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「ChatGPTで生成した文章を、Slackやスプレッドシートにコピペするのが面倒」「毎回同じようなプロンプトを入力して、業務日報やレポートを作成している」
もしあなたがこのような手作業に時間を費やしているなら、「GPTs」を活用することで、それらの悩みを解決できるかもしれません。
GPTsとは、一言で言えば「あなた専用の業務特化型ChatGPT」を作れる機能です。外部ツールと連携させれば、生成したテキストを自動でチャットツールに送信したり、資料にまとめたりといったことまで可能になります。
この記事では、プログラミング知識がない方でも迷わず設定が完了できるよう、具体的な利用シナリオと手順を丁寧に解説します。
この記事は、主に以下のような方を対象としています。
GPTs(GPT Store / GPT Builder)は、特定の目的やタスクに合わせてChatGPTをカスタマイズした独自のAIチャットボットを作成・利用できる機能です。
従来のChatGPTが広範な知識を持つ「万能選手」であるのに対し、GPTsは特定の分野(例:社内規定の専門家、SEO記事の執筆者、データ分析官など)に特化した「スペシャリスト」を自分で作り出せるツールです。
各機能について
GPTs:特定の目的のためにカスタマイズされたチャットボットそのものの名称。
GPT Builder:GPTsを作成するための対話型インターフェースおよびツールの名称。
GPT Store:作成されたGPTsを検索・公開するためのプラットフォーム(市場)の名称。
GPTsで設定できる主な要素
ハイパーオートメーションツール「Yoom」では、ChatGPTと他のSaaSウールを連携することで様々な業務を自動化できます。たとえば今回記事でご紹介しているGPTsでは外部サービスとの連携も可能ですが、細かな設定も必要となるほか現時点で連携可能なアプリ数は限られてしまいます。しかしYoomであれば、約700アプリとのシームレスな連携が可能です!
下記のテンプレートをコピーして設定するだけで、業務自動化を実現。気になる方はぜひチェックしてみてくださいね👀
GPTsを利用することで、単なるチャットボット以上の業務自動化が可能になります。ここでは、主にできること5つを紹介します。
プログラミングスキルは不要です。日本語で対話するだけで、誰でも簡単にオリジナルのGPTを作成できます。
PDFやCSVファイルをアップロードすることで、ChatGPTが本来知らない「社内規定」や「最新の製品仕様」に基づいた回答をさせることができます。
Googleカレンダー、Slack、Gmailなどの外部サービスと連携し、カレンダーへの予定登録やメール送信をチャットから直接実行できます。
「常に敬語を使わない」「Markdown形式で出力する」などのルールを事前に設定できるため、誰が使っても均質なアウトプットが得られます。
作ったGPTは社内で共有できるほか、「GPT Store」で一般公開することも可能です。利用状況に応じた収益化の道も開かれています。
※GPT Storeでの収益分配は米国などの一部地域で先行して開始されており、日本ではまだ展開されていません(2026年1月現在)。
GPTsは、従来のChatGPTのような「対話」だけでなく、独自の知識や外部連携を組み合わせることで、多岐にわたる課題を解決します 。
例えば人事や総務部門では、社内規定やマニュアルを学習させた「社内Q&Aボット」が従業員の疑問に即時回答し、バックオフィスの負担を軽減します。
またマーケティング分野では、SEOに特化した記事構成案やSNS投稿案を素早く作成するなど、クリエイティブな作業のたたき台作りに役立つ点も特徴です。
GPTsは、特定のスキルを補完する心強いツール。外部ツールと連携すれば、対話形式で画像編集や動画の台本作成、さらにはテンプレート検索まで行えます。
IT分野では、プログラムのコード生成やデバッグ、学術分野では複雑な論文データベース(PubMedなど)の検索式生成など、高度な専門スキルを要する作業を強力にバックアップします。
日常生活においても、GPTsは「専属アシスタント」として機能します。
例えば、英会話の練習相手や学習サポートを行うAI家庭教師、レシートや食事の写真を撮るだけで家計簿記帳やカロリー計算を行う機能など、個人のライフスタイルに寄り添った活用も可能です。
