自動化のアイデア

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2025-12-18

【Claudeでタスク管理が変わる】長文からタスク抽出をしてみた！

Suguru Nakazawa

✍️そもそもClaudeとは
🤔Claudeをタスク管理で実際に使ってみた！
✅検証結果1：Claude 4.5ファミリーでArtifacts機能を使ったタスクの可視化
✅検証結果2：Claude・ChatGPT・Geminiで長文データからタスクを自動抽出
🖊️検証結果まとめ

タスク管理は、多くのビジネスパーソンにとって永遠の課題ではないでしょうか。
「NotionやTrelloを使っているが、メンテナンスが面倒で続かない」
「ブレストした情報や議事録からタスクを作成するのに時間を取られている」
こうした悩みを持つ方は多いと思います。

そこで今回は、Anthropic社のClaudeを活用したタスク管理手法を検証します。
従来のツールのような多機能なインターフェースではなく、テキストファイル1つと対話するだけでタスクを整理するこの手法は、エンジニアだけでなく、効率化を求めるマーケティング担当者やビジネス職にとっても画期的な選択肢となる可能性があります。

本記事では、Claudeの概要から、実際にタスク管理をしてもらう具体的な手順まで、その実力を徹底検証するので、参考にしてみてください。

✍️そもそもClaudeとは

本記事の想定読者

さまざまな業務で発生するタスクの管理をAIに任せる方法を探している方
エンジニアではないが、コマンドラインツールや最新のAI技術を活用した業務効率化に関心がある方
毎日のタスク優先順位付けに迷いがあり、Claudeに「参謀」として整理・提案してほしい方

タスク管理におけるClaudeの強み

Claude（クロード）は、Anthropic社が開発した大規模言語モデル（LLM）です。
自然な日本語対話能力、長文の読み込み（コンテキスト理解）、そして高いコーディング能力を強みとしています。

タスク管理において、Claudeは「チャットボット」以上の役割を果たします。
特に注目すべきは以下の3つの機能です。

Claude Code：ターミナル（PCのコマンド操作画面）で動作するエージェント型ツールです。
ユーザーのPC内にあるファイルを直接読み書きできるため、テキストファイル（Markdown）を直接編集させてタスク管理を行うことが可能です。
Artifacts（アーティファクト）：チャット画面の横に独立したウィンドウを表示し、ToDoリストやガントチャート、ドキュメントをリアルタイムで視覚的に生成・プレビューする機能です。
Constitutional AIアプローチ：Claudeは安全性、解釈可能性、深い推論を重視しています。
適切に文脈を処理する性能が高いため、長い文章から適切にタスクを抽出することができます。

一般的なタスク管理ツール（AsanaやTrelloなど）のような専用の通知機能やカレンダー機能は持ちませんが、「ローカルファイルベースの柔軟な管理」「自然言語でのタスクの視覚化」「文脈を理解してタスクを自動抽出」という点において、既存ツールにはない強力なサポート力を発揮します。

🤔Claudeをタスク管理で実際に使ってみた！

今回は、実際にビジネスの現場でもよくある2つのシーンを想定して、Claudeの実力を検証してみました。

検証内容とポイント

検証1：Claude 4.5ファミリーでArtifacts機能を使ったタスクの可視化

求めるアウトプット：ブレインストーミングしたアイデアを、グループ分けして視覚的なカンバンボードを作成

検証ポイント：

作成時間：プロンプトの送信からカンバンボードが作成されるまでの時間
作成精度：ブレストしたアイデアの抜け漏れ
機能の違い：作成されたカンバンボードの機能の違い

検証2：Claude・ChatGPT・Geminiで長文データからタスクを自動抽出

求めるアウトプット：約6,000文字のウェブ会議の文字起こしデータからタスクを抽出

検証ポイント

作成時間：プロンプトの送信から結果が出力されるまで
タスクの抜け漏れ：文字起こしデータ内の8つのタスクのうち、何個を抽出できるか
期日の精度：抽出したタスクの期日の正答率

