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MCPサーバー(MCP)とは、AI領域と外部システムを結ぶ通信プロトコルのこと。これまでAIはWeb上の公開された情報しか扱えませんでしたが、MCPを使うことで業務システムやデータベースなどの社内データもAIが活用できるようになりました。
そこでこの記事では、おすすめのMCP10選をご紹介!具体的な利用シーンに合わせてご紹介するので、ぜひチェックしてみてください✍️そもそもMCPサーバーとは?選ぶポイント
MCPサーバーを使う前に、どんなものなのかを知っておきましょう。
MCPサーバーの特徴や選ぶポイントを知ることで、自社にあったツールを選びやすくなります。
本記事の想定読者
MCPとは
MCPをひと言で表すなら、AIが外部のツールやサービスと会話するための中継役です。
通常、AIがSlackやGitHub、データベースなどの外部ツールを操作するには、それぞれのツールが提供する独自のAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)に合わせて、個別の連携プログラムを開発する必要があります。
これは非常に手間がかかり、セキュリティ管理も複雑になりがちです。
MCPサーバーは、このバラバラだった通信方法をMCPという共通のプロトコルで標準化します。
これまでのようにAIと外部ツール間で複雑なAPI設定をしなくても、MCPサーバーを導入するだけで、ChatGPTからでもClaudeからでも指示を出せる点が最大のメリットの1つです。
✅【目的別】おすすめMCP10選
ここからは、具体的な利用シーンに合わせて、特におすすめのMCPを3つのカテゴリに分けてご紹介します。
開発ワークフローにおすすめのMCP
1. GitHub MCP
一言でいうと
コーディング作業の面倒な周辺業務をまるっと自動化
主な特徴
【ここがポイント】
GitHubを使った開発業務の効率化を図れるMCPです。
例えば、AIに「〇〇の機能改善のためのブランチを切って、最新の変更を取り込んで」と指示するだけで、面倒なコマンド操作が完了します。
特に、PR作成時にテンプレートに沿った説明文を自動生成してくれる機能が、ドキュメント作成の手間を削減してくれると人気です。
こんな人におすすめ
2. Jira MCP
一言でいうと
開発のチケット管理から解放してくれる
主な特徴
【ここがポイント】
AIに指示を与えるだけで、チケットの管理を行ってくれます。
また、GitHubも利用している場合、GitHub MCPと組み合わせることで、「バグ修正のコードをプッシュしたら、自動で関連するJira Softwareのチケットのステータスを『レビュー待ち』に変更し、QA担当者にメンションする」といった連携も可能です。
これまで手作業で更新していた細々とした管理業務がなくなり、開発に集中できる時間を増やせると好評です。
こんな人におすすめ
一言でいうと
AIにサーバー操作を任せられる、強力かつ繊細なサーバー
主な特徴
【ここがポイント】
「本番環境のアプリケーションを再起動して」といった指示をAIに任せられる点が人気です。
ただし、`rm -rf /`のような破壊的なコマンドを実行できてしまうリスクも伴います。
そのため、実行前に必ず人間の確認を挟む設定は必須です。
諸刃の剣ではありますが、使いこなせれば運用業務の自動化に絶大な効果を発揮する可能性が秘められています。
こんな人におすすめ
データとナレッジの活用におすすめのMCP
4. PostgreSQL / Supabase MCP
一言でいうと
自然言語でデータベースと対話できるデータアナリスト
主な特徴
【ここがポイント】
「先月の売上トップ5の顧客情報を教えて」とチャットで聞くだけで、AIが適切なSQLを生成・実行し、結果を返してくれます。
SQLが苦手なメンバーでも、気軽にデータにアクセスできるようになるため、データベースの情報を効率的に活用したいときに人気です。
こんな人におすすめ
5. Notion MCP
一言でいうと
AIが自動でドキュメントを整理・作成してくれるナレッジマネージャー
主な特徴
【ここがポイント】
Slackでの議論の内容をAIが要約し、自動でNotionの会議議事録ページに追記するフローなどを構築できます。
これにより、面倒な転記作業がなくなり、情報の属人化も防げます。
また、AIを使った社内サポート窓口では、Notionに保存した社内ナレッジを直接参照してくれるため、ハルシネーション(AIの嘘)が減少し、回答の精度が向上する点が好評でした。
こんな人におすすめ
6. Grafana MCP
一言でいうと
サーバーの異常をAIが検知し、教えてくれる監視オペレーター
主な特徴
【ここがポイント】
「昨日の夜間バッチでエラーレートが急上昇した原因を調べて」といった曖昧な指示でも、AIが関連するメトリクスやログを横断的に調査し、原因の仮説を立ててくれます。
複雑なクエリ言語を覚えなくても、対話形式でインシデントの初期調査を進められるため、障害対応の初動が早くなったという声もありました。
こんな人におすすめ
チームの連携や業務プロセスを自動化するおすすめのMCP
