【B2Bマーケ担当が検証】NotebookLMのフラッシュカード機能とは? 本当にビジネスや勉強に使える?

【英語学習の革命】NotebookLM新機能「フラッシュカード」で、英字ニュースが“自分だけの単語帳”に変わるか試してみた

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【B2Bマーケ担当が検証】NotebookLMのフラッシュカード機能とは? 本当にビジネスや勉強に使える?
自動化のアイデア

2025-10-08

【英語学習の革命】NotebookLM新機能「フラッシュカード」で、英字ニュースが“自分だけの単語帳”に変わるか試してみた

渡辺 優子

「今年こそ英語を頑張るぞ!」と意気込んで読み始めた英字ニュースや海外のブログ。気づけばブラウザのタブは開きっぱなし、内容を理解するだけで精一杯で、新しい単語や表現は覚えられないまま…。そんな「積読」ならぬ「積み記事」に、心当たりはありませんか?

リーディングは英語学習の要ですが、読んだ内容を知識として定着させる「インプット後の作業」こそが、最も重要で、そして最も面倒な部分です。知らない単語を抜き出して、意味を調べて、単語帳アプリに登録して…。この手間が、多くの学習者の挫折の原因になっています。

そんな悩みを解決するかもしれないのが、GoogleのAIノート支援ツール「NotebookLM」です。特に、2025年9月に追加されたフラッシュカードやクイズを自動生成する機能は、私たちの英語学習を劇的に効率化する可能性を秘めています。

この記事では、難解な英語の記事をNotebookLMに読み込ませ、どれくらいの精度で“自分だけの単語帳”や“理解度チェックテスト”が作れるのかを徹底検証。あなたの英語学習が「読むだけ」から「使える知識へ」と変わる、その実力に迫ります。

NotebookLMとは?

NotebookLMは、一言で言えば「あなたがアップロードした資料だけを情報源にする、賢くて正直なAI学習パートナー」です。一般的な生成AIがインターネット全体の情報を元に回答するのに対し、NotebookLMは指定された記事のURLやPDF、テキストの内容だけを学習します。

これにより、AIがもっともらしい嘘をつく「ハルシネーション」のリスクを最小限に抑え、読んでいる文章の文脈に沿った、正確な知識を得られるのが最大の特徴です。

主な機能

  • AIとの対話形式での質問応答: 記事の内容について、「この"it"が指しているものは何?」といった具体的な質問ができます。
  • 自動要約: 長い英文記事の要点を、数秒で日本語や英語の箇条書きにしてくれます。
  • 音声概要(Audio Overview): 記事の内容を自然な英語の音声で読み上げてくれるため、リスニングやシャドーイングの教材としても活用できます。
  • フラッシュカード・クイズ生成: 記事から重要な英単語やキーフレーズを抽出し、暗記カードや理解度テストを自動で作成します。(← 今回の主役!)

既存の単語帳アプリが、予め用意された単語を覚えるための「ドリル」だとすれば、NotebookLMは、自分が今読んでいる“生きた教材”を、瞬時にパーソナライズされた「ドリル」に変換してくれるエンジンと言えるでしょう。

実際に使ってみた!

英語学習と情報収集を兼ねて、海外のニュースサイトを読む習慣がある方は多いでしょう。しかし、読んだ記事の内容は次々と流れていき、「読みっぱなし」になってしまうのが現実です。せっかく出会った新しい単語や表現も、メモを取らなければ記憶に残りません。

そこで今回は、日々のニュース読書を「消費」から「蓄積」に変えるべく、 BBCニュースの記事をNotebookLMに読み込ませ、どれだけ実用的な「時事英単語帳」が作れるか を検証しました。

【検証条件】

  • ソース : BBC News の最新記事のURL
  • ゴール : 記事の要点を理解するのに必要な時事英語・ビジネス英語のフラッシュカードを50個生成する
  • 評価軸 :
    • 時事ニュース特有のキーワードや表現を抽出できているか?
    • 単なる単語の意味だけでなく、ニュースの文脈に沿った解説になっているか?
    • 日々の学習習慣として「使える」ツールだと感じられるか?

