AI業界で大きな注目を集めているDeepSeek(ディープシーク)。ChatGPTやClaudeといった競合サービスと比較して「圧倒的に低価格」「推論能力が高い」と話題ですが、実際のところ業務でどれくらい使えるのでしょうか?
本記事では、DeepSeekのモデル(V3/R1)を実際に使用し、その実力を徹底検証します。コストパフォーマンスや精度の高さを活かした具体的な活用方法も紹介しますので、AI導入を検討している方は必見です。
✍️検証の前に:DeepSeekの基本情報・料金をチェック
まずは、DeepSeekがどのようなサービスなのか、その基本情報を整理しておきましょう。
本記事の想定読者
- AIのランニングコストを削減したい企業担当者
- ChatGPT以外の高性能なAIモデルを探しているエンジニア・マーケター
- 「DeepSeek」という名前は聞くが、具体的に何ができるのか知りたい方
DeepSeekとは?
DeepSeekは、中国のAIスタートアップが開発した高性能な大規模言語モデル(LLM)です。 最大の特徴は、「Mixture of Experts (MoE)」というアーキテクチャを採用し、GPT-4o並みの性能を維持しながら、圧倒的な低コストを実現している点です。
また、利用にあたってはセキュリティ上の特性を理解しておく必要があります。DeepSeekのサービスに入力されたデータは原則として中国国内のサーバーに保存・蓄積されるため、運用の全容は中国の法的管轄下に置かれます。
特に「国家情報法」や「データセキュリティ法」などの中国国内法に基づき、政府当局から要請があった場合には、機密情報や個人データが提供される法的リスクがあります。
ビジネスで活用する際は、入力したプロンプトがモデルの学習に再利用される可能性も考慮し、社内の機密情報や個人情報の入力は避けるなど、情報の取り扱いには細心の注意を払うことが強く推奨します。
※画像解析やPDFのビジュアル要素を読み取る業務については、2026年2月時点では不向きで、OCR等との組み合わせが必要です。
◎DeepSeekの料金プラン(API利用時)
- DeepSeek-V3(汎用モデル)
入力: $0.14 / 1M tokens
※キャッシュヒット時:入力は$0.014 / 1M tokens
出力: $0.28 / 1M tokens
(比較参考:OpenAI GPT-4oは入力$2.50 / 出力$10.00)
- DeepSeek-R1(推論特化モデル)
入力: $0.55 / 1M tokens
出力: $2.19 / 1M tokens
※思考トークンは、出力トークンとして課金されるのでご注意ください。
(比較参考:OpenAI o1は入力$15.00 / 出力$60.00)
※Webブラウザ版やアプリ版は、現時点では基本的に無料で利用可能です。
しかし、無料版はピーク時に繋がりにくくなる、あるいは一時的に利用制限がかかる事象が頻発しています。安定した業務利用にはAPI連携(Yoom等を通じた利用)を推奨します。
📣YoomはDeepSeekの活用を自動化できます
👉Yoomとは?ノーコードで業務自動化につながる!
DeepSeekのような高性能AIを業務に組み込むなら、ノーコード自動化ツールのYoomがおすすめです。
Yoomを使えば、DeepSeekのAPI(HTTPリクエスト機能で連携)やChatGPTなどのAIを、普段使っているGmailやSlack、Chatworkなどのアプリと連携させ、業務フローを自動化できます。
例えば、以下のような自動化が可能です。
Gmailでメッセージを受信したら、DeepSeekで返答案を生成する
試してみる
■概要
日々のメール対応、特に一件一件内容を確認し返信文を作成する業務に多くの時間を費やしていませんか?このワークフローを活用することで、Gmailで特定のメールを受信した際に、AIモデルであるDeepSeekが返信文案を自動で生成します。メール対応にかかる工数を削減し、より付加価値の高い業務へ集中する時間を創出します。
■このテンプレートをおすすめする方
- Gmailでの問い合わせ対応に多くの時間を費やしているカスタマーサポート担当者の方
- 定型的なメールへの返信業務を効率化し、コア業務に時間を割きたいと考えている方
- AIを活用して、メール返信の品質を維持しつつ業務を自動化したいと考えている方
■このテンプレートを使うメリット
- Gmailでメールを受信後、DeepSeekが自動で返信案を生成するため、一から文章を考える手間が省け、対応時間を短縮することができます。
- AIが一次返信案を作成することで、担当者による文章の質のばらつきを防ぎ、メール対応品質の標準化や業務の属人化解消に繋がります。
■フローボットの流れ
- はじめに、GmailとDeepSeekをYoomと連携します。
- 次に、トリガーでGmailを選択し、「特定のラベルのメールを受信したら」というアクションを設定し、起動のきっかけとしたいメールのラベルを指定します。
- 次に、オペレーションでDeepSeekを選択し、「テキストを生成」アクションを設定します。トリガーで受信したメール本文などを元に、返信文案を生成するようプロンプトを記述します。
- 最後に、オペレーションでGmailの「メールを送る」アクションを設定し、DeepSeekが生成したテキストを本文に含めてメールを送信します。
