・
X(旧Twitter)での情報発信が加速する中、xAIが開発したAIチャットボット「Grok」の画像生成機能が注目を集めています。
そこで本記事では、「Grokを使って実際にサムネイル画像を作成できるのか」を、ノンデザイナーの著者が、そのクオリティや使い勝手の良さを実際に検証していきます。
特に、YouTubeやSNS運用において「制作コストと時間を削減したい」と考えている方に向けて、Grokの強みであるXとの連携やユニークな表現力が、実際の業務フローでどのように役立つのかに着目して検証!
本当に業務効率化につながるのか、その実力を確かめていきましょう!
Grokは、xAI社によって開発されたAIチャットボットツールです。
2023年に発表され、Xプラットフォーム上での利用が可能になりました。
その後、Webブラウザやモバイルアプリでも利用できるようになり、テキストベースの会話を通じてユーザーとやり取りし、情報を提供したり、質問に回答したりする機能を備えています。
Grokの大きな特徴として、Xと直接連携することで、今この瞬間に投稿されているポストやトレンド情報を参照するため、一般的なAIが苦手とする「昨日のニュース」や「数分前に話題になった出来事」についても正確に把握し、回答を生成します。
現在、ユーザーとのインタラクションを通じて学習し、より高度な会話能力を持つAIツールとして進化し続けています。
本記事は、以下のような方を想定して執筆しています。
Grokの利用は基本的に無料プランから始められますが、いくつかの追加機能を活用するためには有料プランへのアップグレードが必要です。
以下では、Grokの代表的な利用プランとその料金について紹介します。
(今回は「無料プラン」と「X Premium」「X Premium+」にて比較)
※2025年12月現在の情報です。
※上記は日本での利用を想定した比較表です。ご自身のアカウント・地域での最新状況を公式サイトで確認する必要があります。
※無料プランは、チャット回数や生成可能なコンテンツ数が制限される可能性があります。
※X Premium+は「制限の緩和」が適用されており、必ずしも「無制限」での利用が可能というわけではありません。多量のコンテンツ生成には注意が必要です。
その他の詳細については、Grokの公式サイトで最新の情報を確認してください。
Grokでサムネ画像を作る場合、まず無料プランでは、Xの無料アカウントまたはGrokアプリだけで利用できます。
利用回数には制限があり、一部地域では待機リストや提供エリアの制約もありますが、「簡単なサムネを2〜3枚作りたい」といった用途なら十分です。
より本格的に使うならX Premium。
有料で利用でき、ポスト編集などのX機能に加え、無料プランよりGrokの利用回数の制限が緩和されます。
さらにヘビーユーズしたいのなら、X Premium+。
月額はPremiumプランより高くなりますが、広告ほぼなしのタイムラインや返信優先表示に加え、Grok 4やSuperGrokなど上位モデル、Grok Imagineの高い利用上限にアクセスできます。
上記のことから画像生成という機能にフォーカスすると、
といった充分な活用メリットを持っています。
※文字を含む画像の生成が苦手で、看板やロゴの文字が正確に表示されないことがあります。また、アニメーションや透過背景には対応できない可能性があります。
さて、ここまで簡単に、Grokの機能や利用料金について解説していきました。
それでは早速、画像生成機能をビジネスやクリエイティブの現場でどう活用できるか、具体的な利用シナリオをもとに検証していきましょう!
以下は、今回の利用シナリオ案です。それぞれ違うテーマで意図に近いものを生成してくれるのかを検証します。
提示したテーマに合った魅力的な背景画像を生成し、文字入れは別ツールで行うことを想定。利用モデル:Grok 4.1 (Thinking)
【条件】
【ツールの特徴に合わせた検証項目3つ】
プレゼンテーション資料のスライドの隙間を:埋めるための、特定の感情(驚き、喜びなど)を表すキャラクター画像の作成。利用モデル:Grok 4.1 (Thinking)
【条件】
【ツールの特徴に合わせた検証項目3つ】
まずは、商品マーケティング(今回は化粧水を指定)を行う上で効果的なアプローチ方法の一つとして挙げられるYouTube動画。
この動画用のサムネイル背景作成について、実際に検証を行います。
Grokは文字生成が苦手という弱点があるため、文字を入れる前の「高品質なベース画像」をいかに手軽に作れるかがポイントになります。
今回は、最新モデルである「Grok 4.1 (thinking)」の実力を測るため、YouTube動画のサムネイル作成を想定した検証を行いました。
まず、Xの画面にある「Grok」アイコンから起動し、プロンプトを入力して画像を生成します。
使用したプロンプト
夏におすすめの冷感グッズを紹介するYouTube動画用のサムネイル画像を作成してください。
【条件】
このようなテキスト入力のみでどのような結果が得られるでしょうか...!
「画像を生成」をクリックしている状態で、↑矢印をクリック!
