【NotebookLMで医学論文を要約】レビューを自動化・効率化する方法は?
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【NotebookLMで医学論文を要約】レビューを自動化・効率化する方法は?
自動化のアイデア

2025-12-25

【NotebookLMで医学論文を要約】レビューを自動化・効率化する方法は?

Natsumi Watanabe
Natsumi Watanabe

日々更新される医学研究論文や海外の技術論文。新規事業開発やリサーチ業務において、これらの情報をキャッチアップすることは不可欠ですが、PDFのダウンロードや精読、要約作成には膨大な時間がかかります。
「もっと効率的に、正確に論文の中身を把握したい」と悩む担当者も多いのではないでしょうか。

本記事では、Googleが提供するAIリサーチアシスタントNotebookLMを活用し、論文要約の時間を短縮する方法を解説します。

特に、複数の論文を横断的にレビューし、比較表を自動作成する実践的なテクニックを紹介します。
さらに、Yoomと連携して情報収集を完全自動化するフローまで、実務ですぐに使えるノウハウをまとめています。

 この記事を読めば、論文レビューにかかっていた時間を軽くできるヒントが見えてきます。
そこから、チーム全体の動きも前向きに整えられるでしょう!

✍️前提情報


本記事の想定読者

本記事は、以下のような課題を持つ方を想定して執筆しています。

  • 大量の海外論文を効率的にリサーチし、事業開発やマーケティングに活かしたい方:週に何本もの英語論文を読む必要があり、翻訳や要約作業に忙殺されているテック企業の担当者など。
  • チーム内での情報共有の質とスピードを向上させたい方: 論文の要約スキルが属人化しており、誰でも同じクオリティで情報を抽出できる仕組みを作りたいリーダー層。
  • NotebookLMと他のAIツール(ChatGPT等)の使い分けや、自動化連携を知りたい方:APIなどの専門知識はないが、Yoomなどのノーコードツールを使って業務フローを自動化したいと考えている方。


Notebook LMとは?

NotebookLMは、Googleが開発したAI搭載のリサーチ・執筆アシスタントです。
最大の特徴は、ユーザーがアップロードした資料(ソース)を主な根拠として回答を作成し、出典を明示できる「ソース・グラウンディング」という設計思想です。

一般的なAI(ChatGPTなど)がインターネット上の広範な知識から回答するのに対し、NotebookLMは「あなたが渡した資料」の中身だけを見て答えます。これにより、AI特有のハルシネーションが起きた場合でも、出典を確認しながら内容の正確性を検証しやすい要約が可能になります。

【NotebookLMをおすすめする3つのポイント】

  1. 正確性と信頼性:論文に書かれていないことを勝手に創作しないため、厳密なファクトチェックが必要な業務に最適です。
  2. 大量データの処理能力:GoogleのGemini系モデルを基盤としており、モデルや処理上限はアップデートにより変更される場合がありますが、複数論文をまとめて扱える点が特徴です。
  3. 連携と自動化:単体利用だけでなく、Google Driveや自動化ツール(Yoom)と連携させることで、論文保存から要約生成までを無人化できる拡張性があります。


💻【目的別】おすすめNotebook LM活用パターン・連携ツール一覧

NotebookLMを使いこなすための主要な活用パターンと、併用すべきツールをカテゴリ別に整理しました。


✅【目的別】おすすめNotebook LM活用パターン&ツール9選

ここでは、NotebookLMの機能を最大限に引き出すための活用法や、連携・比較すべきツールを具体的に解説します。


【A:NotebookLMを使い倒す!基本機能とテクニック】


NotebookLM(単体利用)

【一言でいうとどんなツール?】

手渡した論文だけを根拠に、嘘をつかずに要約・回答してくれる専属の図書館員

【主な特徴】

  • アップロードしたPDFに基づき、正確な回答を生成(ソース・グラウンディング)。
  • 回答には「出典(数字)」が付き、クリックで原文の該当箇所へ即ジャンプ可能。
  • NotebookLMには無料プランがあり、利用枠を拡張できる上位プランも提供されています。

【ここがポイント】実際に使ってみた感想

 「論文に書いてあること」と「書いていないこと」を明確に区別してくれる安心感があります。ChatGPTだとありがちな「もっともらしい嘘」がほぼありません。特に医学論文のような正確性が命の資料には必須です。

