートを使うメリット
  • Telegramへの問い合わせに対し、関連するメール履歴の検索と回答案作成が自動化されるため、手作業での対応時間を短縮することができます
  • RAGを用いて過去のやり取りを基に回答を生成することで、担当者による対応品質のばらつきを防ぎ、業務の標準化に繋がります
■フローボットの流れ
  1. はじめに、GmailとTelegramをYoomと連携します
  2. 次に、トリガーでTelegramを選択し、「ボットがメッセージを受け取ったら」というアクションを設定します
  3. 最後に、オペレーションでAIワーカーを選択し、Gmailから取得したメール履歴を分析してRAGに基づいた回答を生成して返信するためのマニュアル(指示)を作成します
※「トリガー」:フロー起動のきっかけとなるアクション、「オペレーション」:トリガー起動後、フロー内で処理を行うアクション
■このワークフローのカスタムポイント
  • AIワーカーのオペレーションでは、回答生成に利用するAIモデルを任意で選択することが可能です
  • AIワーカーへの指示(プロンプト)も任意で設定できます。回答のトーンや文字数、参照すべき情報の優先順位などを業務に合わせて調整してください
■注意事項
  • Telegram、GmailのそれぞれとYoomを連携してください。AIワーカー内で使用するツール(アプリ)についてもマイアプリ連携が必要です。
  • AIワーカーの基本設定は「【AIワーカー】基本的な設定方法」をご参照ください。
  • AIワーカーの同時実行数・作成可能なAIワーカー数・利用可能なAIモデルはご契約中のプランによって異なります。
  • AIワーカー内でご利用いただけるアプリやオペレーション等はフローボットの利用制限と同様です。
  • AIワーカーは、テスト実行でも本番実行と同様にタスクを消費しますのでご注意ください。詳細は「【AIワーカー】タスク実行数の計算方法」ご参照ください。
  • AIワーカーはマニュアルを詳細に設定することで適切な処理を実行しやすくなります。詳細は「【AIワーカー】マニュアルの作成方法」をご参照ください。

■概要
社内情報はGoogle DriveやNotion、Slack、Gmailといった複数のアプリに分散しがちで、必要な情報を一つひとつ検索して探し出す作業は、業務の大きな負担となります。特に新入社員のオンボーディングやプロジェクトの進捗確認において、情報の在りかが不明確なことで生じるタイムロスは課題です。このワークフローを活用すれば、Microsoft Teamsの専用チャネルへ質問を投稿するだけで、AIワーカーが社内ツールを横断検索して最適な回答を自動生成します。Microsoft Teamsから離れることなく、必要な情報を即座に取得できるため、ナレッジ活用の効率が向上します。

■このテンプレートをおすすめする方
  • Google DriveやNotionなど、複数の社内ツールに情報が分散しており、検索に手間取っている従業員の方
  • 社内ルールや過去の経緯に関する問い合わせ対応を効率化し、自己解決を促したい情報システム担当者の方
  • Microsoft Teams上で迅速に情報を収集し、意思決定のスピードを上げたいチームリーダーの方

■このテンプレートを使うメリット
  • AIが複数の社内ツールから情報を集約するため、情報検索に費やしていた時間を短縮し、本来のコア業務に集中できる環境を整えます。
  • Microsoft Teams上で質問するだけで最新の情報に基づいた回答が得られるため、社内のナレッジ共有を活性化し、業務の属人化を防ぎます。

■フローボットの流れ
  1. はじめに、Microsoft Teams、Slack、Notion、Google Drive、GmailとYoomを連携します。
  2. 次に、トリガーとして、Microsoft Teamsの「チャネルにメッセージが投稿されたら」というアクションを設定します。
  3. 次に、AIワーカーで、投稿された質問内容から情報を検索し回答を作成するためのマニュアルを作成します。その際、Slack、Notion、Google Drive、Gmail、Microsoft Teamsの「チャネルに投稿されたメッセージに返信する」アクションを設定し、AIが生成した回答を投稿します。
※「トリガー」:フロー起動のきっかけとなるアクション、「オペレーション」:トリガー起動後、フロー内で処理を行うアクション

