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「ブログ記事のアイキャッチ画像、毎回デザイナーに頼むのは心苦しいし、素材ストックから探すのも時間がかかる…」
コンテンツマーケティングを担当している方や画像編集を日頃行っている方なら、一度はこう感じたことがあるのではないでしょうか。
画像1枚の作成に平均30分かかるとすれば、月20本の記事で約10時間。この工数を削減できれば、他のタスクにもっと時間を使えるはずです。
この記事では、そんな悩みを解決するかもしれない最新の画像生成・編集AI「Nano Banana」に注目します。テキスト指示だけで高精度な画像を生成・編集できると話題ですが、果たして私たちの業務を本当に効率化してくれるのか気になりますよね。
本記事では、Nano Bananaの基本機能を解説したうえで、Nano Bananaの使用感や画像の仕上がりを徹底的に検証します。
Nano Banana(正式名称:Gemini 2.5 Flash Image)は、Googleが開発した最新の画像生成・編集AIモデルです。テキストの指示だけで高品質な画像を生み出したり、既存の画像を自由自在に編集したりできます。
特に、一度作った人物の表情や服装を変えても、同じ人物として一貫性を保てる「人物描写の一貫性」は、他のツールよりも優れたレベルと評価されています。
主な機能は以下の通りです。
これまで画像生成AIを使ったことがある方も、そのプロンプト理解能力の高さと、柔軟な編集機能に驚くかもしれません。
なお、Nano Bananaは単体のツール・アプリとしては存在せず、Google AI StudioやGeminiアプリから無料で利用可能です。一方、APIを利用する場合は従量課金制なので、使用した分だけ料金が発生します。
今回は、社内ブログ用の以下のアイキャッチ画像をもとに、Nano Bananaを使って様々なパターンの画像を生成してみます。
まず「この画像の背景を青空に変えて」と指示したところ、以下のような画像が生成されました。
元々机に置いてあったパソコンが、背景の変更によって浮いているように見える点は少し気になりますが、人物の見た目はほとんど変わっていません。ちなみに、この画像は約20秒で完成しました。
次に、「この男性を笑った表情にして、服装もベンチャー企業の社長っぽくして」と指示すると、以下の画像が出来上がりました。
表情が明るくなり、服装もベンチャー企業の社長風に変わりましたが、それ以外の外見的な要素に変化はみられません。プロンプトで指示した部分以外には一切触れず、忠実に画像を編集できていますね。
画像の完成までにかかった時間も約10秒と、かなり短時間です。
続いて、「ロゴやタイトルはなくして、この男性が社長室でインタビューを受けている風の横長の写真を作って」と指示したところ、以下のような画像が生成されました。
同一人物だと認識できるほど、人物の特徴に一貫性があります。完成までの時間は約14秒でした。
さらに、「この男性がパソコンに向き合って真顔で仕事をしている横長の画像を作って」と指示すると、以下の画像ができました。
目線の位置に若干の違和感はありますが、人物の外見的な特徴は維持されています。こちらも約15秒で完成しました。
さて、ここまでは1枚の画像をもとに、表情や背景、シチュエーションなどを変えていましたが、Nano Bananaは複数画像の合成も得意とのことなので、こちらも試してみたいと思います。
企業ロゴの素材を添付し「この男性が、会社の入り口にある企業ロゴの前で、笑顔でガッツポーズをしている画像を作って」と指示をしてみました。
そして完成した画像がこちらです。22秒ほどで出来上がりました。
人物の特徴はそのままに、いかにも「実際にありそう」な画像になっていますね。ロゴの影も自然に加えられており、本物のオフィスで撮ったような1枚に仕上がっています。
ちなみに、ChatGPT 5 Instantを使って同様の検証を行ってみました。Nano Bananaの出力内容と比較した結果がこちらです。
【プロンプト①:「この画像の背景を青空に変えて」】
