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「伝えたい内容はあるのに、デザインや構成を考えるのが苦手…」
「毎週の報告資料作成に追われて、本来の業務に集中できない」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
このような悩みを解決する手段として「スライド生成AI」が注目を集めています。
ユーザーが入力した情報をもとにAIが、最適な文章や、要点をまとめた簡潔な表現を提案してくれるため、文章作りが苦手な人でも、読み手にわかりやすく効果的に情報を伝えられる資料を作成できます。また、デザインの知識やスキルがなくても、スライド生成AIを使うと、プロが作ったようなキレイで統一感のあるデザインの資料を自動で手軽に作成できます。
そもそもスライド生成AIとは?
本記事の想定読者
スライド生成AIについて
スライド生成AIのほとんどは、「生成AI(Generative AI)」の様々な技術を活用しています。例えば、ユーザーが入力したテキスト(作りたい資料のテーマや概要など)からスライドの構成案を提案・生成する技術は、「LLM(大規模言語モデル)」の技術に基づいています。また、スライド生成AIの中には、WordやPDF、既存のテキストファイルなど、すでに存在する長い文書を読み込み、その内容の要点を抽出したり、構成を分析したりして、発表用のスライドに変換する機能があります。この機能には、「自然言語処理(NLP)」や「要約技術」が用いられています。
ツールを選ぶ際のポイント
多くのスライド生成AIツールの中から、自社に最も適したものを選ぶにはどうすれば良いのでしょうか。以下の3つのポイントを判断基準として、選んでみてください。
【目的別】おすすめスライド生成AI 8選をご紹介
ここからは、おすすめのスライド生成AIツールを8個厳選してご紹介します。
無料のツールを含む、スライド生成AIツールを一覧でまとめてみました。
それぞれの特徴や料金プランを比較し、目的や用途にあわせて最適なツールを見つけましょう!(※2025年11月現在の情報)
Microsoft 365 Copilot
Gemini for Google Workspace
出典:Gemini for Google Workspace
料金参照:Google Workspace料金
SlidesAI
出典:SlidesAI
料金参照:SlidesAI料金
MagicSlides
出典:MagicSlides
料金参照:MagicSlides料金
Gamma
出典:Gamma
料金参照:Gamma料金
Canva AIスライド
出典:Canva AIスライド
料金参照:Canva AIスライド料金
Beautiful.ai
出典:Beautiful.ai
料金参照:Beautiful.ai料金
Elucile(イルシル)
料金参照:Elucile(イルシル)料金
特に人気のAIツール4つを使ってスライドを作ってみた!
今回は、ツールの中でも特に人気と実績のある以下の4つのツールを中心に、その特徴を比較していきます。
Gamma:
テキスト入力から、デザイン性に優れたスライドやWebページ形式の資料をわずか数分で生成します。洗練されたデザインの「たたき台」を素早く作りたい場合に特に強力です。
Microsoft 365 Copilot:
WordやExcelなど、普段使っているMicrosoft 365アプリに統合されたAIアシスタントです。最大の強みは、既存のWord文書からワンクリックでPowerPointプレゼンテーションを生成できる点です。
Canva AIスライド:
オンラインデザインツールCanvaに搭載されたAI機能です。豊富なデザインテンプレートを活かし、キーワード入力だけでプレゼン資料の構成案と各スライドのデザインを自動生成してくれます。
Elucile(イルシル):
Elucile(イルシル)は、AIを活用してテキストから高度にカスタマイズされた資料を瞬時に作成するツールです。特にビジュアルコンテンツやWebページ形式の資料を生成するのに優れており、デザイン性と情報の整理が両立しています。プロフェッショナルなデザインを簡単に作成できるため、マーケティングや営業資料、報告書などの作成時間を短縮します。
検証内容とポイント
検証の共通条件
検証方法
Gamma
ログイン後、「新規作成」から「生成」を選択し、プロンプトを入力後アウトラインを確認し「生成」をクリック。
所要時間:2分
Microsoft 365 Copilot
Microsoftへログイン後、M365 Copilot「作成」から「プレゼンテーションの作成」を選択し、AIチャットにプロンプトを入力し、自動でPowerPointにて作成。
