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Microsoft ExcelやGoogle スプレッドシートの業務において、多くの人が頭を悩ませてきた「複雑な関数」。
これまでは、分厚い参考書を読んだり、熟練者の数式を解読したりするのが当たり前でした。しかし「Claude」の登場によって、その常識は、大きく変わりつつあります。
今回は、無料版のClaudeを活用して、やりたいことを日本語で伝えるだけで関数を生成し、業務を効率化する方法を解説します。
「あの関数、どうやって書くんだっけ…」と、Google検索の海をさまよう時間はもう終わりにしましょう!
これまでのMicrosoft Excel活用は、「VLOOKUP関数の引数の順番は…」といった暗記や、ネスト(関数の入れ子)の構造を理解することがスキルの証明でした。
しかし、Claudeは、人間の言葉を非常に高い精度で理解します。
たとえば、「A列のIDをキーにして、別シートのマスターから価格を持ってきて。もしデータがなければ『要確認』と表示して」というように、部下に指示を出すような感覚で伝えるだけで、複雑なエラー処理を含めた数式を数秒で出力してくれます。
つまり、もはや私たちは「書き方」を細かく覚え続ける必要はなく、AIに「何をしたいか」を正しく伝える能力さえあれば十分であると言えるのです。
非常に便利なClaudeですが、利用する際にはいくつか気をつけたいポイントもあります。
まず、無料版には1日のメッセージ送信回数に制限があります。
複雑な検証を何度も繰り返すと制限に達してしまうことがあるため、一度の指示でなるべく具体的に伝えるのが効率的です。数時間(通常4〜5時間)ごとにリセットされますが、注意して使用しましょう。
また、機密性の高い業務データをそのままAIに送信することはセキュリティ上推奨されません。個人名や具体的な企業名は伏せるか、ダミーデータ(「A列には顧客名が入っています」などの説明のみ)を使って相談するのが安全です。
AIが優れた関数を作ってくれても、そのデータを手動でコピペし続けるのは非効率ですよね。
そこで便利なのが「Yoom」です!
Yoomを使えば、Microsoft Excelへのデータ入力を自動化したり、入力されたデータをClaudeで自動分析したりする一連の流れを、ノーコードで構築できます。
「まずは手軽に自動化を体験してみたい!」という方は、以下のテンプレートを活用してみてください。
Yoomにはさまざまな業務フローを想定したテンプレートが豊富に用意されており、テンプレートは自由にカスタマイズすることも可能です。
ぜひ自社の業務に近いテンプレートを活用して、最適な自動化フローを構築してみてくださいね!
今回は、Claudeの関数作成力を検証すべく、2つの検証を行いました!
それでは、さっそく検証を始めていきます!
まずは、Microsoft Excelにおいて「多条件検索」の関数をどこまで正確に作成できるかを検証します!
複数の条件を組み合わせて必要な情報を瞬時に導き出す「多条件検索」は非常に便利ですが、複雑な条件になればなるほど、人間が自力で正確な数式を組み上げるには多大な時間と集中力を要しますよね。
もし、Claudeに条件を伝えるだけで最適な関数が生成され、あとは「コピー&ペースト」するだけで完了するならば、作業時間はグッと削減できます。
つまり、単なる事務作業の枠を超え、業務全体の効率化や生産性の向上に寄与することが期待できるわけです。
今回は、検証用に下図のようなファイルを用意し、「商品名」と「サイズ」の2条件に合致する「単価」を抽出する関数の作成を依頼しました。
1.設定内容を確認する
Claudeを開き、使用モデルを「Sonnet 4.5」に設定します。
2.プロンプトの送信
プロンプト(指示内容)をチャット欄に入力し、検証用に用意しておいたMicrosoft Excelのファイルを添付して送信します。
《参考:検証に使用したプロンプト》
添付のデータ構造において、E2とF2の条件に合致するC列の値を求めたいです。
【データ範囲】A2:C13(1行目は見出し) 【条件1】A列 = E2 【条件2】B列 = F2
以下の3つのパターンで数式を提示してください。
なお、出力形式は1クリックで関数をコピペできる状態で出力してください。
1.XLOOKUP を使ったスマートな方法
2.FILTER 関数を使った、複数ヒットにも対応できる方法
3.INDEX と MATCH を組み合わせた、旧バージョンでも動く方法それぞれのメリットも併せて解説してください。
ただし、以下の条件を考慮してください。・検索値(E2, F2)が空欄の場合は、エラーではなく「入力してください」と表示する。・該当するデータがない場合は「該当なし」と表示する。
・IF関数や IFERROR 関数を組み合わせて、実務でそのまま使える数式にしてください。
【★Tips】ファイルの添付方法
チャット欄の左側にある「+」マークを押すと、メニューが表示されます。
表示されたメニューの中から「ファイルまたは写真を追加」を選択すると、ファイルを添付できますよ!
