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請求書の登録番号を適格請求書発行事業者公表システムで毎回確認する作業を、手間に感じる方も多いのではないでしょうか。
手動での作業だと、時間がかかるうえ、確認漏れが生じるリスクもあります。
さらに、請求書業務が特定の担当者に依存しやすくなります。
これらの課題は、Outlook、適格請求書発行事業者公表システム、Google Chatを連携し、登録番号の確認作業を自動化することで解決できるでしょう。
これにより、業務の効率化や税務リスクの回避、属人化の回避が期待できます。
本記事では、Outlook、適格請求書発行事業者公表システム、Google Chatをノーコードで連携する方法を紹介するので、参考にしてみてください。
それではここから、ノーコードツールYoomを使って、「Outlookで受信した請求書の適格請求書発行事業者の登録有無を適格請求書発行事業者公表システムで確認しGoogle Chatに通知する」方法を紹介します。
[Yoomとは]
この方法は、Outlookで請求書を受信したことをOutlookのAPIを利用して受け取り、適格請求書発行事業者公表システムが提供するAPIを利用して登録番号を確認することで実現可能です。
さらに、Google Chatが提供するAPIを利用することで、Outlookや適格請求書発行事業者公表システムから取得した情報を指定のスペースに通知できます。
一般的に実現にはプログラミングの知識が必要ですが、ノーコードツールのYoomを用いることでプログラミング知識がなくても簡単に実現できます。
今回は大きく分けて以下のプロセスで作成していきます。
Yoomを利用していない方は、こちらから無料登録をしてください。
すでにYoomを利用している方は、ログインしてください。
まずOutlook、適格請求書発行事業者公表システム、Google ChatをYoomに連携するため、マイアプリに登録します。
1.Yoom管理画面の左側で「マイアプリ」を選択し、「+新規接続」をクリックします。

2.続く画面で、Outlook、適格請求書発行事業者公表システム、Google Chat(OAuth)を検索して選択し、次の画面に進みます。
<Outlookの場合>

・アカウントにサインインすると、マイアプリに登録が完了します。
※Microsoft365(旧Office365)には、家庭向けプランと一般法人向けプラン(Microsoft365 Business)があり、一般法人向けプランに加入していない場合には認証に失敗する可能性があります。
<適格請求書発行事業者公表システムの場合>

・アカウント名とアクセストークンを入力し、「追加」をクリックすると、マイアプリに登録が完了します。
<Google Chat(OAuth)の場合>

・「Sign in with Google」をクリックします。続く画面でClient IDとClient Secretを入力して「登録する」をクリックすると、マイアプリに登録が完了します。
※Client IDとClient Secretの取得方法は、こちらのヘルプページを確認してください。
※Google Chatとの連携はGoogle Workspaceの場合のみ可能です。詳細はこちらを参照ください。

3.Outlook、適格請求書発行事業者公表システム、Google Chatを連携するためのテンプレートをコピーします。
・下記のリンクを開きます。
・「このテンプレートを試す」をクリックすると、コピーが完了します。

フローの起点となるトリガーアクションを設定します。
このフローではOutlookでメールを受信するとトリガーが起動します。
1.Yoom管理画面の「マイプロジェクト」を選択し、「【コピー】Outlookで受信した請求書の適格請求書発行事業者の登録有無を適格請求書発行事業者公表システムで確認しGoogle Chatに通知する」をクリックします。
※テンプレートのタイトルは次の画面で任意に変更できます。

2.「アプリトリガー 特定の件名のメールを受信したら」をクリックします。

3.Outlookと連携するアカウントを確認し、「次へ」をクリックします。
※その他の項目はデフォルトで設定されています。

4.トリガーの起動間隔、メールフォルダID、キーワードを設定してテストを行います。
※トリガーの起動間隔は5分、10分、15分、30分、60分が用意されており、プランによって選択できる時間が変わります。選択した間隔ごとに一度、アプリ上でトリガーとなるアクションを確認し、アクションが実行されるとフローボットが起動します。登録番号の確認をすぐ行いたいときは、短い間隔の設定がおすすめです。
※メールフォルダIDは、枠をクリックして表示される「候補」から設定できます。

5.テストが成功したら保存します。

6.「アプリと連携する メールの添付ファイルの情報を取得する」をクリックします。

7.Outlookと連携するアカウントを確認し、「次へ」をクリックします。
※その他の項目はデフォルトで設定されています。

8.メールIDを設定し、テストを行います。
※メールIDは、枠をクリックして表示されるアウトプットの「メールを受信したら」から設定します。(値は二重括弧で表示されます)

