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「ブログのアイキャッチ画像、もっと早く作れないかな…」
「SNS投稿用の画像素材を探すだけで1時間も経ってしまった」
企業のマーケティング担当者にとって、コンテンツ作成における「デザイン業務」は大きな負担になりがちです。
専門のデザイナーが社内に不在の場合、記事の執筆や施策の立案よりも、画像選定や作成に時間を取られてしまうことは珍しくありません。
そこで今回検証するのが、xAI社が開発したAIツール「Grok」を活用したデザイン作成です。
Grokは、X(旧Twitter)プラットフォーム上で利用できる生成AIで、わずか数秒で画像が生成されるそのスピード感は、業務効率化を目指すユーザにとって強力な武器となります。
本記事では、Grokを使ってどのようにデザイン素材を作成できるのか、活用検証を行います。
この記事を最後まで見ていただければ、画像素材の準備にかかる時間を短縮し、本来注力すべきマーケティング施策に時間を使えるようになるでしょう。
専門的な知識は不要です。実際の画面イメージと共に、Grokのデザイン生成の実力を見ていきましょう。
Grok(グロック)は、X(旧Twitter)上で利用できる生成AIチャットボットで、ユーザーとの対話を通じて多様なタスクをこなすことができるツールです。
xAI社によって開発され、2023年に発表されました。現在では、Webサイトやモバイルアプリからも利用できるようになっています。
Grokは、テキスト入力を通じて、文章生成、質問応答、データ分析、さらには画像生成といったさまざまな機能を提供しています。
本記事では、その中でも特に「画像生成」に焦点を当て、実際にどのように企業で活用できるのかを検証していきます。
Grokの画像生成機能は、コンテンツ制作やマーケティング活動のスピードと質を向上させる強力なツールです。
ここでは、特に有用性の高い5つの活用シーンを紹介します。
上記の活用シーンより、今回は抽象的なテック系ブログのアイキャッチ作成と、新サービスのロゴデザインという2つのパターンで、Grokの画像生成機能を検証しました。
検証にはX(Twitter)に搭載されているGrokを使用しています。
詳しいモデルについては非記載でしたが、プルダウンより「エキスパート(じっくりシンキングします)」を選択し、検証を行いました。
まず、写真素材が見つかりにくい抽象的な言葉で検証を行うために「データアナリティクス」をテーマにしたブログ記事のアイキャッチ作成を試していきます。
ちなみに「データアナリティクス」とは、集めたデータを詳しく調べて、今何が起きているかを理解し、「どうすればもっと良くなるか」という改善策や、次に打つべき戦略を見つけ出すための分析手法です。
初めに「「データアナリティクス」についてのブログ記事を執筆している。オリジナルのアイキャッチ画像を生成してほしい」のプロンプトを送信しました。
すると約6秒で下記の2枚の画像が生成されました。
ブログのアイキャッチとして横長のイラストを想定していたため、「アイキャッチ用にサイズは横長で、画像ではなくイラストを出力せよ」というプロンプトを送り返してみました。
その結果、データ分析をイメージさせるようなグラフや表を組み込んだイラストを生成することができました。
しかし、その画像に対して「Data Analytics」という文字入れを指示した際は、日本語・英語ともに文字化けが発生することがあり、やり取りを繰り返せばうまくいくこともありますが、文字は別途ツールで挿入する方が確実という結果になりました。
抽象的なテーマであっても、内容を理解し、約6秒という短時間でオリジナルのイラストを作成してくれるのは大きな利点です。
これにより、素材探しや画像準備にかかる時間を大幅に短縮できると実感しました。
ただし、生成される画像のサイズや解釈が最初の指示(プロンプト)通りにならない場合も多いため、一発で完璧な結果を期待するのではなく、プロンプトを詳細に調整するなどの「ラリー」を重ねて想定イメージに近づけていく必要があります。
また、現状では文字の挿入時に文字化けの課題が残るため、画像生成後に別の画像編集ツールを併用して文字入れを行う運用の方が、結果的に仕上がりも良く、全体の作業スピードも速いと感じました。
次に、架空の「雪かき代行会社」の新サービスロゴデザインのラフ案作成を試してみました。
初めのプロンプトとして「「雪かき代行会社」を考えている。豪雪地帯などで雪かきができない方のために家周りの雪を除去する人材を派遣する会社である。この企業のロゴデザインを提案してほしい。」を送信しました。
するとこちらも数秒でデザインが2枚出力されました。
次に、1つ前の検証で文字の挿入は苦手であることが分かっていたため、「文字は入れないでイラストのみで別パターンを10個ほど提案してほしい」と送信してみたところ、下記のように文字がないイラストを2枚だけ表示してくれました。