■このワークフローのカスタムポイント
  • AIワーカーのマニュアル設定において、どのツールのどの情報を優先的に参照するかなど、回答の精度を高めるための指示を任意で調整してください。
  • Microsoft Teamsのトリガー設定では、特定のキーワードに反応してフローを起動させるなど、運用に合わせた条件設定が可能です。
  • 返信先のチャネルや、AIが生成する文章のトーン(敬語など)を、組織の文化に合わせてカスタマイズしてください。

■注意事項
  • Microsoft Teams、Slack、Notion、Google Drive、GmailのそれぞれとYoomを連携してください。AIワーカー内で使用するツール(アプリ)についてもマイアプリ連携が必要です。
  • トリガーは5分、10分、15分、30分、60分の間隔で起動間隔を選択できます。
  • プランによって最短の起動間隔が異なりますので、ご注意ください。
  • Microsoft365(旧Office365)には、家庭向けプランと一般法人向けプラン(Microsoft365 Business)があり、一般法人向けプランに加入していない場合には認証に失敗する可能性があります。
  • AIワーカーの基本設定は「【AIワーカー】基本的な設定方法」をご参照ください。
  • AIワーカーの同時実行数・作成可能なAIワーカー数・利用可能なAIモデルはご契約中のプランによって異なります。
  • AIワーカー内でご利用いただけるアプリやオペレーション等はフローボットの利用制限と同様です。
  • AIワーカーは、テスト実行でも本番実行と同様にタスクを消費しますのでご注意ください。詳細は「【AIワーカー】タスク実行数の計算方法」ご参照ください。
  • AIワーカーはマニュアルを詳細に設定することで適切な処理を実行しやすくなります。詳細は「【AIワーカー】マニュアルの作成方法」をご参照ください。

🤖【検証】RAGを使って社内FAQボットを構築してみた

本セクションでは、RAGを活用した社内FAQボットの構築手順と、その回答精度を検証した結果を解説します。
検証の目的は以下の3点です。

  1. 社内独自の規定に関する質問に対して、RAGが正確な回答を生成できるか
  2. 通常の生成AI(外部データ連携なし)と比較して、ハルシネーションがどの程度抑制されるかを評価する
  3. システムの構築から運用までの手軽さと、実業務での実用性を確認すること

今回は、架空企業の「就業規則テキストデータ」を用意し、これをRAGシステムに読み込ませた上で、従業員から寄せられる一般的な質問を想定したプロンプトを入力して出力を検証しました。

▶事前準備

検証を行うにあたり、まず回答の根拠となる社内データ(架空)の準備を行いました。

データの選定:従業員からの問い合わせが多い「有給休暇の取得ルール」に関する社内規程のテキストデータを抽出

データのクレンジング:AIが正確に情報を読み取れるよう、テキストデータから不要な記号や装飾を削除し、見出しと本文の関係を明確に構造化

検証環境の構築:今回はノーコードで設定できるDify(ディフィー)を使用

検証①RAGツールへのデータ登録と回答

準備したテキストデータをDifyに読み込ませ、適切に情報が検索される状態を構築しました。

その後、動作確認のため以下の検証プロンプトを用いてテストを行います。

【検証プロンプト】

有給休暇を半日単位で取得する場合の申請期限と、承認フローの手順を箇条書きで教えてください。
回答の最後には、参照した規程の章番号と条番号を記載してください。

検証結果

全体として非常に良好な結果となりました。
回答内容は就業規則としっかり一致しており、申請期限である「取得希望日の前営業日の17時まで」という条件も、正しく参照できていました。また、承認フローもほぼ忠実に再現されており、実務で利用する際にも十分参考になる内容でした。

さらに、指示通り最後に参照条文が明記されており、回答の根拠を示すというRAGの強みも確認できました。細かな改善点としては、箇条書きを増やして視認性を高めたり、「半日有給休暇」という表現を追加したりすると、より質問内容との対応が分かりやすくなりそうです。
ただし、検証結果としては十分に合格点と言える内容でした。


検証②回答精度の検証(通常の生成AIとの比較)

次に、RAGボットと、就業規則のテキストデータを直接アップロードしたChatGPTとの回答精度を比較します。
今回はChatGPTを使用し、同じ「就業規則」のテキストデータをアップロードしたうえで、以下のプロンプトを入力します。

【検証プロンプト】

当社の就業規則に基づき、時間単位の年次有給休暇について、
・1日に取得できる最大時間数
・取得の単位(何分刻みか)
・取得にあたって従業員が特に注意すべき点
をそれぞれ箇条書きで教えてください。
回答の最後には、参照した規程の章番号と条番号を記載してください。