検証条件

検証1

Claude：

プラン-プロ

モデル-Haiku 4.5・Sonnet 4.5・Opus 4.5

検証2

Claude

プラン-プロ

モデル-Opus 4.5

ChatGPT

プラン-Plus

モデル-GPT-5.1 Thinking

Gemini

プラン-Google AI Pro

モデル-思考モード（3 Pro搭載）

検証方法

検証1

ブレインストーミングのアイデアの一覧は以下です。

1.Claudeアカウントにログイン

2.モデルを選択

入力欄右下のプルダウンからモデルを選択します。

3.ファイルを添付

「＋」マークをクリックし、「ファイルをアップロード」からブレインストーミングした内容が保存されている画像ファイルを添付します。

4.機能を選択

「ツール」マークをクリックし、「じっくり考える（拡張思考）」を選択します。
コネクタ機能を使うと、Google Driveなどと連携することも可能です。

5.プロンプトを入力して送信
検証するためのプロンプトを入力して送信します。

【検証プロンプト】

添付した画像は、SaaSツールの販売戦略の改善案をブレインストーミングした結果です。
全てのアイデアをカンバンボードにまとめてください。
カテゴリは、3〜5つに分けてください。

検証2

検証に使った文字起こしデータは以下です。

【Claude】

Claudeの操作方法は、検証1と同じです。

添付ファイルはなく、「じっくり考える（拡張思考）」機能のみを選択し、以下のプロンプトを送信しました。

【検証プロンプト】

以下の文字起こしデータから、ウェビナー内で発生したタスクのタスク名、期限、詳細を抽出し、表形式でまとめてください。担当者は主催者のみとし、主催者が指定したタスクをリスト化してください。期限や詳細も明確に記載されている場合に限り、それらの情報も追加してください。

ーーーーーーーーーー

文字起こしデータ：

【ChatGPT】
1.アカウントにログイン

2.モデルを選択

左上のプルダウンからモデルを選択します。

「＋」マークをクリックすると、ファイルの添付やウェブ検索が可能になります。
今回は、文字起こしデータを直接プロンプトに入れるため、操作は行っていません。

3.プロンプトを入力して作成開始

同様のプロンプトを入力して、記事を作成します。

【Gemini】
1.アカウントにログイン

2.モデルを選択

入力欄の右下からモデルを選択します。

「＋」マークをクリックすると、ファイルを追加することも可能です。

また、ツールからDeep Researchなどを利用することもできます。
今回はタスク抽出のため、何も選択していません。

3.プロンプトを入力して作成開始

同じプロンプトを入力して作成を開始します。

✅検証結果1：Claude 4.5ファミリーでArtifacts機能を使ったタスクの可視化

Claude 4.5ファミリーで、ブレインストーミングの結果をタスク化したアーティファクトは、以下になります。

【Haiku 4.5】

※公開リンク

【Sonnet 4.5】

※公開リンク

【Opus 4.5】

※公開リンク

作成したアーティファクトは、公開することができます。

「コピー」の横のプルダウンを開き、「アーティファクトを公開」から実行可能です。
公開されるのはアーティファクトのみで、チャットの内容は公開されません。

公開したアーティファクトは、Claudeの「アーティファクト」をクリックし、「あなたのアーティファクト」から確認できます。

検証結果

Claude 4.5ファミリーの出力を、「作成時間」「作成精度」「機能の違い」の3点で比較すると、以下のようになります。

Sonnet 4.5は、1度目のプロンプト送信後、エラーでアーティファクトが作成されませんでした。
そのため、同じチャットで修正依頼のプロンプトを送信したので、作成時間が2つ記載してあります。