※「トリガー」:フロー起動のきっかけとなるアクション、「オペレーション」:トリガー起動後、フロー内で処理を行うアクション
■このワークフローのカスタムポイント
- Gmailでメールを送信するアクションでは、送信先(To, CC, BCC)を任意のアドレスに設定することが可能です。
- メールの件名や本文には、トリガーで受信したメールの件名や差出人、DeepSeekで生成したテキストなど、前のステップで取得した値を「変数」として埋め込めます。
■注意事項
- Gmail、DeepSeekのそれぞれとYoomを連携させてください。
- トリガーは5分、10分、15分、30分、60分の間隔で起動間隔を選択できます。
- プランによって最短の起動間隔が異なりますので、ご注意ください。
Chatworkで投稿された新しいメッセージをチャットボットが受け取り、DeepSeekでテキストを生成し返信する
試してみる
■概要
Chatworkでの問い合わせ対応や定型的なやり取りに、毎回手動で返信するのは手間がかかるのではないでしょうか?このワークフローを活用すれば、Chatworkで投稿された新しいメッセージをチャットボットが受け取るかのように、DeepSeekが適切なテキストを生成し自動で返信することが可能になります。これまで返信作業にかかっていた時間を短縮し、より重要な業務に集中できる環境を構築します。
■このテンプレートをおすすめする方
- Chatworkでの問い合わせ対応を自動化し、顧客満足度を向上させたいと考えている方
- DeepSeekを活用し、社内からの定型的な質問への返信を自動化したい情報システム担当者の方
- AIによるテキスト生成を取り入れ、コミュニケーション業務の効率化を目指すすべての方
■このテンプレートを使うメリット
- Chatworkの特定ルームへのメッセージ投稿をトリガーに、DeepSeekが自動で返信テキストを生成するため、定型的な返信作業の時間を短縮できます
- 手作業による返信内容のばらつきや、対応漏れといったヒューマンエラーを防ぎ、コミュニケーション品質の安定化に繋がります
■フローボットの流れ
- はじめに、ChatworkとDeepSeekをYoomと連携します
- 次に、トリガーでChatworkを選択し、「新しいメッセージがルームに投稿されたら」というアクションを設定します
- 次に、オペレーションでDeepSeekを選択し、「テキストを生成」アクションを設定して、受け取ったメッセージを元にした応答テキストを作成します
- 最後に、オペレーションで再度Chatworkを選択し、「メッセージを送る」アクションを設定し、DeepSeekが生成したテキストを対象のルームに投稿します
※「トリガー」:フロー起動のきっかけとなるアクション、「オペレーション」:トリガー起動後、フロー内で処理を行うアクション
■このワークフローのカスタムポイント
- Chatworkのトリガー設定では、どのルームのメッセージを監視対象とするか、任意のルームIDを指定してください
- DeepSeekのテキスト生成オペレーションでは、どのような役割や文脈でテキストを生成させたいか、任意のプロンプト(指示文)を設定してください
■注意事項
- DeepSeek、ChatworkのそれぞれとYoomを連携してください。
- トリガーは5分、10分、15分、30分、60分の間隔で起動間隔を選択できます。
- プランによって最短の起動間隔が異なりますので、ご注意ください。
🤔DeepSeekを実践検証!
今回は、DeepSeekの「推論能力」と「コストパフォーマンス」を検証するために、以下の2つを実際に試してみます。
検証内容
今回は、以下のような検証をしてみました!
検証①:複雑な論理パズルでの推論能力
【検証項目】
以下の項目で、検証していきます!
検証②:長文会議議事録の要約
【検証項目】
以下の項目で、検証していきます!
検証目的
高度な推論特化型モデル(DeepSeek-R1)による論理的思考力と、汎用処理モデル(DeepSeek-V3)による長文要約の実務適応性を、精度・速度・コストの観点から複合的に評価し、業務用途に応じたDeepSeekモデルの最適な使い分け指針を策定すること。
使用モデル
検証①:DeepSeek-R1
検証②:DeepSeek-V3
🔍検証①:複雑な論理パズルでの推論能力
ここからは、実際に検証した内容とその手順を解説します。
まずは実際の検証手順のあとに、それぞれの検証項目について紹介していきます!
検証方法
本検証では、回答に至るまでの思考プロセス(Chain of Thought)を表示できるDeepSeek-R1を使用し、論理的思考力が問われるパズルを解かせてみます。
プロンプト:
ある部屋に3人の神様(A, B, C)がいます。Aは常に真実を語り、Bは常に嘘をつき、Cはランダムに真実か嘘を語ります。あなたは3回だけ質問をすることができます(1回につき1人の神様に質問)。誰がA、B、Cかを特定するための質問と、その論理的プロセスを説明してください。
想定シーン
基幹システムの刷新など、膨大な条件が複雑に絡み合う要件定義の場面を想定します。
検証手順
ログイン後、こちらの画面が表示されるので、プロンプトを入力したら送信します。
6分で完了しました!(回答に至るまでの思考で、約6分。結果の提示は、1分以内。)
※パズルの難易度に応じて変動があります。また、API経由ではより高速なレスポンスが期待できます。
結果は以下のものとなりました。