検証結果

ChatGPTとDifyのRAGボットのいずれも、アップロードした就業規則の内容を正しく読み取り、高い精度で回答できることを確認できました
回答スタイルには違いが見られ、ChatGPTは申請手続きや事後申請に関する条文まで幅広く参照しながら、実務上の注意点を含めて丁寧に補足する傾向がありました。
【ChatGPTの出力】
検証②回答精度の検証(通常の生成AIとの比較)
次に、通常の生成AI(社内データ非連携)との回答精度を比較します。 

一方、DifyのRAGボットは質問で求められた内容に絞って回答を構成しており、「最大時間数」「取得単位」「注意点」をコンパクトに整理できていました。特に注意点については、規程の内容を過不足なく要約しており、FAQとして参照する際の読みやすさが際立ちました。

【DifyのRAGボットの出力】

今回の検証からは、両者とも正確性は十分に高い一方で、ChatGPTは情報を広く補足するタイプ、DifyのRAGボットは必要な情報を簡潔に提示するタイプという違いが見られました。

▶検証結果と運用のポイント

今回の検証を通じて、冒頭で設定した3つの目的について、以下のような結果が得られました。

  1. 正確な回答の生成
    社内規程に基づいた具体的な回答を安定して生成できており、業務に直結するFAQシステムとして高い実用性を確認できました。
  2. ハルシネーションの抑制
    回答には参照条文が明記されており、根拠を容易に確認できました。回答の出典を示せる点は、RAGの大きな強みの一つといえます。
  3. 運用のしやすさ
    テキストデータを取り込むだけで精度の高いボットを構築でき、手軽に運用を開始できました。
    また、一度構築すれば繰り返し利用できるため、通常の生成AIのように都度資料をアップロードする手間がありません。一方で、社内規程や各種資料が更新された際には、参照データを速やかに更新する運用体制を整えておくことが重要です。

⚠️RAG導入を成功させるための注意点

RAGは強力な業務効率化ツールですが、単にシステムを導入するだけでは期待する効果を得られない場合があります。
ここからは、RAGシステムを社内に定着させ、安全かつ継続的に活用していくために、企業が留意すべき運用上の注意点と対策について解説します。

①データソースの整理・構造化

RAGの性能を最大限に引き出すためには、質の高いデータソースの準備が必須です。
古いマニュアルや重複するデータを整理し、常に最新かつ正確な情報のみをRAGシステムに読み込ませるように管理することが求められます。
また、AIが文脈を理解しやすいように、見出しや段落を整理して情報を明確に構造化することが重要です。業務に関係のない雑談ログや不要なメタデータを排除し、ノイズを除去することで検索の精度を高め、AIの回答のブレを防ぎます。システムに投入するデータの品質が、そのままAIの回答品質に直結するため、定期的なデータの見直しと整理を行う運用体制を構築しておく必要があります。

②回答精度を継続的に改善する

システム導入後も、AIの回答精度を維持・向上させるための運用が必要です。

  1. フィードバックの収集:従業員がRAGボットを利用した際の回答結果に対して「役に立ったか」を評価できる仕組みを設け、改善点を洗い出します。
  2. プロンプトの最適化:うまく情報が抽出されない場合は、システム内部で使用している検索用の指示文(プロンプト)を調整し、適切な情報を引き出せるよう改善します。
  3. データの定期更新:社内規程や製品情報が変更された際は、迅速にデータベースの情報を更新する運用フローを確立することが重要です。

③セキュリティとアクセス権限の管理

社内の情報をAIに学習させる上で、セキュリティ管理は避けて通れない課題です。
個人情報や極秘の経営データなど、AIに読み込ませるべきではない情報を事前に分類し、データベースへのアップロードを厳格に制限します。役職や部署に応じて閲覧できるデータが異なる場合、RAGシステム上でもユーザーに応じたアクセス権限を設定し、情報漏洩を防ぐ仕組みを構築します。
さらに、入力したデータが外部のAIモデルの学習に利用されないよう、エンタープライズ向けの安全なAPIを利用するなどの対策が求められます。利便性だけでなく、社内情報を安全に活用できる堅牢なセキュリティ環境を整備することが、導入成功の鍵となります。
【具体的な対策】

