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企業の人事・総務部門では、新入社員の情報登録やアカウント発行など、多くの手続きを手動で行っているケースが少なくありません。これらの業務は時間と労力がかかり、人的ミスの原因にもなります。本記事では、Googleフォーム、カオナビ、Google Workspaceを連携させることで、これらの手続きを自動化し、効率化する方法をご紹介します。ノーコードで実現できるため、専門的な知識がなくても簡単に導入できます。
それではここからノーコードツールYoomを使って、Googleフォームで送信された情報をもとにカオナビに従業員を登録し、Google Workspaceにユーザー登録する方法をご説明します。
[Yoomとは]
Googleフォームに回答されたことをGoogleフォームのAPIを利用して受け取り、カオナビにGoogleフォームの回答を反映させ、更にカオナビの登録情報を元にGoogle Workspaceにユーザー追加することができます。
一般的に実現にはプログラミングの知識が必要ですが、ノーコードツールのYoomを用いることでプログラミング知識がなくても簡単に実現できます。
今回は大きく分けて以下のプロセスで進めていきます。
Yoomを利用していない方は、こちらから無料登録をしてください。
すでにYoomを利用している方は、ログインしましょう。
まずは、今回使用する3つのアプリのマイアプリ登録を行います。
【Googleフォーム】
最初に管理画面の左にあるマイメニューをクリックして、「+新規接続」タブをクリックします。

下記の連携可能なアプリ一覧から、Googleフォームを選びましょう。

そして、「Sign in with Google」のタブをクリックして下さい。

Yoomと連携したいGoogleアカウントを選びましょう。

ログイン後、連携するアカウントと内容を確認し、不備がなければ「続行」をクリックして接続完了です。


【カオナビ】
検索スペースの中で候補が表示されたら「カオナビ」を選びましょう。
「カオナビの新規登録」画面が表示されたら、「アカウント名」と「APIトークン」を設定します。
※カオナビのマイアプリ登録についてはこちらで詳細な説明を記載しています。
設定が完了し、「追加」のタブをクリックすれば接続完了です。

【Google Workspace】
画面左側の「新規接続」をクリックします。

検索窓に「Google Workspace」と入力するか、候補から探し、クリックします。
※Google Workspaceはチームプラン・サクセスプランでのみご利用いただけるアプリとなっております。フリープラン・ミニプランの場合は設定しているフローボットのオペレーションやデータコネクトはエラーとなりますので、ご注意ください。
※チームプランやサクセスプランなどの有料プランは、2週間の無料トライアルを行うことが可能です。無料トライアル中には制限対象のアプリを使用することができます。
以下の画面が表示されるので「Sign in with Google」をクリックしましょう。
Googleアカウントでサインインし、アクセス権限を許可します。

サインインが完了すると、Yoomのマイアプリが表示されている画面に戻ります。
マイアプリにGoogle Workspaceが表示されていれば次のステップへ進みます。

自動化の設定をするため、以下のバナーにある「試してみる」をクリックしましょう。
以下の画面表示を読んで、「OK」をクリックしましょう。

実際にフローボットの操作を行っていきます。
まず「フォームに回答が送信されたら」のタブをクリックしましょう。

以下の画面が表示されたら、下記の通り設定してみましょう。
・タイトル→必要に応じて変更可能
・Googleフォームと連携するアカウント情報→Googleアカウントが合っているか確認
・トリガーアクション→フォームに回答が送信されたら
設定が完了したら、次へ進みます。

次は、API接続設定です。
まずは、トリガーの起動間隔を設定します。
※トリガーの起動間隔は5分、10分、15分、30分、60分がありますが、プランごとに最短の起動間隔が変わりますので、ご注意ください。
また、あらかじめ実際に使用するGoogleフォームを準備しておくことをおすすめします。
フォームIDは使用するフォームのURLから取得し、設定します。

フォームに回答を送信したら、「テスト」→「保存する」をクリックしましょう。
なお、Googleフォームは回答データをデフォルトで取得できないため、JSONPathという仕組みを使い回答内容を別途アウトプットに追加する必要があります。
詳細は以下のヘルプページを参照ください。
※アウトプットについて詳しくはこちら
※詳しい取得方法はこちら
最後にスクロールして「保存する」のタブをクリックすれば、テスト完了です。

