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マーケティング担当者の皆さん、こんなお悩みはありませんか?
「新しい集客戦略を立てたいけど、競合調査や市場リサーチに時間がかかりすぎて、肝心の企画を練る時間がない…」
リサーチはすべての根幹になるため、時間がかかってしまうことは仕方ありませんが、効率化できるなら、それに越したことはないですよね。
そんなとき、GeminiやChatGPTなどに搭載されているAIリサーチ機能「Deep Research」を知った方も多いのではないでしょうか。
Deep Researchは単なる情報検索ではなく、まるで優秀なアシスタントのように、調査から分析、さらには戦略の提案までを自動で行ってくれます。
これを使えば、面倒なリサーチ業務から解放され、「判断と実行」という業務に時間を割けるようになります。
この記事では、「Deep Researchが集客戦略の武器になるのか?」という問いに答えるため、実際にマーケティングの現場を想定したシナリオでその実力を検証します。
リサーチ業務の効率化に課題を感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。
Deep Researchは、一言で言えば「自律的に調査計画を立てて実行する、超優秀なAIリサーチアシスタント」です。
GeminiやChatGPTでは無料プランでも利用できる機能で、ユーザーが投げかけた質問の意図を深く読み取り、Web上の膨大な情報から必要なデータを収集してレポートを生成します。
従来の生成AIを使ったチャットは、AIが持っている知識をただ返すだけだったものの、Deep Researchでは自律的に、質問(プロンプト)に対してどのように返答するかを考えるのが特徴です。
そして思考したプロセスに基づき、リアルタイムで更新される最新情報をときには数百件以上も調査・分析し、まとめた情報を提供します。

Deep Researchは、人間では不可能なスピードで網羅的な調査を行い、ファクトに基づいた解釈や提案まで行ってくれます。
ただし頻繁に利用するには、各生成AIの有料プランが必要になるなど、継続的なコストがかかる点には注意が必要です。
多くの場合、生成AIの利用プランに応じてDeep Researchを行える上限回数が決まっています。
例えばChatGPTの場合、月間で無料プランなら5回、Plusプランなら25回、Proプランなら250回が上限です(2025年11月時点)。
出典:OpenAI公式サイト
Deep Research機能を搭載した生成AIはいくつもあるため、どれを利用するか迷ってしまうこともあるかと思います。
そんな時は、以下の点を参考にしてみてください。
生成AIの中には、無料プランからDeep Research機能を利用できるものもあります。
ただしChatGPTやGeminiのように利用回数に制限があることが多いため、利用回数が増えるほどより高い料金のプランへの加入が必要。
そのため、利用コストを考えることが1つのポイントです。
また、生成AIそれぞれには得意分野があります。
例えば、Geminiは大量の情報を扱うことを得意にしているため、調査した結果をもとに網羅的なレポートの作成が得意です。
ChatGPTは調査した情報をわかりやすく要約し、見やすいレポートに成形することを得意にしています。
他にも、Microsoft Copilotのように、リアルタイムで更新されるウェブ上の調査を得意にしている生成AIもあります。
生成AIには、こうした性能の違いだけでなく、Deep Researchをする際に連携できるアプリの違いもあります。
Geminiなら無料プランでもさまざまなGoogleアプリと連携できますが、ChatGPTは無料プランだとGoogleアプリに連携できません。
そのため、特徴や連携できるアプリを理解した上で生成AIを選ぶことも重要です。
ちなみに本記事では、GeminiとChatGPT、GensparkのDeep Research機能を検証します。

※月額料金は2025年11月時点です。
出典:Google公式サイト/OpenAI公式サイト/Microsoft Copilot公式サイト/Genspark公式サイト
集客戦略の調査で生成AIを使う場合、どのように利用するかで結果が変わります。
Deep Researchを行うときも、使えるテクニックを知っておくことで、求めるレポートを作成しやすくなります。
【プロンプトテクニック】
どのように情報を提供するかが結果に影響を与えるため、上記の内容も参考にしてみてくださいね。
今回は、競合の集客戦略を調査し、そのうえで自社が取るべきアクションをレポート作成する状況を想定して、Deep Research機能の検証を行いました。
Gemini
ChatGPT
Genspark
検証するアウトプット:プロジェクト管理ツールの大手5社が利用している集客戦略を調査し、レポートを作成する
検証内容1:Geminiでの通常調査とDeep Research機能の出力結果を比較する
検証内容2:Gemini、ChatGPT、GensparkのDeep Research機能の出力結果を比較する
検証項目:以下の3点を検証項目とする
ここから、実際に検証した手順をご紹介します。
1.Geminiのアカウントにログイン
右上の「ログイン」をクリックし、任意のアカウントでログインをします。

2.モデルの設定
Geminiにログインしたら、Deep Researchを行うモデルをプルダウンから選択します。

3.Deep Researchを選択
入力欄の「ツール」から「Deep Research」を選択します。
自社データなどの内部情報を利用する際は、入力欄の「+」マークから追加してくださいね。

4.プロンプトを入力して調査開始
今回は、以下のプロンプトを入力しました。
【プロンプト】
プロジェクト管理ツールの大手5社が利用している集客戦略を調査してください。
【含めるべき項目】
【出力のポイント】

入力欄の右下の右矢印をクリックすると、以下の画面が表示されます。
「リサーチを開始」をクリックして調査を開始します。
1.アカウントにログインしてモデルを選択します。