  • データの持ち込み基準を明確化する
  • 機密情報の自動マスキングを実施する
  • シングルサインオン(SSO)を導入する
  • アクセス権限の棚卸しを定期実施する
  • 利用ログの監視体制を構築する
  • 従業員向けのセキュリティ教育を行う

🖊️まとめ|RAG活用事例から学ぶ導入のポイント

RAG(検索拡張生成)は、AIの弱点であるハルシネーションを抑え、社内の貴重な情報資産を正確かつ安全に活用するための画期的な技術です。情報検索の効率化や文書作成の自動化など、既に多くの企業で実務に導入され、生産性の向上に大きく貢献しています。
導入に際しては、データ整備やセキュリティ管理といった運用体制の構築が求められますが、それらを乗り越えることで得られる恩恵は計り知れません。まずは自社の課題を整理し、FAQ対応などの身近な業務からRAGの導入を検討して、新たな業務効率化への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

💡Yoomでできること

Yoomは、業務を自動化するハイパーオートメーションプラットフォームです。
これまで手動で利用していた各ツールをメインとした自動化フローが、直感的な操作で実現可能です。もし自動化に少しでも興味を持っていただけたなら、ぜひ登録フォームから無料登録して、Yoomによる業務効率化を体験してみてください。


■概要
社内からの問い合わせに対し、毎回ドキュメントを探したり、同じ質問に答えたりする業務に時間を取られていませんか?こうした繰り返し発生する社内情報の検索と回答は、担当者の負担になりがちです。 このワークフローを活用すれば、Microsoft Teamsに投稿された質問をトリガーとして、まるでAIエージェントのように社内情報を自動で検索し、回答を生成することが可能です。
■このテンプレートをおすすめする方
  • 社内ヘルプデスクで、繰り返される質問への対応を効率化したいと考えているご担当者の方
  • Microsoft Teamsを活用し、AIワーカーによる自動的な社内情報検索の仕組みを構築したい方
  • 属人化しがちなナレッジを共有し、問い合わせ対応業務を自動化したいと考えている方
■このテンプレートを使うメリット
  • Microsoft Teams上の質問に対し、AI agentが社内情報を検索して自動回答するため、担当者の対応工数を削減し、コア業務に集中できます。
  • これまで担当者個人が対応していた問い合わせ業務を自動化することで、業務の属人化を防ぎ、ナレッジのスムーズな共有を促進します。
■フローボットの流れ
  1. はじめに、社内情報の格納先であるGoogleドキュメントと、質問を受け付けるMicrosoft TeamsをYoomと連携します。
  2. 次に、トリガーでMicrosoft Teamsを選択し、「チャネルにメッセージが送信されたら」というアクションを設定します。
  3. 最後に、オペレーションでAIワーカーを選択し、Googleドキュメント内の情報を参照して質問に回答するためのマニュアル(指示)を作成します。
※「トリガー」:フロー起動のきっかけとなるアクション、「オペレーション」:トリガー起動後、フロー内で処理を行うアクション
■このワークフローのカスタムポイント
  • Microsoft Teamsのトリガー設定では、どのチームのどのチャネルに投稿されたメッセージをきっかけにフローを起動するか、任意のチームIDおよびチャネルIDを設定してください。
  • AIワーカーの設定では、回答を生成するAIモデルを任意で選択し、どのような役割で、どの情報を参照して回答を生成するのか、といった具体的な指示を設定してください。
■注意事項
  • Microsoft Teams、GoogleドキュメントのそれぞれとYoomを連携してください。
  • トリガーは5分、10分、15分、30分、60分の間隔で起動間隔を選択できます。
  • プランによって最短の起動間隔が異なりますので、ご注意ください。
  • Microsoft365(旧Office365)には、家庭向けプランと一般法人向けプラン(Microsoft365 Business)があり、一般法人向けプランに加入していない場合には認証に失敗する可能性があります。
  • AIワーカー内で使用するツール(アプリ)についてもマイアプリ連携が必要です。
  • AIワーカーの基本設定は「【AIワーカー】基本的な設定方法」をご参照ください。
  • AIワーカーの同時実行数・作成可能なAIワーカー数・利用可能なAIモデルはご契約中のプランによって異なります。
  • AIワーカー内でご利用いただけるアプリやオペレーション等はフローボットの利用制限と同様です。
  • AIワーカーは、テスト実行でも本番実行と同様にタスクを消費しますのでご注意ください。詳細は「【AIワーカー】タスク実行数の計算方法」ご参照ください。
  • AIワーカーはマニュアルを詳細に設定することで適切な処理を実行しやすくなります。詳細は「【AIワーカー】マニュアルの作成方法」をご参照ください。