3.出力結果の確認
およそ40秒程度で全ての結果が出力されました!
※下図は出力結果の一部になります。
出力された関数を、実際にMicrosoft Excelのシートへコピペで貼り付けてみましょう!
まずは「1. XLOOKUP を使ったスマートな方法」を貼り付けてみます。
ちなみに、生成された関数は1クリックでコピーできる形式で出力されているので、時短にもなり嬉しいポイントでした!
実際にシートへ貼り付けてみると、範囲指定も問題なく、特に手直しをする必要はありませんでした。
プロンプトで指定した通り、「E2」「F2」が空欄の場合は、「検索結果」には「入力してください」と表示されていますね!
次に、「検索(商品名)」に「パーカー」、「検索(サイズ)」に「M」と入力して条件を指定してみました。
こちらも問題なく、「3500」と正しく検索が行えています。
「検索結果」に「該当なし」と出力され、問題なく機能していることが確認できました。
同様に、「2. FILTER 関数を使った複数ヒット対応方法」、「補足: 単一値のみ取得したい場合は以下の式も可能です」、「3. INDEXとMATCHを組み合わせた旧バージョン対応方法」と、出力された結果を全て試してみましたが、どれも問題なく機能することが確認できました。
※FILTER関数は利用可能なExcelバージョン(Microsoft 365など)が限定されるため、使用する際は利用可能なバージョンであるかを確認してください。
4.検証結果
今回の検証ポイントは以下の通りです。
【検証ポイント】
《検証ポイントを踏まえた各評価》
評価にある通り、「絶対参照の適切さ」が欠ける結果となりました。
そのため、さらに精度を高めるために、以下の一文をプロンプトに加えて改めて追加検証してみました!
《プロンプトに追加した一文》
他のセルに数式をコピーしても範囲がズレないよう、範囲指定には絶対参照を使用してください。
「絶対参照」という具体的な制約を1文加えただけで、Claudeの出力はグッと実用的なものになりました!
例えば、単に A2:C13 と指定するのではなく、$A$2:$C$13 と正しく固定した数式を出力しています。
これにより、数式を下の行へコピーした際に「検索範囲が1行ずつズレてしまい、本来あるはずのデータが見つからない…」という、初心者が陥りやすいミスを未然に防げる対策がなされています。
この挙動から、Claudeは単に関数を知っているだけでなく、「数式は後でコピーして再利用されるもの」という実務の定石を理解していることが窺えます。
言語化された細かな指示を汲み取り、ユーザーが後から手直しする必要のない「完成品」を提供できるその精度は、「頼もしいパートナー」になると期待できます。
続いて、Google スプレッドシートで「GOOGLETRANSLATE関数」を使い、A列の日本語をC列に一括で英語翻訳する仕組みを構築できるのかを検証しました!
一度設定すれば、あとは特定の列に新しい日本語を追加するだけで、自動的に翻訳結果が表示されるため、その都度数式を書き直す手間がありません。
メンテナンスの手間を削減しながら、翻訳作業のスピードアップに繋がる点がポイントです!
今回は、検証用に下図のようなシートを用意し、A列に追加された日本語の翻訳結果をC列に出力する関数が生成できるのかを検証します。
※注意:データ件数が数百件を超える場合、Google側のAPI制限(短時間のリクエスト制限)により、一部のセルが翻訳されずに「Loading...」のまま止まったり、「#VALUE!」エラーが出たりすることがあります。その場合は、一度に全ての数式を入力せず、数回に分けて数式を適用するか、翻訳が完了した後に「値として貼り付け」を行って確定させるのが、実務で安定して使うためのコツです。
1.設定内容を確認する
【検証1】と同様に、「Sonnet 4.5」のモデルを使用します。
2.プロンプトの送信
プロンプト(指示内容)をチャット欄に入力し、検証用に用意しておいたGoogle スプレッドシートのファイル(Excel形式でダウンロードしたもの)を添付して送信します。
《参考:検証に使用したプロンプト》
以下の条件で、添付のGoogle スプレッドシート専用の翻訳数式を作成してください。
1. やりたいこと A列(A2:A)にある日本語のリストを、C列(C2)で英語(en)に一括翻訳したいです。
2. 技術的な制約(重要) GOOGLETRANSLATE 関数は ARRAYFORMULA では正しくループ処理できない(全行同じ結果になる)制約があるため、MAP 関数と LAMBDA 関数を組み合わせた最新の配列数式で作成してください。
3. 数式へのリクエスト(実務仕様)4. 出力内容
- 一括適用: C2セルに1つ入力するだけで、A列の最終行まで自動で適用されるようにしてください。
- 空欄処理: A列が空の場合は、翻訳を実行せず空白を返す処理(IF関数)を数式内に含めてください。
- 範囲指定: A2:A のように、データが増えても自動追従する形式にしてください。
- エラー対策: 万が一の翻訳エラー時に「#VALUE!」などが出ないよう IFERROR でラップしてください。
- C2セルに貼り付ける「完成した数式」を提示してください。
- 数式を貼り付ける前に「C列の下のセルを空にする必要がある」などの注意点があれば併記してください。
3.出力結果の確認
およそ15秒程度で全ての結果が出力されました!
