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海外のSaaSトレンドや最新技術情報をリサーチする際、「英語の壁」と「情報の整理・共有の手間」に悩まされていませんか?
Googleが提供する「NotebookLM」は、単なる翻訳ツールではなく、アップロードした資料(PDFなど)を根拠にしながら、翻訳・要約を行えるAIリサーチ支援ツールです。要約結果には引用(参照)を付けられるため、「その情報がどこに書かれているか」を確認しやすいのも特徴です。
本記事では、英語のホワイトペーパー(約30ページ)を含む複数のPDFを使い、重要トレンドと裏付けとなる数値を「日本語で」抽出できるかを検証します。あわせて、ChatGPTでも同じ条件で比較し、要約の一貫性や専門用語の訳し方、出典の追いやすさにどの程度差が出るのかも見ていきます。
さらに、翻訳・要約した情報をSlackやNotionへ共有するところまでを想定し、リサーチ〜社内共有の流れをどこまで効率化できるのか、具体的に確認していきましょう。
✍️そもそもNotebookLMとは
本記事の想定読者
本記事は、以下のような課題やニーズをお持ちの方を対象としています。
NotebookLMとは
NotebookLMは、Googleが開発した「AI搭載の情報整理・リサーチ支援ツール」です。最大の特徴は、ユーザーがアップロードした資料(ソース)のみを情報の根拠とする「ソースグラウンド(Source-grounding)」という仕組みです。
一般的な生成AIは、学習データ全体をもとに回答を生成します。一方、NotebookLMは「あなたが渡した資料」の中身に基づいて回答するため、もっともらしい嘘(ハルシネーション)をつくリスクが極めて低い点が強みです。
【主なスペックと特徴】
いわば「あなた専用の超人的な記憶力を持つ司書」のように、膨大な資料の中から必要な情報を日本語で的確に提示してくれるツールです。
🤔【翻訳・要約性能は?】NotebookLMを実際に使ってみた!
ここでは、英語で書かれた海外テック系ホワイトペーパー(PDF)を使い、「重要トレンド+裏付け数値を日本語で抽出」できるかを検証します。
ポイントは、NotebookLMの強みであるソースに根拠づけた回答(引用付き)が、翻訳・要約でも機能するかどうかです。前提条件
検証についての細かいシナリオなどをお伝えします。
検証シナリオ
想定されるユースケース
英語で書かれた数十ページの業界レポートから、重要なトレンドと数値を日本語で抽出する。特に「結論だけでなく、根拠の数値(どこに書いてあるか)も一緒に押さえたい」ケースを想定します。検証で使うプロンプト
このレポートの主要なトレンドを3つ挙げ、それぞれの裏付けとなる数値を引用しながら日本語で要約してください。検証条件
なお、今回は追加検証として同じシナリオをChatGPTでも行って比較してみたいと思います。ツールの特徴に合わせた検証項目
検証で使用する3つのPDFは以下のものです。
それぞれのページからPDFをダウンロードしておきます。
NotebookLMを開きログインしたら「ノートブックを新規作成」してください。
ページを開くと、ソースを入力する画面が開くのであらかじめダウンロードしておいた3つのPDFを入れます。
すべて反映されると、画面左側にチェックがついてソースが読み込まれます。
ここまでできたら後はプロンプトを入力するだけです!
10秒と待たずに結果が出力されました。
このタイミングでChatGPTでも同じ検証を行っておきましょう。そのあとに引用の確認などを行います。
まずこの時点で、PDFを読み込むまでの時間がNotebookLMと比べてかかったように感じました。
30秒ほど待って、結果が出力されました。
では、それぞれ結果を見てみましょう!