9.テストが成功したら保存します。

10.「アプリと連携する メールの添付ファイルをダウンロード」をクリックします。

11.Outlookと連携するアカウントを確認し、「次へ」をクリックします。
※その他の項目はデフォルトで設定されています。

12.メールIDとファイルIDを設定してテストを行います。
※メールIDは、枠をクリックして表示されるアウトプットの「特定の件名のメールを受信したら」から設定します。(値は二重括弧で表示されます)
※ファイルIDは、枠をクリックして表示されるアウトプットの「メールの添付ファイルの情報を取得する」から設定します。(値は二重括弧で表示されます)

13.テストが成功したら保存します。

次に、請求書の登録番号を取得し、適格請求書発行事業者公表システムで確認する設定を行います。
1.「画像・PDFから文字を読み取る 画像・PDFから文字を読み取る」をクリックします。
※OCRまたは音声を文字起こしするAIオペレーションはチームプラン・サクセスプランでのみご利用いただける機能となっております。フリープラン・ミニプランの場合は設定しているフローボットのオペレーションはエラーとなりますので、ご注意ください。チームプラン・サクセスプランなどの有料プランは、2週間の無料トライアルを行うことが可能です。無料トライアル中には制限対象のアプリや機能(オペレーション)を使用することができます。
※OCRデータは6,500文字以上のデータや文字が小さい場合などは読み取れない場合があるので、ご注意ください。

2.タイトルとアクションが下記のようになっていることを確認し、「次へ」をクリックします。
※請求書の文字数が4,000文字を超えることがある場合は、アクションを変更してください。

3.ファイルの添付方法、抽出したい項目を設定してテストを行います。
※ファイルの添付方法の右枠には、Outlookから取得した請求書を設定します。
※抽出したい項目には、登録番号が記載された項目を入力します。

4.テストが成功すると、アウトプットに請求書から取得した登録番号が表示されます。
問題がなければ保存します。

5.「アプリと連携する 登録番号から公表情報を取得」をクリックします。

6.適格請求書発行事業者公表システムと連携するアカウントを確認し、「次へ」をクリックします。
※その他の項目はデフォルトで設定されています。

7.登録番号を設定してテストを行います。
※登録番号は、枠をクリックして表示されるアウトプットの「画像・PDFから文字を読み取る」から設定します。(値は二重括弧で表示されます)

8.テストが成功すると、登録番号に紐づけられた情報がアウトプットに表示されます。
問題がなければ保存します。

9.「分岐 コマンドオペレーション」をクリックします。
※分岐はミニプラン以上のプランでご利用いただける機能(オペレーション)となっております。フリープランの場合は設定しているフローボットのオペレーションはエラーとなりますので、ご注意ください。ミニプランも有料ですが、2週間の無料トライアルを行うことが可能です。無料トライアル中には制限対象のアプリや機能(オペレーション)を使用することができます。

10.分岐対象のアウトプットと分岐条件を下記のように設定して保存します。
この設定により、登録番号が実在するかを判別します。
※分岐条件の右枠の登録番号は、枠をクリックして表示されるアウトプットの「登録番号から公表情報を取得」から設定できます。

最後に、Google Chatに通知する設定を行います。
1.右側の「アプリと連携する メッセージを送信」をクリックします。
※ここでは、登録番号が存在した場合に送信するメッセージを設定します。

2.Google Chatと連携するアカウントを確認し、「次へ」をクリックします。
※その他の項目はデフォルトで設定されています。

3.スペースのリソース名とメッセージ内容を設定してテストを行います。
※スペースのリソース名は、枠をクリックして表示される「候補」から設定できます。
※メッセージ内容には、定型文を直接入力できます。また、請求書の登録番号やOutlook、適格請求書発行事業者公表システムの情報を反映させる場合は、アウトプットの「画像・PDFから文字を読み取る」や「特定の件名のメールを受信したら」や「登録番号から公表情報を取得」から設定します。(値は二重括弧で表示されます)