検証手順

検証は驚くほど簡単です。スマホのブラウザで読んでいたBBCニュースの記事URLをコピーし、NotebookLMアプリにペーストするだけです。わずか30秒ほどで、AIが記事の内容を分析し、重要ボキャブラリーに基づいたフラッシュカードのセットを提案してくれました。

それでは実際にためしていきます。今回はBBCの「Artificial Intelligence」ジャンルの記事を5記事ほどまとめてNotebookLMに入れていこうと思います。NotebookLMを検索し、「NotebookLMを試す」をクリックすると、すぐにNotebookLMの画面に移行しました。

NotebookLMの画面。「NotebookLMを試す」をクリック

次に「ノートブックを新規作成」して、英語ニュースを入れていこうと思います。

「ノートブックを新規作成」をクリックして進む

ソースを追加できる画面に移行しました。ファイル、Googleドライブ、ウェブサイトリンク、Youtubeリンク、テキストの直貼りのいずれかでソースが追加できるようです。今回はウェブサイトリンクで追加しようと思いますが、紙の新聞記事の写真などでもアップロードできるため便利だと感じました。

ソース追加画面。ウェブサイト、Googleドライブ、YouTubeなどが選択可能

私はBBCのニュースリンクを試しに6記事ほど入れてみました。一気に追加できるのはありがたいです。

ウェブサイトのURLを複数貼り付け、「挿入」をクリック

10秒ほど待ったらすぐに登録が完了しました。ノートブックのタイトルもいい感じにつけてくれているうえ、すでに記事を要約してくれています。

登録完了後のメイン画面。タイトルが自動生成され、記事の要約が表示されている

それではさっそく、記事内で使われている英単語で、AIに関する英単語のフラッシュカードを作ってもらいましょう。画面右側の「Studio」内の「フラッシュカード」枠右上の編集マークを押すと、「カードの枚数」「難易度レベル」「希望するトピック」が選べます。

今回は、「カードの枚数」は多め、「難易度レベル」は標準、「希望するトピック」は、「提供された複数の記事の全文から、 人工知能(AI)に関連する重要な英単語の単語学習用フラッシュカードを作成してください。 」としてみました。

Studio内の「フラッシュカード」の編集マーク
「テストのカスタマイズ」画面で質問の数、難易度、希望するトピックを設定

5分ほどで完成しました。「知覚用語」というネーミングがわかりづらいですが、後で右側3点リーダーアイコンから名前を変えられるようでした。生成時間について、意外と時間がかかったなという感想ですが、10年前はオリジナルの単語カードを作るには紙のカードを買ってきて作ってきて...という作業があったのですごい進化だなと思います。

生成されたフラッシュカードセット「知覚用語」

それでは、実際にフラッシュカードの中身をみていきます。全部で50枚分作成されました。画像にある「wargaming」と「pivoting」のように、一般的な意味とあわせて読み込んだ記事内での意味も入っていてわかりやすいです。また、Space キーで裏返し、「← / →」キーで移動できるのもサクサク進められてユーザー的にありがたいと感じました。

フラッシュカードの表面(単語が表示されている)
フラッシュカードの裏面(意味が表示されている)

生成結果①

カード①: 

【Surface (表)】 pivoting 

【Back (裏)】 方向転換する、軸足を移す。食品産業向けに開発されたAI技術を防衛問題の解決に応用すること。

一般的な意味とあわせて、読み込んだ記事内での意味も入っていてわかりやすいですが、もう少し学習に寄与する情報があるとより良いと感じました。

カード②: 

【Surface (表)】 deputy vice chancellor 

【Back (裏)】 副学長代理。リンカーン大学のジュリアン・フリー氏の役職。ニュース記事には人名、企業名、地名といった固有名詞が多く登場します。記事理解には重要かもしれませんが、誰がその役職かの解説は意味が薄いと感じました。こうしたカードは、手動で編集ができないのが不便です。

「希望するトピック」をシンプルにしすぎたのか、少し物足りなかったり、ズレたカードが多く感じました。

次は「カードの枚数」は多め、「難易度レベル」は標準、「希望するトピック」は、「提供された複数の記事の全文から、人工知能(AI)に関連する英単語の単語学習用フラッシュカードを作成してください。回答には、一般的な意味・記事内での意味・実際に単語を使った例文とその和訳を入れてください。」としてみました。

生成結果②

カード①: 

【Surface (表)】 pivoting

【Back (裏)】 一般的な意味: 旋回すること、方向転換すること。 記事内での意味: 既存の技術や能力を新しい分野や問題解決に転用すること。 例文: ""We're taking that immense capability and pivoting it towards solving some defence problems."" 和訳: 「我々はその絶大な能力を活用し、防衛問題の解決に向けて方向転換しています。」

最初に作ったカードより、より充実した内容になりました。

カード②: 

