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「プロモーションメールやビジネスメールの執筆に時間がかかってしまう。」
「既存のAIツールで生成したメールは、どうも表現が不自然でそのまま送れない」
企業活動において、メールの品質は信頼関係を築く上で非常に重要ですが、執筆に時間を取られてしまっては生産性の低下を招きかねません。そのため、品質を維持しつつ、メール作成の効率化を図ることはビジネスを成功させていく上での課題となっています。
本記事では「Grok」と「ChatGPT」という主要な2つのチャットボットに焦点を当て、ビジネスメールの執筆性能を比較検証します。
ビジネスメールの作成においてどのAIが優れているのか、また、広告メール(販促メール)のような読者の行動を促すタスクにおいてどちらが適しているのかを、プロンプト事例と出力結果から検証していきます。
・ビジネスメールの執筆時間を効率化したい人
・GrokとChatGPTの執筆性能の差が知りたい人
・生成AIでのメール文面の執筆を試してみたい人
Grok(グロック)は、X(旧Twitter)上で利用できる生成AIチャットボットで、ユーザーとの対話を通じて多様なタスクをこなすことができるツールです。xAI社によって開発され、2023年に発表されました。現在では、Webサイトやモバイルアプリからも利用できるようになっています。
Grokは、テキスト入力を通じて、文章生成、質問応答、データ分析、さらには画像生成といったさまざまな機能を提供しています。本記事では、その中でも特に「文章作成」に焦点を当て、実際にメール本文の作成においてどのように企業で活用できるのかを検証していきます。
Grokのメール生成機能は、コミュニケーションのスピードと質を向上させる強力なツールです。ここでは、特に有用性の高い5つの活用シーンを紹介します。
単なる丁寧語だけでなく、クレーム対応では「迅速かつ共感的なトーン」を、セールスでは「積極的かつメリットを強調するトーン」など、文脈と目的に合わせた微妙な感情表現やトーンをAIが自動で使い分け、より実務に寄り添った文面を生成します。
FAQやマニュアルなどの社内文書を読み込ませることで、顧客や社内からの質問メールに対し、迅速かつ正確な情報に基づいた回答メールを生成します。複雑な質問に対しても、要点をまとめ分かりやすく構成された文案を提供します。
「会議日程調整メール」や「資料送付メール」など、テンプレート化された定型業務において、日時、担当者名、場所などの変動要素を指示するだけで、自然な文章で複数バリエーションのメールを一括で作成できます。
過去のやり取り(メールスレッド)を読み込ませることで、これまでの経緯を理解した上で、「次はこの提案資料を送るべき」「この項目について確認メールを送るべき」といった、次のステップにつながる具体的なメール文案とアクションを提案します。
ターゲット層やキャンペーンの目的を指示するだけで、件名から本文、CTA(行動喚起)までを一貫性を持って作成します。開封率やクリック率の向上に貢献する、魅力的なキャッチコピーや構成案を提案してくれます。
これらの活用シーンの中から、今回は特に実用性の高い『企業やユーザーから来た質問メールへの正確な回答』と『目を引く広告、プロモーションメールの作成』の2パターンをピックアップし、GrokとChatGPTで実際に比較検証します。この検証を通じて、それぞれのAIがどのようなビジネスシーンにおいて優れた生成能力を発揮するのかを明らかにしていきます。
【Grok】
検証には、X(Twitter)に搭載されている Grok を使用しました。モデルはGrok4.1 Thinkingを使用しています。
OpenAI公式ヘルプによれば、無料ユーザーは利用制限内において最新モデルを優先的に使用する仕様となっています。どちらも無課金で使用できるユーザーで検証を行っています。
なお、今回の検証で生成されたメールの文面は、そのまま貼り付けると記事が冗長になるため、回答結果は スクリーンショット(キャプチャ画像) を貼る形式でご紹介します。
プロンプト内で読ませているリンクはこちらです。
【Grokの回答】
【ChatGPTの回答】
次に広告やプロモーションメールの作成力を検証していきます。
プロンプト:
「こちら(https://lp.yoom.fun/)のサイトを参考に、つい開いてしまいたくなるようなユニークなメールタイトルと本文を作成してほしい」 そのままメール本文に貼り付けられる形式で出力すること」
【Grokの回答】
ChatGPTが3パターン出力してくれているため、Grokももう1パターン出力してみました。
【ChatGPTの回答】
一方で、ChatGPTは「その“毎日やってる作業”、10分で終わらせませんか?」のような疑問形や数値を使ったキャッチーな件名を提案し、「面倒な手作業、ぜんぶ自動化。」といった簡潔なメッセージでメリットに直結した訴求を行っています。情報の詳しさでは劣るものの、視認性が高く、開封率や行動喚起に焦点を当てた文面となっています。
したがって、広告メールの中にも機能の説明や具体的な数値を用いた信頼性が必要な場合はGrokが、親しみやすさとスピード感を重視するリード獲得にはChatGPTが適していそうです。
今回、実際にGrokでメール生成を行ってみて以下のようなメリット、デメリットが感じられました。
しかし、その高い網羅性と専門性を追求する特性の裏返しとして、文章が冗長になってしまったり、専門用語が増えることで可読性が弱まってしまうというデメリットも確認されました。
重要なのは、これらの課題はGrokの能力不足ではなく、プロンプトを意識的に調整することで十分に制御できる弱みであるということです。生成AIにすべての判断と執筆を丸投げするのではなく、Grokで「高品質で信頼性の高い下書き」を作り、人間が「簡潔さやトーンの微調整」を加えることが、AIを実務で活用する最適な形となっていきます。
ぜひ、本記事で解説したGrokの特性を理解し、その強力な執筆能力を、あなたのチームのメール作成効率化に役立ててみてはいかがでしょうか。
また、YoomではxAI(Grok)やChatGPT のAPIと連携するシステムを、ノーコードで作成することが可能です。
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