4.テストが成功すると、Google Chatにメッセージが通知されます。
問題がなければ保存します。

5.左側の「アプリと連携する メッセージを送信」をクリックします。
※ここでは、登録番号が存在しない場合に送信するメッセージを設定します。

6.Google Chatと連携するアカウントを確認し、「次へ」をクリックします。
※その他の項目はデフォルトで設定されています。

7.スペースのリソース名とメッセージ内容を設定し、テストを行います。
※スペースのリソース名は、枠をクリックして表示される「候補」から設定できます。
※メッセージ内容には、定型文を直接入力できます。また、Outlookの情報や請求書の登録番号を反映させる場合は、アウトプットの「特定の件名のメールを受信したら」や「画像・PDFから文字を読み取る」から設定します。(値は二重括弧で表示されます)

8.テストが成功すると、Google Chatにメッセージが通知されます。
問題がなければ保存します。

9.トリガーをONにすると、Outlookで請求書を受信するたび、適格請求書発行事業者公表システムで事業者の登録有無を自動で確認し、Google Chatに通知されます。

紹介したフローに不明点があれば、こちらのヘルプページを確認してください。
他にも適格請求書発行事業者公表システムを使った自動化の例がYoomにはたくさんあるので、いくつか紹介します。
1.Notionで取引先が登録されたら適格請求書発行事業者公表システムで登録有無を確認する
Notionで取引先が登録されると、適格請求書発行事業者公表システムで登録の有無を自動で確認するテンプレートです。
この連携により、取引先の登録番号を手動で確認する手間が削減され、業務効率の向上が期待できます。
2.Airtableで取引先が登録されたら適格請求書発行事業者公表システムで登録有無を確認する
Airtableで取引先が登録されたら適格請求書発行事業者公表システムで登録有無を自動で確認するテンプレートです。
この連携により、取引先の登録番号の確認漏れを防ぎ、正確な取引先データの管理が可能になるでしょう。
3.kintoneでステータスが更新されたら適格請求書発行事業者公表システムで登録有無を確認する
kintoneでステータスが更新されたら適格請求書発行事業者公表システムで登録有無を自動で確認するテンプレートです。
この連携により、ステータス更新時に手動の確認作業を削減し、業務を効率化できるでしょう。
請求書の処理はミスが許されないからこそ、確認作業が重要です。
しかし、確認作業を慎重に行うと時間がかかり、手動作業では効率化が難しくなります。
Outlook、適格請求書発行事業者公表システム、Google Chatを連携すれば、登録番号の確認作業が自動化され、業務が効率化するでしょう。
例えば、毎月数百件の請求書を確認する場合、登録番号の確認に多くの時間がかかります。
この連携を利用すれば、同じ時間でより多くの請求書を確認できるでしょう。
登録番号の確認が漏れてしまうと、会計処理を間違えてしまうことがあります。
会計処理のミスに気づかなければ、税務調査で問題になってしまいます。
Outlook、適格請求書発行事業者公表システム、Google Chatを連携し、登録番号の有無を自動通知すれば、確認漏れ防止につながり、会計処理の正確性が向上するでしょう。
例えば、複数のメンバーで請求書対応を行う場合、コミュニケーション不足で登録番号の確認が漏れてしまうことがあります。
この連携を利用すれば、確実に登録番号を確認して請求書を処理できるため、税務監査をスムーズに進められるでしょう。
請求書関連の業務に特定の担当者を割り振ると、業務が属人化してしまうことがあります。
一部のメンバーしか業務に対応できない状況になると、担当者が休んだり、退職したりするときに業務を進められなくなってしまいます。
Outlook、適格請求書発行事業者公表システム、Google Chatを連携すれば、登録番号の確認が自動化することで属人化の抑制につながるでしょう。
例えば、中小企業では、請求書の処理に多くの人員を割けず、一人の担当者に任せがちです。
この連携を利用すれば、請求業務の一部を自動化することで、属人化を最小限に抑えられるでしょう。
Outlookで受信した請求書の登録番号を、適格請求書発行事業者公表システムで確認する作業は大変です。
手動では時間がかかるうえ、確認漏れが生じるリスクがあります。
さらに、請求書関連の業務が属人化しやすくなります。
これらの課題は、Outlookと適格請求書発行事業者公表システム、Google Chatを連携することで解決が期待できます。
その結果、業務の効率化や税務リスクの回避、属人化の抑制につながるでしょう。
Outlook、適格請求書発行事業者公表システム、Google Chatの連携は、Yoomを使うことでノーコードで簡単に実現できます。
この機会に、ぜひ自動化を試してみてください。