・
歌舞伎や日本舞踊の舞台で使用されるかつらの結い上げ、メンテナンス、公演期間中の保管管理など、伝統芸能の舞台裏を支える東京鴨治床山株式会社(https://kamoji.tokoyama.co.jp/)。
今回は、同社のバックオフィス業務を担う取締役の林様に、Yoomを活用した業務自動化の事例についてお話を伺いました。
現場とバックオフィスをつなぐ「裏方の裏方」
ーー 現在ご担当されている業務内容についてお聞かせください。
当社は歌舞伎や日本舞踊の舞台で使用するかつらの結い上げやメンテナンス、公演期間中の管理などを行っています。
私はその中で、バックオフィス全般を担当しており、経理や総務、労務管理など、現場の職人たちがスムーズに動けるようにサポートする、「裏方の裏方」といった立ち位置になります。私を含めて4名のチームで運営しています。
様々なツールをより横断的に活用するために
ーー Yoomを導入される前はどのように業務を行っていましたか?
もともとは給与計算や労務管理、請求書発行などをすべてMicrosoft Accessで管理していました。しかし、長年運用する中でプログラムが複雑化、さらに、ローカル環境での使用だったため、アップデートのたびにプログラムの書き換えが発生するなど、メンテナンスに課題がありました。
そこで、基幹データベースとして「kintone」、勤怠管理で「Touch On Time」、連絡手段に「LINE WORKS」、経費精算に「ジョブカン」といった各SaaS製品を導入し、メンテナンス性の高いクラウド管理に舵を切りました。
ーー 使い勝手の良いSaaS製品ですが、複数導入による課題はありましたか?
最初はそれぞれのアプリを単体で動かしていましたが、もっと横断的に連携して簡単に使えないかと考えるようになりました。
その中で、kintoneのJavaScriptカスタマイズやGoogle Apps Script(GAS)を使って連携も試みていましたが、より手軽に連携できるツールはないかと探していた時にYoomに出会いました。
ーー Yoomを導入された決め手を教えてください。
Yoomの操作性やUIが直感的で使いやすかった点や、当社ですでに導入していたkintoneやLINE WORKSがあらかじめ連携アプリとして用意されており、「これならすぐに使える」と感じた点が決め手でした。
【活用事例1】AIワーカーが実現した「複合検索」の自動化
ーー 今回、特に注目させていただきたいのが「AIワーカー」を活用したフローボットです。その中ではじめに、かつらの検索フローについて教えてください。
これは、現場のスタッフがLINE WORKSから探したい「かつら」の情報を問い合わせると、AIワーカーが社内データベースを検索し、該当する画像や情報を返してくれる仕組みです。
この構想は、Microsoft Accessを使用していたときからあったのですが、歌舞伎の演目や役名はさまざまな呼び方(別名)が存在し、従来のキーワード検索では表記ゆれによって正しくヒットさせることができず、挫折しかけていました。
ーー Yoomの「AIワーカー」を組み込んだことで、構想の実現に近づきましたか?
はい。AIワーカーを使うことで、かつらデータが登録されているkintoneで柔軟なデータ検索ができるようになり、表記ゆれで対応が難しかった部分を解消できました。
驚いたのは、AIワーカーが単なる検索以上に「文脈」を理解してくれたことです。例えば「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)の又平」と検索すると、AIが自らWeb上の情報を参照し、通称である「吃又(どもまた)」でも検索をかけつつ、さらに、役名が同じでも演目が異なる無関係なレコードを自ら判断し除外するといったベクトル検索のような動きも同時に実行してくれました。
これまで実現が難しく、挫折しかけていたこともあり、このような検索の動きをワンアクションで行ってくれた時は、ちょっとした感動を覚えました。現在は、この柔軟な検索からBoxのファイル取得、LINE WORKSへの通知までをシームレスに自動化できるよう設定を進めています。
ーー この自動化によってどのような変化が期待できますか?
これまでは現場のスタッフが、事務所のパソコンの前まで来て、かつら検索を手動で行う必要がありましたが、このフローボットが稼働すれば、現場からスマホ一つで検索が可能になります。
スタッフの移動や検索の手間が大幅に削減されるだけでなく、私たちが個別に対応して画像を探す工数もなくなります。
実運用はこれからになりますが、以前のやり方に比べれば格段に利便性が向上すると期待しています。
【活用事例2】社内問い合わせ対応の自動化と心理的ハードルの低減
ーー 次に、社内規定に関する問い合わせ対応のフローボットについて教えてください。
従業員からLINE WORKSで「この手続きはどうすればいい?」といった相談が来た際に、AIが社内規定(Pinecone等のベクトルデータベース)を参照して自動回答する仕組みです。
これまでは電話で問い合わせを受け、内容を聞き取り、総務や役員で確認してから折り返すといった対応をしており、回答までに数日かかることもありました。
ーー AIによる自動化で、どのような効果を期待されていますか?
簡単な手続きや規則に関する質問であれば、人の手を介さずに即座に解決できるようになります。
総務側の工数削減はもちろんですが、相談する側にとってもメリットが大きいと考えており、「忙しそうだから電話しづらいな」という心理的なハードルを下げ、「LINE WORKSで気軽に聞けばすぐに答えが返ってくる」という環境を作ることで、社内のコミュニケーション活性化につなげたいと思っています。
また、現在はGeminiと連携した運用とAIワーカーを活用した運用それぞれを検証しており、より効率的・効果的に自動化できる方法で実運用まで進めていく予定です。
【運用のコツ】複雑なフローボット構築とAIワーカー活用のポイント
ーー 林様が作成されたフローボットは非常に高度な処理をされていますが、構築の際に意識されているポイントはありますか?
長いフローボットを作る際は、どこにどんな設定をしたかがすぐわかるように、オペレーション毎に「タイトル」をしっかり付けることが重要だと考えています。
また、Yoomはできることも多いので様々な操作を試して、トライアンドエラーの中で正解を導き出すといった点も意識しています。
ーー AIワーカーをこれから活用される方に向けてアドバイスはありますか?
AIワーカーでは様々な処理が行える分、関連しそうなアプリやアクションをすべて登録してしまうと不要な処理や長いループ処理が行われ、タスクを大量に消費することがあります。そのため、まずは一つずつ必要なアクションを厳選していき、AIワーカーにどこまで実行を任せるかを判断することがコツだと思います。
また、プロンプト(指示文)を作成する際に、別のAI(GeminiやChatGPTなど)に「この指示で意図が伝わるか?」とレビューし、プロンプトの最適化を図るといった工夫もしています。
次世代へ引き継げるシステムを目指して
ーー 最後に、今後のYoom活用の構想についてお聞かせください。
今後は、複雑な分岐が発生している給与計算などのフローもAIワーカーを活用してシンプルにしていきたいと考えています。従来の設定では条件分岐が増えるたびにフロー修正が必要でしたが、AIワーカーであればマニュアル(指示書)を更新するだけで対応できるので、メンテナンス性が格段に上がると期待しています。
Yoomの良さは、フローが可視化されており「何をしているか」が一目で分かる点です。
そのため、次の世代の担当者がフローを見て理解し、その時代に合わせてカスタムしていける。そんな「引き継ぎやすいシステム」として、長く活用していければと考えています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
毎日のルーティン業務やデスクワークをYoomで自動化・効率化しませんか?
フリープランもございますのでお気軽にお試しください。こちらからYoomのアカウント発行が可能です。
サービス説明やデモ等をご希望の方はこちらよりご予約をお願い致します。