所要時間:3分
Canva AIスライド
ログイン後、「Canva AI」からチャット画面へ移動し、チャットでプロンプトを入力。生成されたアウトラインを確認し「デザインを生成」をクリック。
所要時間:3分
Elucile(イルシル)
ログイン後、「AIスライド生成」から、「入力したテキストからスライドを生成」をクリック。AIチャットとの会話でアウトライン生成し、「スライドに反映」で反映し生成。
所要時間:4分
検証①Gammaを試してみた
操作画面
Gammaの操作画面では、画面上に「Agent」のボタンが配置されています。こちらは、AIによるサポートを受けることができ、生成したいスライドに関する指示を入力することが可能です。
指示を入力することで、エージェントがリアルタイムで反応し、すぐに結果を表示してくれます。このエージェントを活用することで、ユーザーは直感的に進めやすく、スライドを編集する際に迷うことなく作業を進めることができます。
また、操作画面全体はかなりシンプルで、メニューやツールバーが目立たず、視覚的にストレスが少ない設計となっています。ボタンやツールの配置が整理されていて、直感的に操作できます。生成結果がリアルタイムで表示され、修正が必要な場合でも迅速に対応できる点が魅力的なポイントです。1.表紙スライド
2.市場規模スライド(円グラフ)
3.競合比較スライド(表)
4.それぞれの読者対象に向けたスライド
5.結論スライド
検証結果
検証②Microsoft 365 Copilotを試してみた
操作画面
Microsoft 365 CopilotのPowerPoint操作画面では、画面右側に「Copilot」が表示されており、AIへメッセージを送信して、指示を出すことができます。
この「Copilot」のチャットでは、スライドの内容に基づいてAIが自動的に提案するテキスト指示などが表示され、ユーザーはそのテキスト指示を利用して、AIへ指示を出すことができます。
その上で、スライドの構成や内容を微調整するために、追加のコンテンツを入力したり、スタイルを変更することが可能です。設定する際、AIが自動的にデザインや情報の最適化を行うことができるため、ユーザーが細かい部分に悩むことなく素早く完成形に近づける点がポイントです。
また、画面上で生成された結果がリアルタイムで反映されるため、スライドの仕上がりをすぐに確認できます。これにより、画像やレイアウトがどのように変化したのかを一目で確認でき、修正したい部分をすぐに調整できるのが非常に効率的です。
PowerPointの画面で操作することができるため、日常的にPowerPointを利用している場合はスムーズに作業を進めることができます。
1.表紙スライド
2.市場規模スライド(円グラフ)
3.競合比較スライド(表)
4.結論スライド
検証結果
また、PowerPointの「Designer(デザイン案)」機能とも連携しており、写真やグラフを挿入すると適切なレイアウト候補をすぐに提示してくれます。
たとえば、豊富なテンプレートとビジュアル素材があり、デザイン初心者でもきれいなスライドを作れる点が優れているCanva AIと比べると、Microsoft 365 CopilotはPowerPoint環境・社内テンプレートとの整合性を維持しつつ、自動生成できる点が優れている特徴だと言えます。Elucileは、日本語定型資料や大量スライドの自動生成に向いているものの、デザイン調整の自由度・レイアウトの精緻さにおいては、ややMicrosoft 365 Copilotの方が優れていると言えます。既存デザイン・ブランドを活かしながらスライドをスピーディに整える場面では、Microsoft 365 Copilotが効率的と言えますが、「細部までデザインをこだわる(アニメーション・配置微調整・特殊レイアウト)」という用途では、手動調整や別ツール併用が必要になることも覚えておくと安心だなと感じました。
検証③Canva AIスライドを試してみた
操作画面
操作画面の左側メニュー「デザイン」では、画面左側に豊富なテンプレートが一覧で表示され、目的に合ったデザインを直感的に選べます。特に、Canva ならではの“完成度の高いデザインテンプレート”が整理されており、選ぶだけでプロ品質のスライドに仕上がる点が大きな特徴です。
そのうえで、テンプレートを選択すると、右側の編集キャンバスでレイアウト・フォント・配色などをすぐに調整できます。設定を変更する際、テンプレート全体のトーンが自動的に保たれるようデザインが最適化されている点がポイントだと思います。