【Surface (表)】 sycophancy 

【Back (裏)】 一般的な意味: へつらい、お世辞、ごますり。 記事内での意味: AIモデルがユーザーに過度に同調したり、媚びへつらったりするような不健全な応答を避けること。 例文: ""OpenAI the creator of ChatGPT says that its latest model has shown improvements in areas like avoiding unhealthy levels of emotional reliance and sycophancy."" 和訳: 「ChatGPTの作成者であるOpenAIは、最新モデルが感情的な依存やへつらいといった不健全なレベルを回避する分野で改善を示したと述べています。」

単語帳ではなかなか見かけない単語かつ、AI関連では重要になってきそうな単語と感じます。こういった単語を見つけられるのは実際のニュース記事を活用することのメリットです。

生成結果と評価

生成された単語帳は、記事読解と単語学習のギャップを埋められるような出来栄えでした。フラッシュカード生成の際に「希望するトピック」としてある程度指示を与えられるので、ここを試行錯誤して自分好みに作ることもでき、自分だけのオーダーメイド単語帳作成に適したツールだと感じました。

使ってみて感じたこと

NotebookLMは、日常的な情報収集と英語学習をシームレスに結びつけ、知識をストックに変えるリサーチパートナーです。ニュース記事のURLを貼り付けるだけで、記事の文脈に沿った時事英語の単語帳を迅速に生成できる点が特徴です。プロンプトを工夫すれば、一般的な意味以上の実践的な例文や背景情報を含む、高品質な学習コンテンツをオーダーメイドで作成できるため、日々のインプットを「消費」から「蓄積」へと変える新しい学習サイクルを提供します。

メリット:簡単な情報源の連携と知識の資産化

ニュース記事のURLをコピー&ペーストするだけで、複数の記事を一括でソースとして取り込み、すぐに分析を開始できます。これにより、気になった情報源を「読みっぱなし」にせず、フラッシュカードという学習コンテンツとして手軽に知識を資産化できます。忙しいビジネスパーソンが、情報収集と英語学習を両立するスキマ時間学習のサイクルを作るのに役立ちます。

メリット:ニュースの文脈に特化した単語抽出と詳細なカスタマイズ性

AIが記事の文脈に応じた専門的な意味合いや、市販の単語帳では見かけない時事的なキーワードを抽出してくれます。また、フラッシュカード生成時に「希望するトピック」で具体的な指示を設定できるため、学習効果を高めることが可能です。特定の専門分野の最新記事を活用して、深く語彙を学びたい学習者に適しています。

デメリット:学習コンテンツの初期品質調整に工夫が求められる

シンプルな指示でフラッシュカードを生成した際、人名や役職名といった固有名詞が多く含まれ、学習上の意味が薄いカードが抽出される側面がありました。より質の高い実用的なコンテンツを求めるユーザーは、初めに「希望するトピック」のプロンプトを詳細に定義するなど、AIの抽出精度を高めるための工夫が求められるケースがあります。

デメリット:生成完了までの待機時間と手動編集機能の不在

フラッシュカードの生成には数分程度かかる場合があり、即時的にコンテンツを閲覧したいユーザーにとっては、やや待機時間が発生する可能性があります。また、生成されたカードに不要なものが含まれていても手動で編集・削除する機能がありません。生成物をそのまま利用したい、または大量の情報を扱うケースでは注意が必要です。

まとめ

NotebookLMは、気になるニュース記事のURLを読み込ませるだけで、文脈に沿ったオリジナルの「時事英単語帳」を手軽に作成できるツールです。プロンプトを工夫することで、例文や記事内での意味を含む質の高い学習コンテンツを生成でき、日々の情報収集を知識として蓄積できます。一方で、初期設定のままでは意図しない単語が抽出されたり、手動編集ができなかったりする点には注意が必要です。英語ニュースをただ読むだけでなく、効率的に語彙力を高めたいビジネスパーソンや学生にとって、学習をサポートする心強いパートナーとなると感じます。ぜひ一度試してみてください!

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この記事を書いた人
渡辺 優子
SaaS自動化ツール「Yoom」のマーケター。AIとマーケティング領域を専門とし、最新のAI技術を活用した業務効率化やデータ分析、戦略立案に取り組んでいる。X(旧Twitter)では、AIやマーケティングに関する実践的な情報を発信しており、特にSaaS事業におけるAIの活用法について深い知見を持つ。常に新しい技術トレンドを追い求め、読者の課題解決に繋がる有益な情報を提供することを目指している。
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