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商談が終わったあと、議事録の作成や上司への報告業務に追われて、本来やるべき営業活動の時間が削られていませんか?
ただ会話を記録するだけでなく、そこから「次の一手」を導き出すのは、非常に骨の折れる作業です。
そこで今回は、高い推論能力を持つと話題のAI、Grokに注目しました。
主語が抜けた乱雑なメモの整理や、建前と本音が入り混じる複雑な会話の分析など、定番のChatGPTと比較しながらその実力を徹底的に検証していきます。
Grokはビジネスにおける商談の要約業務をどこまで効率化できるのでしょうか?
実際に使って分かった特性と、明日から使える賢い使い分けのポイントを詳しく解説します!
この記事は、以下のような課題や関心をお持ちの方々に特に役立つ内容となっています。
例えば、商談に向かう直前の電車内で訪問先企業の最近の動きやSNS上での評判をさっと把握したい場面でも、Grokなら比較的新しい投稿を含めて検索し、要点をまとめて確認できます。
ハイパーオートメーションツール「Yoom」では、会議や商談後の様々な業務を自動化できます。たとえば今回の検証テーマのように、AIが要約した文章をそのまま他のSaaSツールへ連携するなどといった業務の効率化が可能です。気になる方はぜひチェックしてみてくださいね👀
ここからは、GrokとChatGPTを実際に使いながら、ビジネスシーンでの実力を検証していきます。
特に商談準備や議事録の要約といった業務において、どちらがどのように役立つのか、実際の使い心地や手触り感をもとにお伝えします。
今回の検証では、以下のツール・モデルを使用しています。
Grok:Grok4.1 Thinking(SuperGrok)
ChatGPT:ChatGPT5.2 Auto(Plus)
利用シナリオ案1:「主語なし・脱線あり」の乱雑な会話ログからのToDo抽出
想定されるユースケース:上司と部下の口頭ミーティングを文字起こしした、指示語(あれ、それ)や余談が多いテキストから、チーム共有用の「決定事項」と「ネクストアクション」を構造化する。
検証項目:
文脈補完と主語の特定:「あれ」「それ」が指す内容や、省略された担当者を前後の文脈から正しく推測し、補完できているか。
情報の構造化精度:時系列がバラバラの会話から、ノイズ(雑談)を除去し、「決定事項」と「タスク」を明確に分類できているか。
状況に応じた推論:「担当者が休み」などの文脈を読み取り、単に「連絡する」だけでなく「チャットを残しておく」といった、現実的で気の利いたアクションに落とし込めているか。
検証シナリオ案2:「建前と本音」を可視化する商談要約
想定されるユースケース:顧客が口では「前向きに検討します」と言いつつ、実際は断る理由を探しているようなケース。上司への報告用に「会話そのものの要約(事実)」と、そこからAIが読み取った「顧客の真意(推論)」を左右に対比させた、要約を作成する。
検証項目:
事実の正確な要約:まずは基本機能として、会話の流れや表面上の合意事項を、情報の抜け漏れなく簡潔な日本語で「要約」できているか
発言の裏読みと意訳:「持ち帰って検討します」を単にそのまま要約せず、文脈から「決裁権がないため即決できない」といった真意に変換・要約できているか
懸念払拭のアクション提案:表面的な会話だけでなく、読み取った本音ベースで、受注率を1%でも上げるための現実的なネクストアクションを提案できているか。
会議中、急いでメモを取ると「あれをやっておいて」のような走り書きになりがちです。 後で見返したとき、文脈が思い出せず「結局、誰がいつまでに何をやるんだっけ?」と頭を抱えた経験はありませんか?
そこで今回は、あえて主語や目的語が抜けた「乱雑な会話ログ」を用意しました。 ChatGPTとGrokに同じログを読み込ませ、どちらが文脈を読み取り、「使える議事録」へ仕上げてくれるのかを検証します。
使用する商談ログ:今回使用するテキストは、架空のIT企業で行われた社内ミーティングの文字起こしです。
ログ内には、指示の二転三転や担当者の不在によるタスクのたらい回しなど、実際のビジネス現場で起こりがちなトラブルが散りばめられています。言葉通りの意味とは異なる「皮肉」も含まれており、単なる要約ではなく、文脈の裏側にある真意まで読み取れるかが問われる素材となっています。
【実際に使ったプロンプトは以下です】
あなたは優秀なプロジェクトマネージャー兼秘書です。
以下の「商談ログ」を読み込み、欠席したメンバーにも共有できる【実用的な議事録】を作成してください。
## 出力項目
1. **決定事項(Decisions)** - 本会議で確定した結論のみを簡潔に記載してください。
2. **ネクストアクション(ToDoリスト)** - 以下の形式で表(テーブル)にまとめてください。 | 担当者 | 期限 | タスク内容 | - 誰が何をするのか、責任の所在を明確にしてください。
3. **特記事項・リスク** - その他、プロジェクト進行上で留意すべき点や、共有すべき課題があれば記載してください。
## 商談ログ
(ここに商談ログを貼り付ける)
では、さっそく検証していきましょう!まずはGrokから検証していきます。先ほど準備したプロンプトを入力すると、以下のように出力してくれました。
出力されたドラフトを読んでみましたが、複雑な文脈を丁寧に解きほぐした、非常に堅実な仕事ぶりだなという印象です。指示された内容を漏らさず拾い上げ、ロジックの破綻を防いだ点は高く評価できますが、情報の重要度に関わらず全てを律儀に拾っています。
普段は論理的で隙のない仕事をこなす優等生タイプですが、指示が二転三転し、皮肉や不在者が入り乱れる状況を、どのように整理してくれるのでしょうか?