カオナビの設定を行うので、「メンバーを登録」をクリックします。

以下の画面が表示されたら下記の設定をしましょう。
「タイトル」→必要に応じて変更可能
「カオナビと連携するアカウント情報」→アカウントが合っているか確認
「アクション」→メンバーを登録

設定が完了したら、「次へ」をクリックしましょう。
API接続設定を行うにあたり、「社員番号」を下記のように入力します。
入力欄で表示されたアウトプットからGoogleフォームで回答された内容を引用することもできます。
入力後に「テスト」→「保存する」をクリックしてAPI接続完了です。

次はGoogle Workspaceの連携アカウントとアクションを選択します。
以下の赤枠の箇所の「新規ユーザーを追加」をクリックします。

「タイトル」→必要に合わせて選択
「アプリ」→Google Workspace
「Google Workspaceと連携するアカウント情報」→使用するアカウント
「アクション」→新規ユーザーを追加
その後「次へ」のタブをクリックします。

下記がそれぞれ入力されていることを確認しましょう。
姓→「{{姓}}」
名→「{{名}}」
デフォルトのパスワード→「{{デフォルト パスワード}}」
メインのメールアドレス:「{{メールアドレス}}」
※上記項目はアウトプットで取得したGoogleフォームの内容が入力されています。

入力が完了したら「テスト」→「保存する」をクリックします。
最後に「トリガーをON」をクリックしたら、自動化の設定は完了です。
正しくフローボットが起動するか、確認しましょう。

今回使用したテンプレートはこちらです。
①Googleフォームで送信された情報をもとにカオナビに従業員を登録し部署情報に応じてMicrosoft Teamsのプライベートチャネルに招待する
このフローは、Googleフォームで送信された情報を元に、カオナビへの従業員情報の登録とMicrosoft Teamsへのプライベートチャネルの招待を自動化します。カオナビとMicrosoft Teamsによる手動作業を自動化することで、人事作業の工数を削減でき、社員情報追加にかかる作業を効率化することが可能です。
②カオナビで従業員が更新されたら、Slackに通知する
このフローは、手動によるヒューマンエラーを防止することにつながり、従業員の更新がいつ行われたのかが明確になるため管理の透明性が向上が期待できます。また、更新情報をSlackから追跡できるため、過去の更新内容を把握することにもつながります。
③カオナビで従業員が登録されたら、Google Chatに通知する
手動で通知を出す必要がなくなるため、ヒューマンエラーの発生を防止することができ、円滑に業務を進めることができます。通知内容をカスタマイズすることで、従業員情報の登録後に発生する作業も併せて連携できるため、業務効率も向上します。
Googleフォームを活用して従業員情報を収集し、そのデータをカオナビへ自動登録することで、従業員情報の一元管理が可能となります。さらに、Google Workspaceにも自動的にユーザー登録されることで、社内システムへのアクセス設定やメールアドレスの発行がスムーズに行われます。例えば、新入社員の情報を一度入力するだけで複数のシステムに反映されるため、人事・総務部門の手作業によるデータ入力の負担が軽減され、人的ミスの削減にもつながります。
従業員のGoogleフォームでの情報登録を起点に、Google Workspaceのユーザーアカウントが自動的に作成されることで、手作業によるアカウント発行のミスを減らすことが期待できます。また、カオナビとの連携により、役職や部署情報に基づいた適切なアクセス権の設定もスムーズに行われます。具体的には、大規模な組織において、従業員ごとに適切な権限を付与する作業が煩雑になるところを、システム化することで統一されたルールのもとでの設定が容易になります。
新規従業員のGoogle Workspaceへの登録を自動化することで、メールアドレスやチャットツール(Gmail、Google Chat)を即座に利用できるようになります。これにより、新入社員が入社初日からスムーズに社内のコミュニケーション環境に参加でき、業務のキャッチアップがしやすくなります。例えば、リモートワークを導入している企業では、迅速なアカウント登録とアクセス権付与が重要であり、業務環境の立ち上げが遅れるリスクの低減が期待できます。
Googleフォーム、カオナビ、Google Workspaceを連携させることで、従業員情報の収集からシステム登録までの一連の業務を自動化できます。これにより、人事・総務部門の業務効率化やミスの削減、新入社員の早期戦力化が可能となります。ノーコードで実現できるため、専門的な知識がなくても導入しやすく、これまで手間がかかっていた業務を大幅に効率化できます。本記事の手順を参考に、ぜひ自社の業務改善に役立ててみてください。