■概要
社内の様々な部署からChatworkに寄せられる問い合わせ対応に、多くの時間を費やしていませんか? 同じような質問にその都度回答したり、関連する社内文書を探したりする作業は、担当者にとって大きな負担となりがちです。 このワークフローを活用すれば、Chatworkへの質問投稿をきっかけに、AIがGoogle Drive内の社内文書を自動で検索し、内容を精査した上で回答を生成するため、こうした問い合わせ対応業務の効率化を実現します。
■このテンプレートをおすすめする方
  • Chatworkでの社内問い合わせ対応に多くの時間を費やしている総務や情報システム担当者の方
  • Google Driveに蓄積された社内文書やナレッジを有効活用したいと考えている方
  • AIを活用して社内FAQ対応を自動化し、コア業務に集中できる環境を構築したい方
■このテンプレートを使うメリット
  • Chatworkへの質問にAIが自動回答するため、担当者が手作業で対応していた時間を他の業務に充てることが可能になります
  • AIが社内文書に基づいて回答を生成することで、担当者による回答内容のバラつきを防ぎ、業務の属人化解消に繋がります
■フローボットの流れ
  1. はじめに、ChatworkとGoogle DriveをYoomと連携します
  2. 次に、トリガーでChatworkを選択し、「新しいメッセージがルームに投稿されたら」というアクションを設定します
  3. 最後に、オペレーションでAIワーカーを選択し、質問に対応する社内文書を検索し回答を生成して自動返信する指示(マニュアル)を作成します
※「トリガー」:フロー起動のきっかけとなるアクション、「オペレーション」:トリガー起動後、フロー内で処理を行うアクション
■このワークフローのカスタムポイント
  • AIワーカーへの指示内容は任意で設定可能です。例えば、「丁寧な口調で回答してください」や「必ず参照したドキュメント名を記載してください」といった、具体的な指示を追加することで、より実態に即した回答を生成させることができます。
  • 検索対象とするGoogle Driveのフォルダや回答送信先のChatworkのルームなども任意で設定できます。 
■注意事項
  • Chatwork、Google DriveそれぞれとYoomを連携してください。AIワーカー内で使用するツール(アプリ)についてもマイアプリ連携が必要です。
  • AIワーカーの基本設定は「【AIワーカー】基本的な設定方法」をご参照ください。
  • AIワーカーの同時実行数・作成可能なAIワーカー数・利用可能なAIモデルはご契約中のプランによって異なります。
  • AIワーカー内でご利用いただけるアプリやオペレーション等はフローボットの利用制限と同様です。
  • AIワーカーは、テスト実行でも本番実行と同様にタスクを消費しますのでご注意ください。詳細は「【AIワーカー】タスク実行数の計算方法」ご参照ください。
  • AIワーカーはマニュアルを詳細に設定することで適切な処理を実行しやすくなります。詳細は「【AIワーカー】マニュアルの作成方法」をご参照ください。
  • ダウンロード可能なファイル容量は最大300MBまでです。アプリの仕様によっては300MB未満になる可能性があるので、ご注意ください。
  • トリガー、各オペレーションでの取り扱い可能なファイル容量の詳細は「ファイルの容量制限について」をご参照ください。

【出典】
出典① : LINEヤフー株式会社「独自業務効率化ツール『SeekAI』の全社導入」
出典②:AWS「セゾンテクノロジーの生成AI活用事例」
出典③:HRzine「新入社員のセルフオンボーディングをサポートするため、生成AIを活用した社内QAシステムを構築—ゆめみ」
出典④:東洋建設株式会社「K-SAFE 東洋RAG適用Version」
出典⑤:IBM「ふくおかフィナンシャルグループの生成AI活用事例」 

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この記事を書いた人
Yuzuki Amano
Yuzuki Amano
3年間動画制作に携わり、 視聴者の心を動かす表現を追求してきました。 その経験を活かしyoomの魅力や可能性を わかりやすく・魅力的に発信していきます。
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