ChatGPTは情報の整理やフォーマット化には非常に長けていますが、文脈や人間関係の機微を読み取る点においては課題が残りました。
まず、要点をまとめる力はさすがです。
二転三転した提案書の構成についても、最終的な決定事項であるセキュリティを冒頭に置くという点を的確に抜き出しており、議事録としての体裁はきちんと整っています。
一方で、部下が対応すべき空調確認という実務タスクを、誤って部長自身のタスクとして処理してしまうミスが見受けられました。
また、発言に含まれる皮肉を言葉通りに受け取ってしまい、その裏にあるリスクを検知できなかった点も、Grokと比較した際の明確な違いです。
情報を整理して形にするまとめ役としてはChatGPTが安定していますが、人間関係を踏まえた文脈の読み取りでは、今回の検証ではGrokのほうが一歩リードしているように感じました。
【実際に使ったプロンプトは以下です】
あなたは百戦錬磨の営業マネージャーです。
部下の菊池が、顧客である田中様との商談ログを持ってきました。 このログを分析し、以下の3つの項目で構成された「戦略的商談レポート」を作成してください。
前提条件
顧客は日本的な建前(社交辞令)を多用しており、口では肯定していても、内心では拒絶や懸念を抱いている可能性があります。 言葉通りに受け取らず、文脈や言い回し、会話の間から顧客の真意を深く読み解いてください。
出力フォーマット
1. 表面的な事実の要約
会話の流れと、口頭で話された内容(建前)を、情報の抜け漏れなく簡潔に要約してください。
2. 顧客の本音と真の懸念(裏読み)
顧客の発言を分析し、その裏にある本音を推論してください。 特に「検討します」「部長が…」といった発言の裏に隠された、成約を阻む本当の障壁(予算、決裁権、現状維持バイアスなど)を具体的に指摘してください。
3. 懸念を払拭する次の一手
表面的な追客メールを送るのではなく、項目2で特定した本音(障壁)を崩すための、現実的かつ戦略的なアクションプランを提案してください。
商談ログ
(ここに商談ログを貼り付ける)
さっそく、Grokから検証していきしょう。
先ほどと同じように、プロンプトをGrokに入力します。
すると、以下のように出力してくれました。
出力されたドラフトを読みましたが、、かなり攻撃的な内容になった印象です。
裏読みの鋭さは認めますが、AI特有の極端な解釈が目立ち、そのまま実務で使うにはリスク管理の面で不安が残る結果となりました。
Grokの深読みする推論力がよく見えてきたので、再びChatGPTにも全く同じ商談ログとプロンプトを試してみました。
建前と本音が複雑に入り混じる日本的な商談のログを、どのように解釈してくれるのでしょうか。
文章構成は整っており、会議の表面的な内容を記録するツールとしては十分な品質です。Grokよりもクセがなく、誰が読んでも理解しやすい議事録になっています。
しかし、本音の分析には課題が残りました。
Grokが個人的には入れたいという発言を断りのクッションと判断したのに対し、ChatGPTは導入を希望していると肯定的に解釈しています。言葉の裏にあるニュアンスまでは拾えていません。
その結果、提案されたアクションもタイミング調整や資料準備といった受け身な内容に留まりました。
この分析を信じて待ちの姿勢をとれば、そのまま失注するリスクが高く、高度な裏読みが求められる商談の参謀としては不向きな結果となりました。
今回の検証で面白かったのは、同じ商談ログを読ませてもGrokとChatGPTがまったく違う受け取り方をしたところでした。
Grokは、かなり踏み込んでくるタイプです。
顧客のあいまいな言い回しからリスクを感じ取る力は、営業の現場にいる人の感覚に近いなと感じました。
ただその分、こちらが求めていない失注確率を出してきたり、少し強気すぎる打ち手を提案したりする場面もあります。アイデアを広げるには頼もしいですが、実務で使うなら一度人の目で確認したほうが安心です。
一方のChatGPTは、終始落ち着いたまとめ役という印象でした。
話の流れを整理したり、要点をわかりやすくまとめたりするのは得意ですが、商談の空気感や微妙な違和感までは拾いきれないこともあります。
どちらも万能ではないからこそ、役割を分けて付き合うのが、いちばん現場向きな使い方かもしれません。
今回の検証で浮き彫りになったのは、入力された情報を疑わないChatGPTと、裏側を読みすぎて暴走するGrokという決定的なスタンスの違いです。
ChatGPTは、乱雑な会議ログでも商談の建前でも、書かれた言葉を忠実に処理しようとしました。
嘘をつかない安心感はありますが、行間にあるリスクや真意には気づけません。 対してGrokは、常に言葉の裏側を推測する姿勢が一貫していました。
商談の拒絶サインを見抜く鋭さは武器ですが、存在しない数値をでっち上げるような危うさと表裏一体です。
実際に使ってみると、日々の定型業務や正確さを重視したい場面ではChatGPT、アイデアを広げたいときや仮説を考えるときはGrok、という使い分けがしっくりきました。
今回の検証で作成した議事録や分析レポートを、Slackへ自動で通知したり、データベースに登録したりできたら便利だと思いませんか?
Yoomは、ChatGPTなどのAIや、普段使っているツールを連携させて、日々の定型業務をノーコードで自動化できるツールです。
興味のある方は、ぜひチェックしてみてくださいね!