2.プロンプトを入力して調査開始
先ほどと同じプロンプトを入力し、右矢印をクリックしてリサーチ開始です。

1.ChatGPTアカウントにログイン

2.ChatGPTのモデルを選択。

3.Deep Researchを選択
入力欄の「+」マークから「Deep Research」を選択します。
参照ファイルがある場合は、「写真とファイルを追加」から追加しましょう。

4.プロンプトを入力して調査開始
これまでと同じプロンプトを設定して調査を開始します。

開始すると質問が返ってきたため、以下のように指示を追加して調査を開始しました。

1.Gensparkのアカウントにログイン

2.ディープリサーチを選択
「+」マークから「ディープリサーチ」を選択します。

ファイルを添付する場合は、入力欄のクリップマークから行ってください。

3.プロンプトを入力して調査開始
これまでと同じプロンプトを設定して調査を開始します。

Geminiの通常調査とDeep Research機能の出力結果は、以下のようになりました。
出力が長いため、表・参考資料の箇所に絞ってご紹介します。
【Gemini 通常調査】


【Gemini Deep Research】


Geminiの通常調査とDeep Research機能の出力を「作成時間」「情報の信頼性」「情報」の3点で比較すると以下のようになります。

Deep Researchは、もともと数分〜数10分かかる機能のため、作成時間は予想通り通常調査の方が圧倒的に短い結果になりました。
情報の信頼性という観点では、参照したリンクの新鮮度合いに大きな差はないものの調査数に大きな差がでました。
特に通常調査ではURLの掲載を省いてしまっているので、情報の信頼性はDeep Researchの方が圧倒的に高いです。
また、情報量を比較するとDeep Researchは通常調査の3倍以上。
レポートの内容も網羅的かつ詳細な内容になっています。
Geminiの通常調査だけでDeep Researchと同等のレポートを作成するには、何度もチャットを繰り返し、結果をまとめる必要があります。
こうした点を踏まえると、Deep Researchは作成時間が多少長くなっても、結果的にレポート作成の業務を効率化できるでしょう。
ChatGPTとGensparkでDeep Research機能を使い、同じプロンプトでレポート作成を行った結果、以下のようになりました。
【ChatGPT Deep Research】
ChatGPTは、プロンプトを送信後に質問が返ってきたため、以下のように回答してリサーチが始まりました。

結果はを一部抜粋して掲載します。


【Genspark ディープリサーチ】


3つの生成AIのDeep Research機能を「作成時間」「情報の信頼性」「情報量」の3点で比較すると以下のようになります。

網羅的かつ信頼性の高いレポートを作成したい場合は、GeminiのDeep Research機能をおすすめします。
他の生成AIと比べて同等または短い作成時間で、より多くの情報を参照し、より多くの情報量でレポートを作成してくれるためです。
また作成されたレポートは、各項目が詳細に記載されており構成も整っている点もポイント。
ファクトチェック後にそのまま会議資料としてもしやすいと思います。
情報量はGeminiとChatGPTに見劣りしてしまいますが、参照しているリンク情報は最も新しい点が特徴です。
またChatGPTと比べて調査数や引用数も3倍近く多いため、情報の信頼性は最も担保されています。
最新情報を重視するレポートを作成するときは、Gensparkがおすすめです。
ChatGPTは、作成時間が長く参照したページは少ないもののプロンプトで指示した内容だけを詳細にまとめてくれました。
作成してほしいレポートの内容が明確なら、ChatGPTのDeep Research機能をおすすめします。
2つの検証結果をまとめると、以下のようになります。
【Deep Researchと通常調査の比較】

【生成AIの比較】

生成AIを使った通常の調査とDeep Researchを比較すると、Deep Researchの方が信頼性が高く詳細なサポートを効率的に作成できることがわかりました。
これまで生成AIと対話を繰り返しながら作成していた方は、プロンプトを1度送信するだけで数分〜数10分後には情報が整理されたレポートを取得できるようになります。
一方で生成AIを使った通常の調査は、即時的な回答を得意にしているため、簡単な質問のときは依然として有用性が高いです。
Deep Research機能は、リサーチ業務を効率化してくれますが、利用する生成AIにより特徴が異なります。
網羅的な調査ならGemini、特定の情報をピンポイントで深堀りしたいならChatGPT、最新情報を重視するならGensparkがおすすめです。
Deep Researchを行うときは、こうした生成AIの特徴を踏まえて利用しましょう。
Deep Research機能は、具体的なプロンプトを与えることで、約5分で8,500字もの詳細な競合分析レポートを作成できました。
これにより、ウェブ検索によるリサーチや生成AIのチャットを利用したリサーチよりも、さらなる業務の効率化を図れます。
また、リサーチの効率化に加えて、情報源が明記された質の高いレポートを短時間で得られる点も大きな魅力ではないでしょうか。
ただし、生成には数分〜数10分を要するため、AIと対話しながら思考を深める使い方よりも、腰を据えた調査に向いています。
リサーチ業務を効率化したいマーケターや事業企画担当者の方は、ぜひ一度その調査・分析力を試してみてくださいね。
またYoomを利用することで、GeminiやChatGPTなど、さまざまな生成AIを使った業務を自動化できます。
生成AIを利用して様々な業務を効率化したい方は、ぜひチェックしてみてください。
[Yoomとは]