また、編集内容はリアルタイムに反映されるため、配置や色味を変えた瞬間に、スライド全体の見た目がどのように整うかを一目で確認できます。操作画面はかなりシンプルで、ツールバーが必要なときにだけ表示されるため視覚的なストレスもほとんどありません。要素の追加や画像の差し替えもドラッグ&ドロップで行えるため、何をどう操作すればよいか迷わずに進められます。
テンプレートのデザインが優れていることもあり、細かい調整をしなくても全体が美しくまとまるため、短時間で高品質な資料を作りたい人にとってかなり効率的だと感じました。1.表紙スライド
2.市場規模スライド(円グラフ)
3.競合比較スライド(表)
4.結論(最後のスライド)スライド
検証結果
ユーザーが選択したテンプレートに基づいて、スライドが自動的に生成され、色調やフォントなどの整合性も保たれた状態で表示されます。テンプレートは業種や目的別に分類されており、手軽にスタイリッシュなプレゼン資料が作成可能です。しかし、レイアウト調整においては、かなり簡単な操作でありながら、自由度に限りがあるため、精密な細かいレイアウト調整を求めるユーザーにはやや物足りないこともあると感じました。
他ツールと比べると、たとえば、GammaやMicrosoft 365 Copilotのように、企業向けにレイアウトの微調整や細部を完全に制御するツールには及ばない部分もありますが、Canva AIスライドはデザイン初心者でも直感的にデザイン性に優れた美しいスライドが作れる点が特徴です。
自動で選ばれるテンプレートには、図表やチャートが組み込まれており、ユーザーはデータを挿入するだけで視覚的にわかりやすいプレゼン資料を作成できます。しかし、複雑なデータ可視化や高度なグラフ作成には限界があり、Microsoft 365 Copilotのような精密なデータ処理や複雑な情報整理には適していないと感じました。
たとえば、SlidesAIはデータ整理と視覚化に特化し、Elucile(イルシル)はビジネス向けのデータ統合を強みとしていますが、Canva AIスライドはどちらかというと「簡易的で迅速な資料作成」に向いているツールと言えます。
テンプレートから選び、コンテンツを追加するだけで、美しいスライドが完成します。さらに、ドラッグ&ドロップによる操作が直感的で、画像やテキストの編集が簡単にできます。しかし、カスタマイズの自由度には限界があり、特に高度なアニメーションや複雑なレイアウト変更を求める場合には、他のツール(例えば、Microsoft 365 CopilotやGamma)に比べて柔軟性が低いと感じるユーザーもいるかもしれないと感じました。
Elucile(イルシル)と比較しても、Canva AIスライドは「簡単さ」と「クオリティ」を兼ね備えているものの、「細部までカスタマイズしたい」場合には少し物足りなくなることがあると言えます。
検証④SlidesAIを試してみた
操作画面
Elucile(イルシル)の操作画面では、画面下中央にデザインのおすすめやテンプレートが配置されており、簡単にスライドデザインを設定することができます。
さらに、画面右側では必要なデータやプレゼン資料の内容を入力するだけで、AIが自動でスライドを生成し、使いやすいテンプレートが提案されます。そのうえで、フォントや色調などの設定も直感的に変更でき、さらに詳細なカスタマイズが可能です。設定する際、ツールバーや設定メニューが目立たず、視覚的なストレスが少ない点がポイントです。
生成されたスライドはリアルタイムで画面に反映されるため、どのように仕上がるかをすぐに確認できます。このように、操作画面が非常にクリーンで、余計な要素が少なく、ボタンやツールの配置が整理されているため、何をすべきか迷うことなく進めることができます。また、生成されたスライドに対する修正や変更がすぐに反映されるので、効率的に作業を進めやすいと感じました。初心者でも負担なく、スムーズに操作ができる点が特に優れています。
1.表紙スライド
2.市場規模スライド(円グラフ)
3.競合比較スライド(表)
4.結論(最後のスライド)スライド
検証結果
これにより、デザイン・レイアウトの初期精度が高く、ユーザーがあまりレイアウトを意識しなくても「見栄えが整った」スライドを短時間で生成できます。対比すると、Gammaはよりビジュアル重視・自由度の高いレイアウト調整を強みとし、Microsoft 365 CopilotはPowerPointテンプレートやブランド整合性を保った自動生成に優れています。その点、Elucile(イルシル)の場合は、ブランド細部までカスタマイズしたい高度なレイアウト調整では少し手動の介入が必要かもしれないと感じました。「用途別に最初から整っている構成+デザインテンプレート」が強みである一方、「ドラッグ&ドロップでレイアウトを琴線まで微調整する/アニメーションを細部まで制御する」という面では他ツールに比べて若干控えめと言えます。
