議事録作成は、多くのビジネスパーソンにとって避けては通れない、しかし非常に手のかかる業務です。特に、5名から20名規模のチームを抱えるセールス担当者やプロジェクトマネージャーにとって、連日の会議後に待っている議事録作成の山は、本来注力すべきコア業務の時間を奪う要因となっています。
そこで本記事では、ChatGPTを活用して議事録作成を効率化する方法を解説します。単なるツールの紹介にとどまらず、実際に業務フローに組み込んだ場合の手順やメリット・デメリットを徹底的に検証します。ゴールは、あなたの議事録作成工数を「45分から5分」に短縮し、チーム全体の生産性を底上げすることです。
✍️前提情報ChatGPTについて
本記事の想定読者
- 定例会議が多く、議事録作成の負担により本来の業務時間が圧迫されているセールスやPMの方
- 議事録の品質が担当者によってバラつき、タスクの抜け漏れが発生して困っているチームリーダーの方
ChatGPTとは
ChatGPTは、米国OpenAI社が開発した高度な自然言語処理モデルを用いたAIチャットサービスです。インターネット上の膨大なテキストデータを学習しており、人間と会話しているかのような自然な対話が可能です。
主な特徴
- テキスト処理能力:文章の要約、翻訳、校正、コード生成など、テキストベースの作業において圧倒的なパフォーマンスを発揮します。
- マルチモーダル:最新モデルではテキストだけでなく、画像や音声、ビデオ情報の処理も強化されています(ただし、議事録作成における音声の直接アップロードには制限があるため、通常はテキストデータを介します)。
- 多様なプラン:無料版から、より高速で高機能なPlus、チーム管理が可能なTeam、最高レベルのセキュリティを備えたEnterpriseなど、用途に合わせたプランが用意されています。
議事録作成における強みと弱み
- 強み:テキストデータさえあれば、要約、要点抽出、フォーマット整形を一瞬で行います。口語体を文語体に直す作業も得意とし、属人化しやすい議事録の品質を一定に保つことができます。
- 弱み:ChatGPT自体には録音機能や、音声ファイルを直接アップロードして文字起こしをする機能(標準チャットUI上)は限定的です。そのため、別途文字起こしツールでテキスト化するか、APIを活用する必要があります。
また、ハルシネーション(事実と異なる情報の生成)のリスクがあるため、最終的な人の目によるチェックは必須です。
🤔ChatGPTを実際に使ってみた!
今回は、約7,000字の文字起こしテキスト(PDF)を読み込ませ、要約とタスク抽出の精度をテストします。
検証条件
今回の検証では、以下2つのモデルを使用して比較を行いました。
- 検証①:無料版
- 検証②:ChatGPT 5.1 Thinking(有料版)
検証内容とポイント一覧
- 長文処理の安定性(途中で処理が止まる、要約が破綻するなど)
- 会議の本筋とは関係のない「えーと」「あの」といったフィラーや、雑談を排除できるか
- タスク抽出の漏れの有無、ハルシネーションの有無
検証方法
それぞれのモデルに対し、全く同じ手順とプロンプトで指示を出しました。
検証①無料版
アカウントにログインし、モデルを「ChatGPT(日常の作業に快適)」に設定します。
以下のプロンプトを入力しました。
検証②ChatGPT 5.1 Thinking
アカウントにログインし、モデルを「5.1 Thinking」に設定します。
検証①と同様、以下のプロンプトを入力しました。
✅検証結果
検証①無料版の検証結果
無料版では有料版と比べてタスク抽出の精度が高い結果となりました。
「佐藤:木曜まで:検索候補の微調整」や「鈴木:LPに『競合にはない検索ログ可視化』を追記」など、誰が何をすべきかが明確です。ノイズや雑談も排除されており、議論の結論をしっかりと捉えている点も評価できます。
しかし、今回の無料版における高精度なタスク抽出は、常に再現できる保証があるわけではありません。無料版はモデルが固定されておらず、GPT-4o相当の高性能モデルが一時的に適用されるケースがある一方、別のタイミングでは軽量モデルに切り替わる可能性もあります。
そのため、無料版で詳細なタスクが抽出できたのは、モデル割り当てやサーバー状況がたまたま好条件だった可能性が高いと考えられます。
つまり、無料版の精度が毎回同じ水準で発揮されるとは限らず、タスク抽出の正確性を安定的に求める場合には再現性に課題が残る点は理解しておく必要があります。
一方で、以下の課題が見られました。
- 検証①と同様、期限が「木曜まで」「明日」といった相対表現のままであり、後から見返した際にいつを指すのか不明確になります。
- 「β成功基準を設定」とありましたが、「継続率70%以上、週3回以上の検索、問い合わせ数1日5件以内」という具体的な数値目標が抜け落ちています。
- 「FindFlowはデータ分析ツールではない」というLP上のリスク回避に関する文脈が言及されていませんでした。
検証②ChatGPT 5.1 Thinking の検証結果