以下のような画像を生成してくれました!特筆すべきは生成スピードです。
プロンプト入力から画像生成完了まで、わずか15秒以内という驚異的な速さでした。
【指示への理解度】
全体的な構図として、「テキストを配置するスペースを意識」という条件もしっかり反映されており、画像の端や余白部分に文字を入れやすいものになっていました。
後からCanvaやPhotoshopなどでタイトル文字を入れるサムネイル作成フローにおいて、非常に重要なポイントです。
【再調整のスムーズさ】
さらに、「もう少しポップに」「氷をもっと追加して」といった追加指示(チャットのラリー)を行うことで、画像の再調整もスムーズに行えました。
画像の生成後、編集機能を使って自分で微調整できるので、デザイナーに修正を依頼するコストや修正画像の納期を気にする必要がなくなりそうです!
2つ目の検証では、プレゼンテーション資料の空白を埋めるための「挿絵作成」をテーマに設定しました。
こちらも最新モデル「Grok 4.1 (thinking)」を指定します。
単なるイラストではなく、特定の感情(喜びや驚きなど)を乗せたキャラクター画像を生成できるかどうかに焦点を当てていきます。
また、ビジネスの現場で頻繁に発生する「資料作成」のシーンを想定し、具体的な指示に対してどれだけ忠実かつ高品質なアウトプットが出せるかを確認しました。
実際に使用したプロンプトは以下の通りです。
ユニークかつ具体的な指定を行いました。
使用したプロンプト
プレゼンテーション資料の挿絵を作成してください。
スライドの隙間を埋めるための、特定の感情(驚き、喜びなど)を表すキャラクター画像を作成してください。
【条件】
さあ、1つ目の検証とは全く異なる指示です。
どのような画像が生成されるでしょうか?
以下の2つの画像が生成されました!
こちらも、プロンプト入力からわずか15秒ほどで画像生成が完了!
待ち時間がほとんどないため、資料作成のリズムを崩さずに作業できる点は大きな魅力です。
デザインに関しては、こちらの意図を正確に汲み取った画像が生成されていました。
背景の「真面目な会議室」と、被写体の「コミカルなゴリラ」というギャップが見事に融合しており、指示通りの「油絵風」のタッチで仕上げられています。
サムネイルに限らず、通常の画像生成においても高いクオリティを打ち出してくれました!
Grok 4.1 (thinking) による画像・サムネイル生成を実際に使ってみて感じた最大のメリットは、以下の通りです。
1.感情表現と画力の高さ
単に指定された要素を配置するだけでなく、表情や背景に指示内容がしっかりと反映されていました。
画像の仕上がりについては、デジタル特有の質感がないとも言えませんが油絵風に近いものだと思われます。
文字入れのスペースや構図までAIが判断してくれるため、デザインソフトを別途使用する必要がなく、ノンデザイナーでも扱いやすいです。
2.圧倒的な生成スピード
わずかな時間でイメージに近い画像を生成できました。
修正や再生成が必要な場合でも、このスピード感は維持されており、ストレスなくデザインの試行錯誤を行えそうです。
3.不自然な破綻がない
画像生成AIで頻発しがちな不自然な描写は少ないと感じました。
特に人物や生き物のデザインにおける「左手に資料を持つ」という部分指定も自然にクリアしており、そのまま公開しても良いレベルと判断できました。
ただ、AIによる画像生成をよーく見てみると、手指を始めとする部位に違和感が生じる仕上がり(指の本数が生物構造上異なる、など)となる場合もあるので、生成ごとに注意が必要そうです。
今回の検証において、デメリットとして挙げるべき点は特に見当たりませんでした。
ただ、1度の生成で完璧な仕上がりになるとは限らないため、細部のディテールにこだわるのなら、複数回にわたってチャットをやり取りする手間と時間がかかることもある、ということを念頭に置いておく必要がありそうです。
※こちらはデザインソフト(Canva)による編集を行った画像です。
検証の結果、GrokはYouTubeサムネイルの「背景素材作成」において非常に優秀であることがわかりました。
その他のシンプルな画像の生成においても、抽象的なイメージを具体的なビジュアルに変換する能力が高く、プロンプト通りの「雰囲気」を一発で作ることができると実感できたのも大きなメリットでした。
従来のように手動で素材サイトから画像を探す手間を考えると、チャットで指示するだけでオリジナルの素材が手に入るGrokの画像生成技術は、制作コストと時間を大幅に削減できる有効ツールといえるでしょう。
特に、サムネイル作成に時間をかけられないクリエイターさんや、短時間で複数のデザイン案を出したいSNS運用担当者の方におすすめしたいです!
さあ、皆さん、いかがでしたか?
生成AIの進化により、デザイン業務のハードルは確実に下がっているのを感じた方も多いはず!
シンプルかつ直感的な指示でAIがここまでの画像が作れる体験は感動的ですので、ぜひこの機会に、Grokの画像・サムネイル素材の生成を試してみてください。
[Yoomとは]