【こんな人におすすめ】

ハルシネーションを避けたい方、原文との照らし合わせを効率化したい方


構造化抽出プロンプトの活用

【一言でいうとどんなテクニック?】

バラバラの論文から「欲しい情報」だけを抜き出し、綺麗な比較表を作る技

【主な特徴】

  • 複数の論文PDFをまとめてアップロードし、特定のプロンプトで指示出し。
  • 「著者」「出版年」「主要評価項目」「患者数」などを表形式で出力。
  • 手作業での転記作業をゼロに。

【ここがポイント】実際に使ってみた感想

    - 「Primary outcomes」「Study design」などを指定して表を作らせると、数時間かかっていたシステマティックレビューの下準備が一瞬で終わります。ElicitやSciSpaceと比較した個人的な検証では、PDFを指定して読み込ませる用途においてNotebookLMが使いやすいと感じました。

【こんな人におすすめ】

複数の先行研究を比較検討したい研究者、マーケター


音声解説(Audio Overview)

【一言でいうとどんな機能?】

難解な論文を、英語のポッドキャスト番組風に楽しく解説してくれる機能

【主な特徴】

  •  アップロードした資料を元に、二人のAIホストが対話形式で内容を解説。
  •     - 専門用語を平易な言葉や比喩に変換して説明しますが、最終的な判断には原文の確認が推奨されます。
  •     - ファイル作成ボタン一つで生成可能。

【ここがポイント】実際に使ってみた感想

    - 論文を読む前の「予習」として最適です。移動中に10分ほど聞くだけで全体像が掴めるため、その後の精読の心理的ハードルが下がります。ただし、比喩などで多少の脚色が入る点には注意が必要です。

【こんな人におすすめ】

英語のリスニング学習を兼ねたい方、活字を読む前に全体像を把握したい方


【B:業務フローを効率化できる連携・自動化ツール】


Yoom(NotebookLM連携)

【一言でいうとどんなツール?】日本企業発の、API不要でアプリ同士をつなぐ業務自動化ツール

【主な特徴】

  • Google DriveへのPDF保存をトリガーに自動起動。
  • Yoomを使えば、論文の収集・保存・共有といった工程を自動化できます。要約生成はNotebookLMでのレビューや、API対応AIと組み合わせる運用が現実的です。
  • 結果をSlackやChatworkに通知し、スプレッドシートに蓄積。

【ここがポイント】実際に使ってみた感想

    - これが最強の時短術です。論文をフォルダに入れるだけで、数分後にはSlackに要約が届きます。月間20時間かかっていた情報収集工数が、これのおかげで実質ゼロ(確認のみ)になりました。

【こんな人におすすめ】

定型的な情報収集業務を自動化したい方、チームへの共有を効率化したい方


Zotero(文献管理ツール連携)

【一言でいうとどんなツール?】

世界中で使われている無料の文献管理ソフト

【主な特徴】

  • ウェブブラウザからワンクリックで論文PDFと書誌情報を保存。
  • Zoteroで管理しているPDFをエクスポートし、NotebookLMにソースとして追加する運用がしやすいです。
  • 引用文献リストの作成も自動化。

【ここがポイント】実際に使ってみた感想

    - Zoteroで収集し、NotebookLMで読むというフローが鉄板です。Zoteroのライブラリ整理機能とNotebookLMの読解力が合わさることで、研究の質が一段階上がります。

【こんな人におすすめ】

大量の参考文献を管理する必要がある研究者、学生


【C:併用・比較検討すべきAIツール】


ChatGPT(汎用LLM)

【一言でいうとどんなツール?】

広範な知識を持つ万能型のアシスタント

【主な特徴】

  • 論文に書かれていない一般的な用語解説や背景知識の補完が得意。
  • 柔軟な対話やアイデア出しが可能。
  • NotebookLMで回答を拒否された内容(解釈や応用)を相談するのに適している。

【ここがポイント】実際に使ってみた感想

    - NotebookLMは「資料にないこと」は答えてくれないので、そこをChatGPTで補うのが賢い使い方です。両者を使い分けることで、より深い理解が得られます。

【こんな人におすすめ】

論文の内容を噛み砕いて理解したい方、アイデアの壁打ちをしたい方


Gemini(Googleの生成AI)

【一言でいうとどんなツール?】

最新情報をWebから検索してきてくれるGoogleのAI

【主な特徴】

  • 最新の論文を探したり、トレンドを調査したりするのに最適。
  • NotebookLMと同じLLM(Gemini Proなど)を搭載している場合が多い。
  • Googleのエコシステムとの親和性が高い。