生成された関数を、実際にGoogle スプレッドシートに貼り付けてみます。
こちらも1クリックでコピーできる形式で出力されているので、時短にもなり、使い勝手が良いなと感じました!
貼り付けてみると、範囲指定も問題はなく、特に手直しする必要はありませんでした。
「A列」に入力しているそれぞれの日本語に対する翻訳結果が、C列に反映されていますね!
試しに「A列」に日本語を追加してみると、瞬時に「C列」に翻訳結果が出力されました。
4.検証結果
今回の検証ポイントは以下の通りです。
【検証ポイント】
《検証ポイントを踏まえた各評価》
Google スプレッドシート特有の仕様と制約を理解し、実務においても戦力となる精度の高い回答を提示できていると評価できます。
特筆すべきは、「GOOGLETRANSLATE関数がARRAYFORMULA内では正しくループしない」という、プロでも陥りやすい技術的制約を正確に理解した上で回答している点です。
これに対し、MAPとLAMBDAを組み合わせることで各行を独立して処理させるという、現状のGoogle スプレッドシートにおける最適解を導き出していると言えます。
また、単に翻訳を行うだけでなく、IF関数による空欄処理やIFERRORによるエラー回避、さらにはA2:Aのような動的な範囲指定まで、指示された要件がすべて一つの数式に統合されています。
さらに、数式展開を妨げる既存データの削除を促すなど、ユーザーが直面する可能性のある「#REF!」エラーを未然に防ぐ配慮もされており、単なるコード生成にとどまらない質の高いアシストを実現してくれています。
複雑な配列数式を正確に構築し、ユーザーの利便性を最大化できる高度な能力が証明されました。
AIは指示がない限り、シンプルな相対参照(A2:A13など)を出力する傾向があります。
「他のセルにコピーしても範囲がズレないよう、絶対参照($マーク)を使用してください」と一言添えるだけで、実務レベルの数式を引き出せるようになります。
AIに丸投げするのではなく、あえて使用する関数を指定することで、やり直しの手間を削減できます。
たとえば、Microsoft Excelなら「VLOOKUPではなく、XLOOKUPを指定」したり、Google スプレッドシートなら「ARRAYFORMULAではなく、MAP+LAMBDAを指定」するといった方法です。
このひと手間をプロンプトに加えるだけで、古い手法を提示されることによるタイムロスを防げます。また、Google スプレッドシートの翻訳などAPIを利用する関数の場合は、「100行ずつなど分割して処理する前提の数式にして」と指示に加えることで、Google側の制限によるエラーも回避しやすくなります。
抽象的な指示は、AIに「仮の数式」を作らせる原因になるため、「A2:A13にデータ、E2とF2に検索条件がある」といったように、セルの番地を具体的に伝えましょう。
また、「データがない行は処理せず空白を返す」という条件を加えることで、シート全体がエラー表示で埋まるのを防ぐことができます。
以上を踏まえ、プロンプト作成にかかる手間を削減する、時短テンプレートを用意してみました!
Claudeに関数を丸投げする際は、以下のテンプレートを埋める形でぜひ活用してみてください。
【時短を極める!プロンプト用テンプレート】
- 【使用するツール】: [Excel / スプレッドシート]
- 【データの範囲】: [A2:Aに元データ、B2に結果を出したい]
- 【やりたいこと】: [〇〇を条件に検索したい / 翻訳したい]
- 【こだわり】: [XLOOKUPを使用 / 絶対参照を使用 / 空欄なら空白]
- 【出力形式】: [1セル入力で全行に適用される「修正不要の数式」を教えて]
いかがでしたか?
今回は、AIツールの「Claude」を使って、Microsoft ExcelやGoogle スプレッドシートの複雑な関数をあっという間に作成する方法をご紹介しました。
これまでは、分厚い本を調べたり、詳しい人に聞いたりして苦労していた関数作りも、今では「AIと対話する」だけで完了する時代。
大切なのは、関数を暗記することではなく、「何を作りたいか」をAIに分かりやすく伝えることへと変化しています。
「関数は難しくて苦手…」と感じていた方も、ぜひClaudeを「頼れる助手」として使ってみてください。
きっと、その回答の速さと正確さに驚くはずです。
Claudeが作ってくれた便利な数式を、もっとラクに使いこなすなら「Yoom」との連携がオススメです。
たとえば、Google スプレッドシートにデータを入力するだけで、Claudeで自動解析し、結果をGoogle スプレッドシートに追加する…なんて仕組みも、プログラミングなしで簡単に作れます。
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