検証結果
NotebookLMとChatGPTでそれぞれ同じ検証を行ったのでまずはざっくりと比べてみました。
このうえで、以下の3つのポイントを比較してみます。
まずはNotebookLMです。
右側ハイライトの部分の引用が左の紫のハイライト部分です。
① 全体の文脈を理解した要約になっているか
NotebookLMの要約は、各章の内容を単純に並べたものではなく、レポート全体を貫く文脈を整理した構成になっています。「プラットフォーム化」「生成AIによるデータ利用」「クリエイティブ労働の不安定化」といった論点が、大きな流れとしてまとめられており、章ごとの寄せ集め感はほとんどありません。
② 専門用語が自然な日本語に訳されているか
専門用語は意味を保ったまま自然な日本語に訳されており、直訳による不自然さは見られません。
「プラットフォーム化」「GAFAM」などの用語も一貫して使われており、用語のブレは少ない印象です。
③ 引用元のページへ正しく参照できるか
要約内の数値や主張には引用番号が付いており、原文の該当箇所をすぐに確認できる構造になっています。
このため、内容の裏付けを取りながら読み進めることができ、検証用途との相性が高いと言えます。
続いてChatGPTです。こちらは引用というかたちではなく出典のリンクが貼られておりダウンロードできる状態になっていました。
① 全体の文脈を理解した要約になっているか
ChatGPTの要約は、複数のレポート内容を横断しながら、共通する構造的なトレンドとして再整理されています。
章ごとの内容をそのまま要約するのではなく、「データ規模の拡大と集中化」といった抽象度の高い切り口でまとめられており、文脈の一貫性は保たれています。一方で、元レポート固有の問題意識はやや薄まりやすい印象もあります。
② 専門用語が自然な日本語に訳されているか
日本語表現は全体的に読みやすく、直訳による破綻はほとんどありません。
ただし、概念を補足・言い換えしながら説明する傾向があり、NotebookLMと比べると、原文の用語や定義から一段抽象化されている場面が見られます。
③ 引用元のページへ正しく参照できるか
数値や出典は提示されているものの、原文のどの箇所に対応しているかを直接確認する手段は限定的です。
このため、「その数値がどこから来たのか」を検証する場合は、別途原文を探しに行く必要があります。
③について具体性に欠けたので、さらに以下のプロンプトを投げてみました。
アップロードされている複数のレポートの中から、 以下の数値・主張の出典となっている文書と原文箇所を特定してください。 それぞれ、どのレポートのどの部分かを明示してください。
するとPDFに書かれた具体的な内容が返ってきました。引用としては文章がやや間延びしており読むのに大変な印象でした。
一方、ChatGPTは複数資料を横断して全体像を分かりやすく再構成する点に優れており、日本語としても読みやすい要約が得られました。ただし、数値の出典を確認するには追加のプロンプトが必要で、検証用途ではやや手間がかかる印象です。
用途としては、
といった使い分けが現実的だと感じました。
失敗したことやポイントとしては、ChatGPTで出典確認を試みたところ、原文箇所は特定できたものの、引用文が長くなりがちで、読む側の負担が大きいと感じました。
また、数値と主張の対応関係を自分で整理し直す必要があり、「根拠を素早く確認したい」場面では不向きです。
一方NotebookLMでは、プロンプトを工夫しなくても引用付きで結果が返ってくるため、検証の手間がほとんど発生しませんでした。
翻訳・要約・根拠確認までを一気に行いたい場合、ツール設計そのものが作業効率に大きく影響することを実感しました。
🖊️まとめ
本記事では、NotebookLMを使って英語のホワイトペーパーを翻訳・要約し、内容を正確に把握できるかを検証してきました。実際に使ってみると、文脈を踏まえた要約や、数値の根拠を確認しやすい点は、海外情報を扱う業務において大きな助けになると感じます。一方で、情報を理解するだけでは業務は完結せず、「どう共有し、どう活用するか」まで考えることが重要です。
そこで役立つのがYoomです。Yoomを使えば、NotebookLMで整理した情報を、SlackやNotionなどのツールへスムーズに連携し、社内で活かす流れを簡単に作れます。専門的な知識がなくても使えるノーコード・プログラミング不要の設計なので、誰でも無理なく業務に取り入れられるのも魅力です。
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出典