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Anthropic社のClaudeには高性能モデルのOpusをはじめ、速度とコストのバランスに優れたSonnet、そして超高速なHaikuといった複数のモデルが存在します。
「結局、自分の仕事にはどれが一番合っているの?」と、選択肢の多さに戸惑っている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、実際の利用シーンを想定して、各モデルを比較検証します。
それぞれの得意・不得意を明らかにし、あなたの業務に最適なモデル選びをサポートします。
この記事を読み終える頃には、各モデルの特性を深く理解でき、タスクごとに適切なモデルの使い分けができると思うので、参考にしてみてください。
まずは、今回比較するClaudeの主要モデルたちが、それぞれどんなキャラクターなのか見ていきましょう。
Sonnetの旧モデル4と同等のコード処理力がありながら、2倍以上の速度でタスクを完了させます。
スピードが求められるタスクやAIを壁打ちにしてブレストするときなどにおすすめです。
各モデルの違いを直感的に理解できるよう、主要なスペックを表にまとめました。
実際のビジネスシーンを想定して、Claudeの各モデルを比較検証してみます。
条件と検証内容などは、以下になります。
Claudeの料金プラン:Pro
モデル:Haiku 4.5・Sonnet 4.5・Opus 4.5
検証内容1:Claudeの最新料金プランと最新モデルを調査
利用機能:ウェブ検索
検証ポイント:
検証内容2:30分のウェブ会議の文字起こしデータを要約
利用機能:じっくり考える
検証ポイント:
検証内容3:国内SaaS市場の2026年度の予測レポート作成
利用機能:じっくり考える・リサーチ・ウェブ検索
検証ポイント:
1.アカウントにログイン
入力欄右下のプルダウンからモデルを選択します。
「ツール」マークをクリックし、利用する機能を選択します。
コネクタ機能を使うと、Google Driveなどと連携することもできます。
「+」マークをクリックし、「ファイルをアップロード」からファイルを添付します。
※文字の総数は11,981文字です。
5.プロンプトを入力して送信
検証するためのプロンプトを入力して送信します。
【検証1のプロンプト】
Claudeの最新の料金プランについて教えてください。以下の情報を含めて比較してください:
※調査結果は、見やすい表にまとめてください。
【検証2のプロンプト】
添付した会議の文字起こしデータを要約してください。
要約後の文字数は「1,000文字」に収めてください。
作成条件
【検証3のプロンプト】
あなたは経済アナリスト/市場調査アナリストです。
以下の条件で、日本国内の SaaS(Software as a Service)市場に関する「2026年度予測レポート」を作成してください。
<レポート条件>
<レポートに含む内容(セクション)>
<出力要件>
各モデルでClaudeの料金プランと最新モデルを調査した結果が以下になります。
※出力が長いため一部を掲載します。
【Haiku 4.5】
【Sonnet 4.5】
【Opus 4.5】
出力結果をまとめると以下のようになります。
調査時間が最も早いのはSonnet 4.5でした。
意外だったのが、Haiku 4.5が1番時間がかかっていることです。
Haiku 4.5は処理速度が速いですが、今回のようにウェブ検索機能を使う場合、むしろ処理に時間がかかってしまうのかもしれません。
こうした点から、Haiku 4.5はあくまでも自身に与えられた情報から返答するシーンで真価を発揮しそうです。
ウェブ調査機能を使ったリサーチを素早く行いたいときはSonnet 4.5が最適です。
Haiku 4.5はすべてのプランを記載していましたが、Enterpriseの料金だけは公式と異なる内容でした。
Sonnet 4.5とOpus 4.5は、Educationプランの記載が抜けていましたが、記載している金額はすべて正確でした。
モデル名や料金といったウェブ上に正解がある調査では、モデルごとに生じるハルシネーションの程度差は小さいように感じます。
むしろ最高峰モデルのOpus 4.5でも情報の抜け漏れがあるため、ファクトチェックの重要性を再確認する検証になりました。
もし、正確性を少しでも重視するなら、唯一すべてのプランを出力できているHaiku 4.5がおすすめです。
プロンプトで指示した総数は8つ(7つの調査項目と表にまとめる指示)ですが、すべてのモデルで再現できていたのは7つです。
いずれのモデルも「API呼び出し回数の制限」が出力できていませんでした。
調査した限りだと、ClaudeのAPI呼び出し回数の制限は利用者によって異なるため、正確な数値は公式サイトに記載されていません。
正解がない情報の調査は、最高峰モデルのOpus 4.5であっても難しいことがわかりました。
また、今回のような調査では、指示の忠実度に差はなく、Sonnet 4.5やHaiku 4.5でも十分に使えることがわかります。