また、日本人向けに「視線誘導・情報整理・配布資料に適したレイアウト」を意識して設計されたとされています。
他ツールとの比較では、Canva AIスライドは視覚素材やテンプレートが非常に豊富で「見た目重視の視覚化」に強みがあります。Microsoft 365 Copilotは既存資料やExcel・Wordとの連携を通じて構成・データ整理からのスライド化に強く、Gammaはアウトラインから自由度高くビジュアルと構成を生成できるという特色があります。
一方、Elucile(イルシル)の特徴としては、「日本語ビジネス用途に最適化されたテンプレート+自動構成機能」という点で、「日本語・用途定義されたスライド作成を迅速に」進めたい場合に非常に有用です。しかし、「複雑なグラフ・カスタムチャート・深いデータ可視化」を極める用途では、やや手動補完が必要だと感じました。
他ツールとの比較をすると、Canva AIスライドはドラッグ&ドロップおよび豊富なデザイン素材による直感操作が非常に優れており、Microsoft 365 Copilot はPowerPoint環境との融合とブランド連携の操作性に強みがあります。Gammaは高い自由度でカスタマイズが可能ですが、ユーザーが「どこをどう編集するか」を判断するための習熟が多少必要です。Elucile(イルシル)の特徴としては、「入力→自動生成→テンプレートに沿って修正」というワークフローが非常にスムーズ」である点に加え、「用途別テンプレート呼び出しやチャット形式での生成・修正支援」も用意されているという点が優秀です。 ただし、「細部までデザイン・アニメーション・レイアウトを自在に変えたい」という意味では、他ツールや手動編集がやや優位と言えます。
検証結果のまとめ
デザイン性重視で選ぶなら:GammaとCanva AIスライド
これら2つのツールは、豊富なテンプレートと簡単な操作で、すぐに高品質なスライドを作成することができます。Gammaは特にテーマ選択後に自動で構成を整えるので、短時間でプロフェッショナルなデザインを実現できます。一方、Canva AIスライドはテンプレートの選択肢が豊富で、チームでの共同作業にも向いています。他ツールに比べて、高品質なテンプレートが豊富に用意されていると感じたため、デザイン性で選ぶならGammaとCanva AIスライドがおすすめです!
既存文書を活用して短時間でスライドを作成したいなら:
Microsoft 365 Copilot
Microsoft 365 Copilotは、Microsoft製品間でのシームレスな連携を活かし、PowerPointスライドにおけるスライド作成がスムーズに行えます。Microsoft製品を日常的に使っている場合、このツールを使えば効率的に作業を進めることができるでしょう。Microsoft製品を使用している環境で、そのままスライド生成AIを使うならMicrosoft 365 Copilotがおすすめです!
シンプルで見やすいデザインを求めるなら:Elucile(イルシル)
シンプルで直感的な操作が求められる場合、Elucile(イルシル) が最適です。日本語の自然さやシンプルな操作性が高く評価され、短時間で視覚的に優れた資料を作成できます。特に、マーケティングや営業資料に最適で、操作が簡単なため、誰でもすぐに利用できます。他のツールに比べて、操作が簡単でシンプルで、初心者の方でもおすすめなのが、Elucile(イルシル)です!
おわりに
今回の検証を通じて、各スライド生成AIツールにはそれぞれ異なる強みと特長があることが明らかになりました。
Gamma は、デザインの自由度が高く、ビジュアルを重視するプレゼン資料を迅速に作成したい方に最適です。
Microsoft 365 Copilot は、既存のPowerPoint環境でブランド整合性を保ちながら、業務用資料を効率的に生成したい方に適しています。
Canva AIスライド は、直感的な操作性と美しいデザインテンプレートを提供し、デザインに不安がある方でも素早くクオリティの高いスライドを作成したい方に向いています。
Elucile(イルシル) は、日本のビジネス用途に特化したテンプレートと自動生成機能が特徴で、定型資料を短時間で作成したい方にぴったりです。
それぞれのツールは、目的や使用シーンに応じて最適な選択肢が異なります。まずは各ツールを無料プランで試し、自社のニーズに最も合ったものを選ぶことが大切です。
また、Yoomでは今回検証で使用したツールCanvaを使った業務を自動化できます。社内で企画が立ち上がったらCanvaのデザインフォルダを自動で作成したり、Canva上のデザインを自動で検索するなどの自動化が可能です。Canvaを利用して様々な業務を効率化したい方はぜひチェックしてみてください!
参考:Canvaのアプリページ
[Yoomとは]