スピード重視ならHaiku 4.5、機能美ならSonnet 4.5

作成時間を比較すると、Haiku 4.5が「1分13秒」と最も高速でした。
生成されたカンバンボードもドロップダウン機能を備えた実用的なもので、会議中にその場でサッと可視化したい場面ではHaiku 4.5が最適です。
一方、Sonnet 4.5は一度エラーが発生し、修正を含めると合計3分以上の時間を要しました。
しかし、完成したボードはスクロール機能やホバーエフェクト（カーソルを合わせるとタスクが動く仕様）が実装され、最もリッチな機能のUIとなりました。
プレゼン資料や共有用として見栄えを整えたい場合は、Sonnet 4.5をおすすめします。

タスク管理においてOpus 4.5の優位性は低い

最高峰モデルであるOpus 4.5ですが、今回の検証結果を見る限り、タスク管理の可視化において特筆すべきメリットは見当たりませんでした。
作成時間はHaiku 4.5より遅く、機能面でもSonnet 4.5のようなリッチな挙動は実装されませんでした。
Opus 4.5は複雑な推論や小説の執筆などには適していますが、今回のようなタスクにおいては、コストパフォーマンスの観点からもHaiku 4.5やSonnet 4.5で十分です。

コード知識ゼロでも「自然言語」でアプリ開発が可能

今回の検証で最も感動したのは、プログラミングの知識が全くなくても、チャットで指示するだけで動的なツールが作れる点です。
Sonnet 4.5で一度エラーが発生しましたが、「修正してください」と自然言語で伝えただけで、すぐに修正版が生成されました。
これは、私のようなエンジニアではない方にとって強力な武器になります。
手書きのメモやホワイトボードの写真をアップロードし、対話するだけで自分だけのタスク管理ツールが手に入る。
まさにClaudeが「有能な参謀」として機能する瞬間でした。

✅検証結果2：Claude・ChatGPT・Geminiで長文データからタスクを自動抽出

Claude・ChatGPT・Geminiで抽出されたタスクは、以下になります。

【Claude】

【ChatGPT】

【Gemini】

検証結果

Claude・ChatGPT・Geminiの出力結果を、「作成時間」「タスクの抜け漏れ」「期日の精度」の3点で比較すると以下のようになります。

ChatGPTはタスクの抜け漏れがありビジネスにおいて致命傷

3つの生成AIを比較した結果は明白でした。
ChatGPTは「18秒」という驚異的な速さで回答を作成しましたが、肝心のタスクが全8件中「3件」も漏れていました。
ビジネスの現場において、タスクの見落としは信頼失墜やプロジェクトの遅延に直結する致命的なミスです。
いくら生成速度が速くても、網羅性が低ければ実務では使えません。
この点において、ChatGPTへの過信は禁物です。

ClaudeとGeminiは信頼に足る「参謀」となる

一方、ClaudeとGeminiは全8件のタスクを完璧に抽出し、期日の指定も100%正確でした。
作成時間は両者とも「31秒」で、ChatGPTと比較すれば時間はかかっていますが、体感としてはプロンプトを送信してコーヒーを一口飲む間に完了する程度です。
約6,000文字のテキストを目視で確認し、タスクを拾い上げる作業には通常10分以上はかかるはずです。
それをわずか30秒、しかもミスなく遂行してくれるClaudeとGeminiは、議事録作成やタスク整理の強力なパートナーとして即戦力になります。

30秒の待ち時間は「安心」のためのコスト

「速さ」と「正確さ」のトレードオフについて考える良い機会となりました。
今回の検証から、大量の情報を処理させるタスクにおいては、多少の時間をかけてでも「思考」させるプロセスが重要であることがわかります。
ClaudeのConstitutional AIアプローチやGeminiの思考モードのように、文脈を深く理解しようとするモデルの方が、結果として修正の手間を省き、業務効率の最大化につながります。30秒という時間を「待たされている時間」ではなく、「AIが慎重に確認してくれている時間」と捉えてみてはいかがでしょうか。
🖊️検証結果まとめ
今回の2つの検証を通じて、Claudeが単なるチャットボットを超え、タスク管理の効率化につながることが確認できました。
他モデルとの比較も含め、結果を整理すると以下のようになります。