有料版も無料版と同様、「えーと」「あの」といったフィラーや、会議中に挟まれた雑談がきれいに削除されており、指定したフォーマット通りに「要点」「要約」「タスクリスト」に整形された点が評価できます。
しかし、肝心の内容に関しては、以下の課題が残りました
- ロードマップの優先順位決定(検索エンジン学習データ拡張が最優先であること)や、検索バーのplaceholderの最終表現が「情報を検索(キーワードを入力)」に決まったことなど、具体的な結論が抜け落ちている。
- タスクリストには、無料版で抽出された「LPに競合との差別化ポイントを追記」といった詳細なアクションが含まれていませんでした。
🖊️検証結果まとめ
一連の検証から、ChatGPTを用いることでフィラーや雑談を排除し、論点を構造化する基本性能は達成できることがわかりました。
しかし、業務利用において最も重要なのは「いつ、誰が使っても同じ品質の議事録が出力されるか」という再現性と安定性です。
今回の検証では、無料版で緻密なタスク抽出が行われましたが、これはモデル割り当ての状況がたまたま好条件であった可能性があり、同じ精度が常に期待できるわけではありません。
無料版は、混雑時や処理負荷に応じてモデルが変動するため、長文処理やタスク抽出の品質が安定しない点が最大のリスクです。
一方、有料版では処理が止まることなく、長文でも安定して指定フォーマットを出力できます。ただし、抽出された情報に細かな抜け漏れが生じる場合があるため、プロンプトの最適化と人による最終チェックは欠かせません。
結論として、議事録作成の工数を安定的に削減したいPM・セールス・チームリーダーにとっては、モデルが固定され、処理が安定する有料プランの利用が「ビジネス上の保険」として最も合理的といえます。
出典:https://help.openai.com/en/articles/7864572-what-is-the-chatgpt-model-selector?utm_source=chatgpt.com
💡Yoomでできること
複数のツールを組み合わせて業務を自動化できるYoom。YoomとChatGPTを組み合わせることで、様々な業務を自動化できます!業務自動化テンプレートから簡単に業務を自動化。ぜひチェックしてみてくださいね!
Notionで作成した議事録をChatGPTで整理・要約して更新する
試してみる
■概要
「Notionで作成した議事録をChatGPTで整理・要約して更新する」フローは、会議の議事録作成と管理をスムーズにする業務ワークフローです。
議事録作成の負担を軽減し、効率的な情報共有が実現できます。
■このテンプレートをおすすめする方
・Notionで議事録を管理しているが、整理や要約に時間がかかってしまう方
・詳細な議事録を毎回手作業で整理するのが大変だと感じている方
・会議内容をわかりやすく共有したいチームリーダーやプロジェクトマネージャーの方
・議事録の共有や意思決定がスムーズ行いたい方
・議事録の内容を効率的に管理・更新したい経営者や管理職の方
・定期的な議事録の作成作業を効率化したい方
・AIを活用して業務を自動化し、他の重要な業務に時間を割きたい方
・クリエイティブな業務に注力したい方
■注意事項
・Notion、ChatGPTのそれぞれとYoomを連携してください。
・Chrome拡張機能を使用したトリガーを使用することで、Notion上から直接トリガーを起動させることができます。
・Chrome拡張機能を使ったトリガーの設定方法は下記をご参照ください。
https://intercom.help/yoom/ja/articles/8831921
Google スプレッドシートで作成した議事録をChatGPTで整理・要約して更新する
試してみる
■概要
このワークフローでは、会議後にGoogle スプレッドシートに入力された議事録を、ChatGPTが自動的に整理・要約して更新します。この自動化により、手間を減らし、質の高い議事録管理を実現します。
Yoomを利用すると、プログラミング不要で簡単にアプリ同士を連携することができます。
■このテンプレートをおすすめする方
・Google スプレッドシートで議事録を管理しているビジネスパーソン
・会議後の議事録整理に時間を取られているチームメンバー
・ChatGPTを活用して業務の効率化を図りたい管理者
・議事録の一貫性と精度を高めたい企業の担当者
■注意事項
・Google スプレッドシートとChatGPTをYoomと連携させる必要があります。
・ChatGPT(OpenAI)のアクションを実行するには、OpenAIのAPI有料プランの契約が必要です。(APIが使用されたときに支払いができる状態)
https://openai.com/ja-JP/api/pricing/
・ChatGPTのAPI利用はOpenAI社が有料で提供しており、API疎通時のトークンにより従量課金される仕組みとなっています。そのため、API使用時にお支払いが行える状況でない場合エラーが発生しますのでご注意ください。
データベースに追加した議事録をChatGPTで要約してSlackに通知
試してみる
データベースに追加した議事録の内容をChatGPTで要約してSlackに通知します