【ここがポイント】実際に使ってみた感想

    - 「読みたい論文を見つける」フェーズではGeminiを使い、「見つけた論文を精読する」フェーズでNotebookLMを使うという役割分担がスムーズです。

【こんな人におすすめ】

情報収集の入り口からAIを活用したい方


Elicit / SciSpace

【一言でいうとどんなツール?】

研究論文の検索・解析に特化したAIツール

【主な特徴】

  • 論文検索エンジンとしての機能が強力。
  • PDFからのデータ抽出機能も備えている。
  • 多くの研究者に愛用されている競合サービス。

【ここがポイント】実際に使ってみた感想

    - 数ヶ月前の比較検証では、アップロードしたPDFからの情報抽出精度(数値や結果の正確さ)において、NotebookLMの方が圧倒的に正確でした。特に複雑な医学論文の読み込みにはNotebookLMに軍配が上がります。

【こんな人におすすめ】

論文検索をメインに行いたい方(読み込みはNotebookLMがおすすめ)


🤔おすすめのツールNotebookLMを試してみた!


ここでは、実際にNotebookLMを使って「医学論文のレビュー」を行うシナリオを検証します。


利用想定シナリオ案


No | シナリオ案 | 想定ユースケース
1 | 複数論文の横断レビューと比較表作成 | 特定の治療法に関する5本の論文から、患者数・結果・副作用などを一覧表にする。
2 | 専門用語だらけの論文の「超」翻訳 | 難解な医学論文を、高校生でもわかるレベルの比喩を使った日本語解説記事に変換する。
3 | 会議議事録からのアクション抽出 | 過去1ヶ月分の会議の文字起こしを読み込ませ、未消化のタスクと決定事項をリストアップする。
4 | ポッドキャスト風学習教材の作成 | 英語論文を「音声解説(Audio Overview)」で音声化し、通勤中に内容を把握する。
5 | 学会発表用スライド構成案の作成 | 自分の論文PDFを読み込ませ、発表用のスライド構成(各スライドのタイトルと箇条書き)を作成させる。

今回は、この中からニーズが高く、NotebookLMの強みが活きる**「No.1:複数論文の横断レビューと比較表作成」**について、詳細な検証を行います。


検証:複数論文の横断レビューと比較表作成


検証条件

使用ツール: NotebookLM (Gemini最新モデル搭載)

使用データ:公開されている医学研究論文のPDF 5本

【検証項目】

    1.  複数のPDFを同時に認識できるか

    2.  指定した項目(PICOなど)を正確に抽出できるか

    3.  ハルシネーション(記述のない情報の捏造)がないか


検証で使うプロンプト

```markdown

アップロードしたすべての論文をレビューし、以下の項目を含む構造化データを表形式で作成してください。


各列のヘッダー:

Author(s) | Year | Primary Outcomes | Secondary Outcomes | Treatment | Patients Studied | Type of Data | Study Design | Summary


抽出のルール:

- 論文に記述がない場合は「記載なし」としてください。

- Summaryは一文で簡潔にまとめてください。

- 出力は日本語で行ってください。

```


検証してみた!

では早速、検証を始めます。難しい設定はありませんので安心してください。
NotebookLMは常にGeminiの最新モデルを搭載しており(※1)、あらかじめ連携などの設定は不要です。

STEP 1:資料のアップロード

NotebookLM を開いて「Notebookの新規作成」をクリックしてください。

今回検証で使用する医学論文は以下の5つです

  • Risk factors for severe COVID-19 outcomes: a systematic review and meta-analysis
    ( COVID-19重症化リスク)※2
  • Cardiovascular disease in diabetes: epidemiology, mechanisms, and management
    (糖尿病と心血管疾患)※3
  • Cognitive impairment in major depressive disorder: a meta-analysis
    (うつ病と認知機能)※4
  • Global burden of hypertension: analysis of population-based studies
    (高血圧と生活習慣)※5
  • Physical activity and mortality risk: a systematic review and meta-analysis
    (運動療法と死亡率)※6


それぞれオープンアクセスのPDFです。ダウンロードをしてNotebookLM にソースとして追加しましょう。
「+ソースを追加」をクリックしてダウンロードしたファイルをドラッグアンドドロップするだけです。チェックマークがついていれば完了の合図です。有料コンテンツ・メンバー登録が必要なコンテンツなどはソースとして使用できないので注意してください。