各モデルでウェブ会議の文字起こしデータを要約した結果が以下になります。
【Haiku 4.5】
【Sonnet 4.5】
【Opus 4.5】
出力結果をまとめると以下のようになります。
議事録の作成で最も時間がかかったのが処理速度が速いとされるHaiku 4.5でした。
最も処理速度が速いとされるため、意外な結果になりました。
もしかしたら処理する文字数が1万文字を超える多さだったことや、「じっくり考える」機能を使ったことがHaiku 4.5の処理速度を下げてしまったのかもしれません。
一方のSonnet 4.5とOpus 4.5は、Haiku 4.5の半分以下の時間で完了しており、処理スピードに大きな差はありませんでした。
モデルの性能が上がるほど、ハルシネーションが減少する傾向がわかります。
これは想定できる結果と言えるのではないでしょうか。
特にOpus 4.5は最高峰モデルに位置づけされているため、ミスが1件のみでした。
今回のように12,000文字近くの文章を1,000文字以内に要約する場合は、Opus 4.5を利用することでハルシネーションのリスクを削減できるので、ファクトチェック時の修正も減らせるはずです。
文字数の指示は、AIが無視しやすかったり、難しかったりするため評価基準に採用しました。
結果的には、12,000文字の文章を1,000文字に要約するのは、Claudeにとって簡単だったようで、いずれのモデルでも指示通りになりました。
プロンプトや要約する文章の内容にもよりますが、12,000文字を1,000文字以内にまとめるタスクであれば、Haiku 4.5でも十分に対応できることがわかります。
ただし、Haiku 4.5ではハルシネーションのリスクが高まる傾向があります。
すべての検証ポイントを考慮すると、最速でミスが少ないOpus 4.5がおすすめです。
各モデルで予測レポートを作成した結果が以下になります。
【Haiku 4.5】
【Sonnet 4.5】
【Opus 4.5】
出力結果をまとめると以下のようになります。
リサーチ機能を使った調査では、モデルごとに大きな時間差はありませんでした。
リサーチ機能は、通常バックグラウンドで行うため、数10秒の差であれば業務への影響は小さいと思います。
そのため、以下の2つの要素でモデルを決めることをおすすめします。
調査や引用する情報数は、モデルの性能に比例するわけではないことがわかりました。
それでも、調査と引用数が最も多いOpus 4.5は、本格的なレポート作成に向いていると言えます。
Haiku 4.5は、Sonnet 4.5よりも安くて多くの情報を調査できているため、コストパフォーマンスが高いと言えます。
調査の質かコストのどちらを優先するかで、モデルを使い分けることがおすすめです。
分析力は、基本的にモデル性能に比例する結果になりました。
ただし、大きな差はありません。
Geminiの採点でSonnet 4.5の点数が他より低いのは、予測値の端数を切り捨てて整合性がとれなかったためです。
分析力自体の評価とは異なる箇所で減点されています。
こうした結果から、Opus 4.5は最高峰モデルのため性能は1番高いですが、Sonnet 4.5やHaiku 4.5の性能もそれに匹敵する性能があります。
特に、AIに何かを分析させるタスクでは、モデルごとの差は出にくいため、Haiku 4.5でも十分と言えそうです。
Claudeの各モデルを実際の業務を想定して比較検証しました。
検証結果から、それぞれのモデルがどんな状況に適しているかをまとめると上記のようになります。
Haiku 4.5は、高速なパフォーマンスが特徴とされるモデルですが、その性能は最高峰モデルのOpus 4.5に迫るほどです。
それにも関わらず、API利用料は入力と出力ともに5分の1なので、コストパフォーマンスを重視するタスクにおすすめです。
Sonnet 4.5の作業時間は、検証2ではOpus 4.5にわずかの差で2位でしたが、検証1と3では最速でした。
チャットを壁打ちとして使う場合はHaiku 4.5の方が速いかもしれませんが、日常の業務を処理するタスクではSonnet 4.5の方が速いです。
タスク処理の効率化を図りたいときはSonnet 4.5が最適です。
Opus 4.5は、最高峰モデルとされるだけあり、ハルシネーションのリスクが最も低く、分析力は最も高いことがわかりました。
AIの性能を最大限に活用したいタスクではOpus 4.5をおすすめします。
これらの特徴を参考に、Claudeのモデルを使い分けてみてください。
複数ツールと連携できるYoomを使うことで、ClaudeなどのAIツールともシームレスに連携できます。たとえば「Salesforceでリードオブジェクトに新規レコードが登録されたら、Anthropic(Claude)で分析する」などCRMツールとClaudeを直接連携し、業務を効率化することも可能です。
下記のテンプレートをコピーすることで、簡単に業務を自動化。気になる方はぜひチェックしてみてくださいね!
[Yoomとは]