Googleカレンダーへの予定追加、Gmailの自動返信、Zapierを介したSlackやNotionへの情報同期など、ChatGPTの枠を超えて実社会のツールを直接操作することが可能です。
GPTsの使い方には、主に以下の2つがあります。
ここからは、「記事構成作成アシスタント(記事構成案作成のためのGPTs)」を例に、オリジナルのGPTsの作り方を見ていきましょう。
1. GPTsの作成画面を開く
右上の「+作成する」をクリック→「構成」をクリック。
2. アイコンを設定
+ボタンをクリックし、写真をアップロード。
3. 名前を入力
「名前」にGPTsの名前を入力。
4. 説明を入力
「説明」にGPTsの説明文を入力。
5. 指示を入力
「指示」にGPTsのプロンプトを入力。
※プロンプト例
6. 会話のきっかけを入力
「会話のきっかけ」に会話のきっかけとなる文章を入力。
7. 知識にデータをアップロード
「ファイルをアップロードする」から必要なデータをアップロード。
※例として、Googleが公開している検索評価ガイドラインのPDFファイルを読み込ませています。
8. 推奨モデルを選択
プルダウンから任意のモデルを選択
9. 機能から必要な機能を選択
4つの機能から、必要な機能を選択。
10. アクションを入力
外部のAPIと連携する場合は「新しいアクションを作成する」からアクションを追加。
※例として、Googleカレンダーへの予定登録、Slackへのメッセージ送信、Notionへのデータ保存など、外部サービスの機能を呼び出すことができます。
11. GPTsを保存する
画面右上の「作成する)」をクリックし、共有範囲を選択。
最後に「保存する」をクリック。
スムーズに設定を進めるために、以下の準備をしておくと便利です。
ChatGPT 5.2 Thinkingモデルを活用し、特定の業務に特化したGPTsの作成と検証を行いました。
モデル:GPTs(ChatGPT 5.2 Thinking)
狙い:事前に社内規定をアップロードし、社員からの質問に自動回答する
モデル:GPTs(ChatGPT 5.2 Thinking)
狙い:議事録の要点をまとめるとともに、画像を生成する
1. 作成したGPTsを開き、モデルを選択
2. プロンプトを入力して送信
3. 出力された内容を確認する
使用例①②それぞれの検証結果を「評価できる点」「修正が必要な点」の2つに分けてお伝えします。
「社内FAQアシスタント」の設定画面
設定画面の「知識」にアップロードしたPDF
社内規定PDFを「知識(Knowledge)」としてアップロードし、「週2回までのリモートワーク」や「水曜日の全員出社」といった独自のルールを正確に回答できるかテストしました。
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【「指示」の設定内容】
あなたは株式会社デジタル・イノベーションの人事・総務担当アシスタントです。
1. アップロードされた資料のみを根拠に回答してください。
2. 資料に記載がない場合は、知ったかぶりをせず「資料内に記載がありません。詳細は人事部(jinji@example.com)へ直接お問い合わせください」と伝えてください。
3. 回答は箇条書きを用い、簡潔で丁寧な敬語(です・ます調)で行ってください。
4. 根拠となる箇所が資料にある場合は、「規定第〇章によると…」のように出典を明示してください。
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結論からお伝えすると、「知識(Knowledge)」機能を活用したGPTsは、生成AIの弱点であるハルシネーションを抑え込みつつ、資料内の情報を文脈に沿って関連付ける推論能力を備えています。
一般的なAIであれば世の中の標準的な回答に逃げてしまいがちな質問に対しても、アップロードされた「週2回までのリモートワーク」や「水曜日の全員出社」といった独自の制約を最優先して回答する挙動が確認できました 。
1. 評価できる点
実際の検証において最も高く評価できる点は、社内規定特有の細かな数値や条件を正確に捉える能力です。
例えば、「週2回までのリモートワーク」や「水曜日の全員出社」といった独自の制約を、迷うことなく正解として提示しました。
また、資料にない育児休業の質問に対し、知ったかぶりをせず「ファイルに記載がない」と回答しています。
2. 修正が必要な点
実務への投入にあたっては、情報の混同を避けるための微調整が必要であることも浮き彫りになりました。