【プロンプト②:「この男性を笑った表情にして、服装もベンチャー企業の社長っぽくして」】
【プロンプト③:「ロゴやタイトルはなくして、この男性が社長室でインタビューを受けている風の横長の写真を作って」】
【プロンプト④:「この男性がパソコンに向き合って真顔で仕事をしている横長の画像を作って」】
【プロンプト⑤:「この男性が、会社の入り口にある企業ロゴの前で、笑顔でガッツポーズをしている画像を作って。企業ロゴは添付の画像」】
ChatGPTも人物の特徴はある程度維持しているものの、Nano Bananaと比べると少し別人感があります。
例えば、2枚目と5枚目はどちらも笑った表情ですが、顔の印象がわずかに異なります。また、4枚目では男性が少し老けたような印象も受けます。
画像合成についても、Nano Bananaのほうがリアルかつ自然な仕上がりであることは言うまでもないでしょう。
人物の一貫性と画像合成のリアリティの面で、Nano Bananaのほうがクオリティは高いといえます。
Nano Bananaでも多少の微調整が必要になることもありますが、ここまで人物の特徴を維持できれば、同じ人物を使ったさまざまな画像を生成できそうですね。
また、今回の検証では画像が完成するまでにかかった時間にも大きな差がありました。
Nano BananaとChatGPTの画像完成までの所要時間(平均)
Nano Bananaは、ChatGPTの約6倍のスピードで画像を生成できています。単純計算すれば、ChatGPTが1枚の画像を生成している間に、Nano Bananaは6枚の画像を作れることになります。
Nano Bananaを使うことで、ブログ画像の作成工数をかなり削減できそうですね!
Nano Bananaは、既存の画像を基に、簡単な指示を反映した様々なバリエーションを短時間で作成するのが得意だと感じました。
特に、人物の見た目の一貫性を保ったまま、表情や服装、背景などを柔軟に変更できるため、コンテンツ制作の効率化に繋がるのではないかと思います。
一方で、生成された画像の細部に不自然な部分もあり、用途によっては人の手による微調整が必要になるかもしれません。
指示を出してから10〜20秒ほどで画像を生成でき、作業をスピーディに進められるのが利点です。また、元の人物の外見的特徴を維持したまま、表情や服装、背景などを変更できます。
シリーズ物の記事など、一貫した世界観で複数の画像を用意したいコンテンツ制作者にとって有用でしょう。
指示した部分以外は大きく変化しないため、背景や表情など特定の要素のみを修正したい場合に便利です。全体の構図を崩さずに部分的な変更を加えられることから、既存の素材を活かしつつ効率的に表現の幅を広げたいクリエイターやマーケターに向いているのではないかと思います。
人物写真とロゴ素材など、複数の画像を自然に合成してくれるのも嬉しいポイントです。指示するだけで、まるでその場で撮ったようなリアルな画像を作ってくれます。
撮影の手間なくPR画像を用意できるので、コンテンツ制作がぐっと楽になるかもしれません。
人物の目線の位置など、細部の完璧な調整には限界があるようです。また、背景を変えた際に不自然な構図になっているケースもありました。
一度で理想通りの画像を生成するのは難しいこともあるため、複数回試してみたり、最終的な微調整を前提に使ってみたりするとよいかもしれません。特に精密な表現が求められる用途では、人の手による修正も視野に入れるとよいでしょう。
Nano Bananaの画像生成機能は、既存の画像を基に、人物の特徴を保ったまま様々なバリエーションの画像を短時間で作成できる点が大きな魅力です。
ブログのアイキャッチやSNS投稿画像などの制作プロセスを大幅に効率化できるので、スピーディに複数の画像パターンを作成したいマーケターやコンテンツ担当者はかなり重宝するでしょう。
細部の調整には工夫が必要な場面もありますが、その生成スピードと柔軟性はコンテンツ制作の強力なサポートとなります。ぜひ一度、試してみてはいかがでしょうか。
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