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新規事業の種を探したり、業界の最新動向をキャッチアップしたり……。
ビジネスにおける「リサーチ業務」って、本当に時間がかかりますよね。
特に英語の論文や専門的な資料となると、1本読み込むだけで1時間近く溶けてしまうことも珍しくありません。
その仕事、Microsoft Copilotに任せてみませんか?
本記事では、Microsoft Copilotを実際の業務シーンを想定して使い、その実力を徹底検証しました。
日本語と英語、それぞれの論文で検証してわかった最適な会話モードと、他社の生成AIとの違いも解説するので、ぜひ参考にしてみてください!
この記事は、以下のような方におすすめです。
Microsoft Copilotを論文の要約で利用するときは、以下のポイントを押さえることで業務の効率化に繋がります。
検証1
検証2
検証には、リサーチ業務で頻出する「日本語論文の要点抽出」と「英語論文の翻訳兼要約」の2つのタスクを設定しました。
検証1:日本語論文の要約
検証論文
検証ポイント
検証2:英語論文の翻訳と要約
検証論文
検証ポイント
各論文のPDFに対し、実務を想定したプロンプト(指示文)を入力し、出力された内容を評価します。
【検証1】
1.Edgeブラウザで論文を開く
2.Copilotを開く
「チャット」をクリックしてウィンドウ内にMicrosoft Copilotを開きます。
3.モードを選択
入力欄のプルダウンを開き、会話モードを選択します。
4.プロンプトを入力して送信
論文を要約するためのプロンプトを入力して送信します。
【検証プロンプト】
私が「この論文の最も重要な発見」を正しく理解できるよう、以下の4点を日本語で簡潔にまとめてください。
1.研究の目的:何と何の関連性を調べたのか
2.比較したグループ:どのような基準で対象者をグループ分けして比較しているか?
3.グループ間の違い(数値あり):グループ間で統計的な差が出た項目は何か?(具体的な%や数値を含めて表で記載)
4.差がなかった項目:一般的に関連しそうだが、この調査では「有意な差が見られなかった」項目があれば簡潔なリストで記載
5.結果が出力
チャット上に要約結果が出力されます。
※全体の内容は、検証結果で紹介します。
【検証2】
続いて、2つ目の検証方法をご紹介します。
Microsoft Copilot
1.Microsoft Copilotにログイン・モデルを選択
検証内容に合わせて、利用するモデルを選んでください。
2.論文の添付
「+」マークをクリックし、「画像またはファイルを追加」から論文を添付します。
3.プロンプトを入力して送信
以下のプロンプトを入力して送信しました。
【検証プロンプト】
このPDFファイルのIntroduction、Background、Conclusionの内容だけを基に、以下のポイントを日本語で要約してください。
※注意:2ページ目以降の「Model Architecture」や「Results」の情報は絶対に含めないでください。
1.この論文の目的
2.従来の課題といった調査の背景
3.結論としてどうすべきか
※見やすいリスト形式で表示してください。
※初めに指定した見出しに含まれていない数値は出力しないでください
Gemini
1.アカウントにログイン・モデルを選択
入力欄の右下からモデルを選択します。今回は、最高性能のProモデルを選択しました。
2.論文の添付
「+」マークをクリックし、「ファイルをアップロード」から論文を添付します。
3.プロンプトを入力して送信
Microsoft Copilotと同じプロンプトを入力して送信します。
Claude
1.アカウントにログイン・モデルを選択
入力欄の右下からモデルを選択します。
2.論文の添付
「+」マークをクリックし、「ファイルまたは写真を追加」から論文を添付します。
「じっくり考える」機能はオフのままにしています。
3.プロンプトを入力して送信
Microsoft Copilotと同じプロンプトを入力して送信します。
まずは、日本語で書かれた論文の要約です。
各モードで出力された結果は以下になります。
【Smart】
【Think Deeper】
要約内容を検証ポイントで比較すると以下になります。
数値の抽出に関しては、期待以上の結果でした。
単に論文内の数値を右から左へ書き写すだけでなく、文脈を理解して計算まで行えました。
具体的には、食生活の頻度に関する項目で、「ほぼ毎日」と「週に3〜4日」という異なるカテゴリーの数値を、合算して出力しています。
これは、AIが言葉の意味と数値の関係性をロジカルに理解している証拠であり、アンケート集計や売上データの合算など、実務における集計作業でも十分に信頼できるレベルです。