今回の回答では、交通費精算に関する領収書の原則を深夜残業手当にも適用していましたが、規定上の厳密な紐付けが曖昧な場合、ユーザーに誤解を与えるリスクがあります。
より正確なボットにするためには、「推論で補わず、項目ごとの条件を独立して伝えること」や「不明確な関連性は推測せず、資料の該当箇所をそのまま引用すること」を強調する必要があります。
また、回答の信頼性を高めるためには、情報の根拠となる章番号の明示を徹底させる設定も欠かせません。回答の最後に「詳細は第2章をご確認ください」といった一言を添えるよう指示を磨き上げることで、ユーザーが元データを確認する動線を作ることができます。
「議事録要約アシスタント」の設定画面
田中・佐藤・鈴木の3名による会議の文字起こしを解析し、決定事項とネクストアクションを抽出します。さらに、その内容を視覚的にまとめた画像を生成するまでの流れを検証しました。
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【「指示」の設定内容】
あなたは上場企業の役員秘書、兼プロジェクトマネージャーです。
【役割】
入力された会議の文字起こしを解析し、後から見返した時に「何が決まり、次に誰が何をすべきか」が数秒で理解できる要約を作成してください。
【出力フォーマット】
以下の形式を厳守して出力してください。
# 会議名:[タイトル]
## ■ 決定事項
・(決定したことを箇条書きで)
## ■ ネクストアクション(タスク)
・[担当者] 内容(期限:〇月〇日)
## ■ 次回日程
・日時:
・場所:
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※最後に「重要な補足事項」があれば1〜2行で記載してください。
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複雑な発言が入り乱れる文字起こしから、重要なタスクや期限を正確に抽出するだけでなく、それを画像として出力できる点は、会議後の情報共有のスピードを変化させます。
1. 評価できる点
テキスト要約においては、田中、佐藤、鈴木の3名の発言から、責任の所在と期限が明確な情報を完璧に整理できました。指示したフォーマットを逸脱することなく、一目で全体像を把握できる構成に仕上げる能力は、実務において即戦力となるレベルです。
2. 修正が必要な点
画像生成機能は強力ですが、画像内の日本語テキストに細かな誤字脱字が発生したり、レイアウトが微妙に崩れたりするリスクが伴います。
GPTsの設定においては、画像化する際の優先順位(例:特にタスク部分を大きく表示するなど)を具体的に指定することで、より意図に沿った視覚化が可能です。
また、今回は単一の文字起こしを扱いましたが、会議が長引いた場合に備えて「内容が膨大な場合は、重要なポイントを3つに絞って画像化する」といった、情報の取捨選択に関するルールをプロンプトに組み込んでおくことで、さらに汎用性の高いアシスタントへと進化させることが可能です。
検証を通じて明らかになったのは、GPTsが単なる「高機能なチャットツール」ではなく、自社のルールを守る専門家であり、面倒な資料作成を代行する優秀なアシスタントになり得るという事実です。
ただし、GPTsを導入してすぐに100点満点の回答が得られるわけではありません。検証で見つかった「修正が必要な点」から学べるとおり、微調整のプロセスこそが、実務で使いこなすためのカギとなります。
1. 指示の具体化
「推論で補わずに引用すること」や「章番号を明示すること」など、AIに守ってほしい境界線を明確に引く。
2. 機能の特性を理解する
画像生成における日本語の誤字リスクなどを把握し、人間による最終チェックの工程を組み込む。
3. 現場に合わせた柔軟なルール作り
会議が長引いた場合の要約ルールなど、運用シーンを想定した指示をプロンプトに反映させる。
GPTsができることの本質は、AIを自分たちの業務に合わせて調教できる点にあります。
まずは身近な「社内規定の確認」や「会議の要約」から、GPTsによる業務改革の第一歩を踏み出してみませんか?その数分の設定が、あなたのチームに月間数十時間の余裕を生み出すはずです。
ハイパーオートメーションツール「Yoom」では、ChatGPTのAPIと連携するシステムをノーコードで作成することが可能です。AI処理などを組みあわせることで、日々の繰り返し作業を自動化できます。気になる方はぜひチェックしてみてください。
出典: