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契約書の作成やリーガルチェックは、一言一句のミスも許されないため、非常に神経を使う業務ですよね。
ただ、これまでは専門的な知識を持つ担当者が数時間をかけて行っていた作業も、生成AIの進化によって大きく形を変えようとしていることを実感している方も多いでしょう。
Googleが提供するAI「Gemini」は、GoogleWorkspaceとの強力な連携により、日常的なオフィスワークの中で有用なツールとなっています。
本記事では、Geminiを使って契約書業務を効率化する具体的な方法と注意点を解説します。煩雑になりがちな書類作成プロセスを見直すヒントとして、ぜひ参考にしてください!
Geminiで契約書の内容を解析するだけでなく、その前後の「受け取り」や「通知」といった業務プロセス全体を自動化することで、法務実務のスピードはさらに加速します。
ハイパーオートメーションプラットフォームYoomを使えば、Geminiを他のビジネスツールとノーコードで連携し、契約書の要約・共有といった定型作業を自動化できます!
たとえば、Google DriveにアップロードされたファイルをGeminiで要約し、書類を発行するテンプレートが用意されています。
これにより、重要な契約情報を短時間で書面に起こせるようになります。
また、フォームに添付された書類の要点を抽出してデータベースに追加するフローも自動化可能です。
Geminiを契約書業務に導入することで、主に以下の3つのシーンで大きな効果を発揮します。
契約の種類(NDA、業務委託、売買など)と取引の具体的な条件を、機密情報をマスキングした状態でプロンプトとして入力するだけで、数分で標準的な条項を網羅した下書きを生成できちゃいます!
ゼロから文章を考える手間が省けるので、手動工数を一気に減らせるのがメリットです。
数十ページに及ぶ長大な契約書でも、Geminiの広いコンテキストウィンドウを活用すれば、全体を一括で読み込めます。
「この契約の解約条件を簡潔に教えて」「当方の損害賠償義務の範囲はどこまでか」といった質問に対し、瞬時に回答を得ることが可能です。
「ですます」調を「である」調に一括変換したり、定義語の表記ゆれをチェックしたりする作業はAIが得意とする分野です。
契約書特有の堅苦しい言い回しも、文脈を維持したまま自然に整えてくれます。
では、実際にGeminiの契約書面解析の実力を検証してみます。
今回、検証のためにごく簡単な業務委託契約書のサンプルを作成し、PDF形式でGeminiに読み込ませてみました。
モデルはGemini3 flashを指定しています。
プロンプトは、以下のものを投稿しました。
「ベンダー側(乙)の立場から、リスクになりそうな条文や不足していると考えられる条文を指摘してください」
「この契約書で、ベンダー側(乙)金銭的なリスクが高くなりそうな点を3つに絞って説明してください」
チャットを開始すると、瞬時に指摘結果が出ました!
さすがGemini、処理が早い!
この内容で契約したとすると、後々乙側が被るであろうリスクについてしっかりと指摘していますね。
内容が抽象的なため明確化した方が良い部分も、実例をもとに出力してくれています。
金銭面にフォーカスしたリスク提示を見ると、「確かに、ここが契約書で定められていなかったらこっちの不利益になる...怖い!」と感じる部分が多々ありますね...
『トラブル発生時に売上や利益を無制限に請求される恐れあり』『乙から契約を解除できない』といった部分などは、実例を用いて記載しているため、どのように見直すべきかが一目でわかります。
このように、見落としがちなポイントを第三者目線で提示してくれるのは非常に心強いですね。
追加で指示を与えてみました。
SaaSサービスの利用規約における、ベンダー側に有利な責任制限条項を作成してください。
・ベンダーの責任上限は、ユーザーが直近12か月に支払った利用料金の総額までとすること
・間接損害、逸失利益、データ消失などについては責任を負わない形にしたい
・ビジネス向けの、丁寧だがやや堅めのトーンで
という条件を踏まえて、日本語で条文案を出してください。
出てきた結果が以下です!
責任上限やその範囲の明記によって、初期の契約書が見直されて、乙のリスクが考慮されている内容になっていることがわかりますね。
パッと見はよくできているようですが、よく見てください..?
ベンダーの記載が、1度目と2度目とで違いますね。
この辺は設定しているパラメーターの影響もありそうですが、そこを調整するのは面倒なので、追加プロンプトで「ベンダーを「乙」、ユーザーを「甲」に置き換えて再構成して」と指示しましょう。
最適なプロンプトを投稿すれば、指摘箇所を適切に修正して再出力してくれます!
以上の検証結果から、このような総評を挙げさせてもらいます。
以上のことから、生成結果はあくまで叩き台として採用するのがベスト!であると評価しました!
まだまだAIに100%業務を代替してもらうのは控えた方がよく、専門家のダブルチェックと修正・加筆の対応は必須といえるでしょう。
Geminiの真価は、GoogleWorkspaceの各アプリとシームレスにつながっている点にあります。
実際にGoogle カレンダーとGeminiを連携してスケジュール調整の検証を行った記事もあるので、こちらも参考にしてみてください!
▶Geminiのスケジュール調整の実力は?Googleカレンダー連携と返信案作成を検証
Google Workspaceの料金体系は改定され、Geminiの活用がより身近になっています。
企業で導入する場合、BusinessStandard:1,600円/年(月間契約(フレキシブル)で1,900円/月)以上のプランであれば、Geminiの基本的な生成・要約機能が標準で統合されています。
さらに上位のBusinessPlus(月額2,500円/月〜)では、GoogleVaultによる記録保持や監査ログ機能が強化されるため、コンプライアンスを重視する法務部門は、こちらのプランを検討してもいいでしょう。
上記は執筆時点でのレート換算です。詳しくは公式サイトを確認してください。
どれほどAIが進化しても、契約業務において避けては通れない注意点がいくつか存在します。
生成AIはあくまで「効率化のためのツール」と考えた方が得策。
AIが作成した条文が最新の法令に適合しているか、自社のビジネスモデルにおいて致命的なリスクがないかは、必ず弁護士や社内の法務専門家が確認してくださいね。
AI生成物をそのまま締結することは、法的リスクだけでなく、弁護士法との兼ね合いからも避けるべきです。
AIは稀に、もっともらしい嘘(ハルシネーション)をつくことがあります。
存在しない判例を引用したり、条文番号を間違えたりする可能性があるため、重要な箇所は必ず原本と照らし合わせる必要があることを念頭に置いておきましょう。
法人向けプランを利用する場合、入力したデータがAIの学習に利用されない設定が基本となっています。
それでも、機密性の極めて高い契約書を扱う際は、自社のセキュリティポリシーと照らし合わせて利用範囲を決定してください。
Geminiによる契約書の作成やレビューが終わった後、その成果物を「管理・実行」のフェーズへつなげるのがYoomの役割です。
契約業務をさらに自動化するための、おすすめテンプレートをご紹介!
まずは、ファイル受信を起点に、情報を要約してデータを自動格納するフローです。
手作業による登録ミスを減らせます。
また、フォームから送信されたPDFを読み取り、Geminiで解析した結果をドキュメントに自動登録する仕組みも構築可能です。
Geminiは、契約書業務における「下書き作成」「要約」「一次チェック」という、最も時間のかかるフェーズを大幅に短縮してくれる強力なアシスタントです。
Google Workspaceとの統合により、今すぐ使い始められる点も大きな魅力でしょう。
さらにYoomを組み合わせることで、点在するツールをつなぎ、契約業務のワークフロー全体をスマートに自動化可能!
この機会にぜひ、AIとオートメーションを賢く使い分け、より高品質な書類作成や交渉に時間を使える法務体制を目指してみてはいかがでしょうか?
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