7. Slack MCP
一言でいうと
チームのコミュニケーションを円滑にするアシスタント
主な特徴
【ここがポイント】
メッセージ管理を簡単にできる点が便利です。
例えば、毎朝、前日の主要なチャンネルのやり取りをAIが要約してダイレクトメッセージで送ってくれるようにする使い方があります。
これにより、大量の未読メッセージを追いかける時間がなくなり、重要な情報の見逃しを防ぐことに繋がります。
特に、承認フローなど、重要だけど定型的なコミュニケーションの見逃しを防ぐのに役立ちます。
こんな人におすすめ
8. Gmail MCP
一言でいうと
面倒なメール作業を肩代わりしてくれる超有能な秘書
主な特徴
【ここがポイント】
問い合わせ窓口に来る定型的な質問メールに対して、AIが内容を判断し、適切なテンプレートを用いて返信ドラフトを自動作成するといった使い方があります。
人間は最終確認をするだけで済むため、メール対応の工数を大幅に削減できたという声もあります。
使い方次第で、日々のメール業務から解放される可能性を秘めているMCPサーバーです。
こんな人におすすめ
9. Salesforce MCP
一言でいうと
AIが営業活動をサポートしてくれる
主な特徴
【ここがポイント】
メールやカレンダーの情報から、AIが「〇〇社との打ち合わせ内容をSalesforceに記録しますか?」と提案し、承認するだけで活動履歴が登録されます。
営業担当者が面倒に感じがちなCRMへの入力作業を自動化することで、データの精度が向上し、営業活動に集中できる点が人気です。
こんな人におすすめ
10. Stripe MCP
一言でいうと
請求や支払い管理を自動化できる
主な特徴
【ここがポイント】
プロジェクト管理ツールと連携し、「タスクが完了したら、自動で顧客に請求書を送付する」といったフローを構築できます。
手作業だと発生しやすい請求漏れや金額ミスを防げるため、経理部門の負担を軽減できると好評です。
また、ビジネスの根幹であるお金の流れを正確かつ迅速に管理できる点も魅力の1つです。
こんな人におすすめ
🤔Notion MCPを実際に使ってみた!
今回はおすすめMCPから抜粋して、Notion MCPをChatGPTに繋げてみました。検証内容
検証条件:ChatGPTプロプラン。モデルはGPT5.1を使用
想定するユースケース:Notionに格納されているナレッジをChatGPT上で確認する
検証項目:連携の手軽さ、実際に使えるか
検証方法
1.ChatGPTの「設定」から「アプリとコネクター」画面にうつり、Notionのコネクターを選択(今回はすでに連携しているため、本画像ではNotionは表示されていません)。
2.Notionを選択すると、下記のような画面となるため「接続する」という黒いボタンを選択
3.すると、下記のような画面となる。連携するワークスペースが問題なければ、「続行」を押す
4.これで連携は完了です!あとはChatGPTとやり取りを始める際、+マークから「さらに表示」、「Notion」を押下することでNotion MCPを活用できます。
検証結果
検証項目:連携の手軽さ
やはり連携の手軽さが話題のMCPならでは。
たった3STEPでChatGPTとNotion MCPを連携でき、すぐに利用できました。
非エンジニアでも簡単に連携でき、活用の幅が広がると感じます。
検証項目:実際に使えるかどうか
今回は勤務体系という社内ナレッジについて、Notion MCPを使ってChatGPTから情報を呼び出してみました。
NotionとChatGPTを行き来することなく情報を取得できるため、大きな時短につながります。
またNotionページのIDを入れると、そのページに書いてある情報を整理してまとめてくれる点も非常に便利です。
複数の複雑なナレッジを管理しやすいため、業務効率化につながります。Yoomでできること
Yoomは、さまざまなLLMやSaaSツールをノーコードで連携できるサービスです。
例えば、SlackとChatGPTをYoomで連携すると、チャンネルに来た質問に対する回答を自動で作成して返答できます。
他にも、NotionとClaudeの連携により、議事録をテーブルに追加すれば、要約を自動で作成することもできます。
直感的な設定だけで、簡単に業務の自動化フローを構築できるので、ぜひ試してみてください!
[Yoomとは]🖊️まとめ
MCPを導入することで、異なるLLMでも社内の各種ツールやデータソースと連携できるようになります。
この仕組みにより、ChatGPTやClaudeといった異なるLLMで同じサーバーを利用でき、ツールごとの個別開発や認証設定の手間を解消できます。
導入の際は、まず何を自動化したいかという目的を明確にすることが重要です。
その上で、連携したい全ての外部ツールに対応しているかを確認しましょう。
また、社内の機密データに関わるため、開発元の安全性とサーバーの拡張性を考慮して選ぶこともポイントです。
SlackやGitHubなど特定のサービスに特化型のサーバーや、複数の外部サービスにアクセスできる統合型サーバーを活用して、手作業の転記や複雑な定型作業をAIに任せ、業務を効率化してみてくださいね!