一方で、明確な弱点も見つかりました。
数値の記載がない「棒グラフ」からのデータ読み取りは、両モードともに失敗に終わりました。
AIは画像認識ではなく、あくまでテキストデータとしてPDFを解析している可能性が高いため、図表の解釈だけは、引き続き人間が目視で行う「分業」が必要です。
生成AIをビジネスで導入する際、最も高いハードルとなるのが「ハルシネーション(もっともらしい嘘)」への懸念です。
今回の検証結果は、その不安を払拭するものでした。
検証した全ての項目において、論文に記載されていない架空のデータや、事実と異なる内容が出力されることは一度もありませんでした。
これは、インターネット上の不確かな情報を継ぎ接ぎして回答するのではなく、アップロードされたPDFという「確固たるソース」のみを参照して回答を生成しているためと考えられます。
要約業務において、AIが勝手に事実を捏造することは致命的ですが、参照元が明確なドキュメント要約に関しては、実用レベルの精度に達していると言えます。
もちろん最終確認は不可欠ですが、「0から100まで疑ってかかる」必要はなく、ファクトチェックの負担は劇的に軽減されるはずです。
今回の検証で最も意外だったのが、上位機能であるはずの「Think Deeper(思考モード)」よりも、標準の「Smartモード」の方が、指示への忠実度が高かったことです。
「Smartモード」がこちらの指示項目を完璧に網羅し、漏れなく要約してくれたのに対し、より深く思考するはずの「Think Deeperモード」は、3つ目の指示である「グループ間の違い」という重要項目を勝手に省略してしまいました。
おそらく、思考時間が長い分、AI側で「この情報は要約には不要ではないか?」と過剰に判断・取捨選択してしまった可能性があります。
この結果から、情報の抜け漏れが許されない一次調査や、網羅的なデータ抽出を行いたい場合は、迷わず「Smartモード」を利用すべきです。
「高機能=万能」とは限らないため、用途に合わせてモードを使い分けることが、Microsoft Copilotを使いこなす鍵となります。
次に、英語論文の要約精度を検証します。
Microsoft Copilotに加え、Gemini、Claudeで要約された結果は以下になります。
【Microsoft Copilot】
【Gemini】
【Claude】
結果として、Microsoft Copilotを含む全てのAIがこの指示を完璧に守り、対象外の章からの情報混入は一切ありませんでした。
また、プロンプト内に6つもの細かい条件を含めたにもかかわらず、正確に意図を汲み取っています。
この結果から、要約してほしい内容だけでなく「箇条書きで」「表形式で」といった出力フォーマットの指定も、AIは忠実に実行してくれることが確認できました。
情報をスムーズに理解するために、プロンプトで構成まで指定するテクニックは非常に有効です。
Microsoft Copilotは全体を要領よくまとめる傾向があり、結論部分の具体的な事例などは省略し、要点のみを簡潔に提示しました。
対照的にGeminiは、翻訳の具体例まで踏み込んで詳細に記述しており、Claudeはその中間という立ち位置でした。
この違いは優劣ではなく、用途による使い分けの指針になります。
大量の論文から「読むべきもの」を選別する段階では簡潔なMicrosoft Copilotが適しており、一本の論文をじっくり精読する補助としてはGeminiが適しています。
目的に応じてツールを選ぶのが正解です。
具体的には、論文の核心である「Self-Attention」という単語に対し、GeminiやClaudeが「自己注意」と直訳して違和感を残したのに対し、Microsoft Copilotは文脈を理解し「注意機構」と適切な専門用語へ意訳しました。
もし他のAIを使用する場合でも、プロンプトで「直訳ではなく、文脈に合わせた自然な日本語に意訳して」と指示を加えることで、この差は埋められる可能性があります。
ただ、デフォルトでこの品質が出せるのはMicrosoft Copilotの大きなアドバンテージと言えます。
Microsoft Copilotが論文要約において即戦力となることが確認できました。
日本語論文では数値計算まで含めた正確な抽出が可能であり、英語論文では専門用語を理解した自然な翻訳・要約を実現しています。
▼検証でわかったCopilot活用のコツ
【出典】
Microsoft Copilot/Microsoft Edge/Microsoft OneDrive/Copilotを使用してファイルを要約する/Copilot に使用するドキュメントの長さについてのガイド