ドラッグアンドドロップしただけですが、数秒ですべてのソースを読み込むことができました。


STEP 2:プロンプトの入力

さきほど指定したプロンプトをチャット欄に入力します。

10秒ほど待つと結果が表示されました!指示通りの票になり、引用番号もついていることがわかりますね。

では、出力された内容を精査してみましょう。


STEP 3:精度の確認(インライン引用のチェック)

出力された表のセルに付いている「引用番号」をクリックし、原文の記述と照らし合わせました。

【Auther:Zhou Z, et al. Secondary Outcomes:年齢標準化率、年間平均変化率(AAPC)、人口寄与分(PAF)の引用②について】

引用番号をクリックして英語原文と照らし合わせたところ、研究対象、評価指標、分析期間といった主要な要素は原文の記述と一致していました。統計手法の詳細については要約の過程で簡略化されているものの、結論の方向性や研究の位置づけが変わるような誤りは確認されませんでした。


次は同著者のSummary⑦に関してです。

研究対象(地域・患者集団)、分析期間、主要アウトカム(有病率・死亡率・DALYs など)および結論の方向性など、いずれも原文の記述と一致していました。
統計手法や分析プロセスの詳細については要約の過程で簡略化されている箇所が見られたものの、意味のねじれや誤訳、原文にない内容の追加は確認されませんでした。


では別の資料を確認してみましょう。

右の表で示されている要約内容は、左に表示されている BMJ Open 掲載の英語原文(系統的レビューおよびメタ解析プロトコル) と照らし合わせても、内容の不一致は確認されませんでした。

原文で明示されている 研究目的(高血圧管理における余暇時間の身体活動の効果検証)対象(18歳以上の高血圧患者)介入内容(leisure-time physical activity)研究デザイン(systematic review and meta-analysis protocol) は、NotebookLMの表内でも正確に反映されており、英語論文の要点が日本語で適切に構造化されていることが確認できました。





検証結果


  1. 複数のPDFを同時に認識できるか
      NotebookLMに複数の英語論文PDFを同時にアップロードしたところ、各論文の著者名・発表年・研究テーマを正しく識別し、内容が混在することなく個別に整理されました。複数文献を前提としたレビューでも、論文ごとの情報が分離された状態で構造化されており、横断的な比較が可能であることを確認しました。
  2. 指定した項目(PICOなど)を正確に抽出できるか
      研究対象(Patients)、介入内容(Treatment)、主要アウトカム(Primary Outcomes)、研究デザイン(Study Design)といった指定項目は、英語原文の記述に基づいて正確に抽出されていました。特に、系統的レビューやメタ解析プロトコルなど研究の性質についても適切に判別されており、論文の位置づけを誤って要約するケースは見られませんでした。
  3. ハルシネーション(記述のない情報の捏造)がないか
      表内の各セルに付与されたインライン引用番号をクリックし、英語原文と照合した結果、要約内容はいずれも原文中に根拠となる記述が確認できました。原文に存在しない数値や結論が新たに付け加えられることはなく、統計手法など一部の詳細が簡略化されている箇所はあるものの、研究の主旨や結論の方向性が変わるようなハルシネーションは確認されませんでした。


🖊まとめ・Yoomにできること

本記事では、NotebookLMを使って複数の英語論文PDFをまとめて読み込み、構造化された表として整理できるか、そしてその内容が原文と一致しているかを検証しました。
実際に確認したところ、論文ごとの情報は混在せずに整理され、PICO(臨床研究の整理フレームワーク)のような指定項目も正確に抽出されていました。
さらに、インライン引用をたどることで原文と照らし合わせられるため、記載のない情報が紛れ込む心配も少なく、安心してレビューに使える印象です。

一方で、NotebookLMで使うソースを探すのもなかなか一苦労でで使うソースを探すのもなかなか一苦労です。
そこで活用したいのが、ノーコードでプログラミングの知識がなくても業務フローを組めるYoomです。指定した語句でGoogle検索を行い、自動でURLを取得・記録することができます。
まずはYoomに登録して、日々の調査や情報整理を少しラクにしてみてください。


 [Yoomとは]出典

Yoomを使えば、今回ご紹介したような連携を
プログラミング知識なしで手軽に構築できます。
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この記事を書いた人
Natsumi Watanabe
Natsumi Watanabe
SEOライター歴5年「読みやすく」「伝わりやすい」をモットーに執筆を続けています。 プログラミングの知識がなくてもアプリ連携できるYoomの便利さをたくさんの人に届けたい!
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