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日々の業務において「日程調整」は地味に面倒ですよね。そこで注目したいのが、xAI社が提供する「Grok」。
本記事では、Grokで面倒なスケジュール調整のメール文を作成できるのか?を実務に基づくプロセスをもとに検証します。
果たして、煩雑なスケジュール管理の一端を担う作業の工数削減は実現できるのか、その実力に迫ります。
Grokは、AIの大手企業であるxAI(エックスAI)によって開発されたAIチャットボットツールです。
SNS上の投稿データをリアルタイムで参照できるため、従来AIが苦手とするトレンドや世論などの最新情報の収集・解析に強みを発揮します。
現在(2025年12月)は、最新モデルとしてGrok‑4/4.1を提供中で、応答の精度や速度、対話の自然さも前モデルよりも向上しています。
Grokの用途は、ニュース要約、評判分析、コンテンツ生成、データ分析など多岐にわたります。
さらに、従来AIより忖度の少ないユーモアや皮肉を交えた応答スタイルを特徴としており、率直で多面的な回答が得られるのもGrokの魅力の一つです。
本記事は、以下のような課題や興味をお持ちの方に向けて執筆しています。
Grokの利用は基本的に無料プランから始められますが、いくつかの追加機能を活用するためには有料プランへのアップグレードが必要です。
以下では、Grokの代表的な利用プランとその料金について紹介します。
(今回は「無料プラン」と「X Premium+」のみを比較)
※2025年12月現在の情報です。利用料金はレート換算となり、日々変動する可能性があります。
※上記は日本での利用を想定した比較表です。ご自身のアカウント・地域での最新状況を公式サイトで確認する必要があります。
※無料プランは、チャット回数や生成可能なコンテンツ数が制限される可能性があります。
※X Premium+は「制限の緩和」が適用されており、必ずしも「無制限」での利用が可能というわけではありません。多量のコンテンツ生成には注意が必要です。
その他の詳細については、Grokの公式サイトで最新の情報を確認してください。
スケジュール調整のメールを作成するシーンでGrokを使用する強みを3つ挙げると、次のようになります。
ここまで簡単にGrokとはどんなツールで何ができるのかを解説させていただきました。
それでは、早速検証に移りましょう!
まずは「スケジュール調整メールの作成」の際に想定されるシナリオを2つ考案しました。
想定されるユースケース
プロジェクトマネージャーがチームメンバーに定期的な会議の日程を調整するため、メールで候補日を送信するシーンを想定。
検証で使うプロンプト
プロジェクトの進行状況確認のため、チーム全員に定期会議の日程調整を促すメールを作成してください。会議はオフラインおよびオンライン(Teams)で行います。【会議概要】は内容を要約し、各項目を分けて、わかりやすく太字・Markdown方式で記載してください。
【会議概要】:ABC株式会社合同で開催するイベント「X」の進行状況の報告、参加チーム:田中チーム・佐藤チーム・山田チーム、場所:第3会議室(オフライン参加の場合)、会議資料:https://www.notion.so/xxxxxxxxx
会議の実施候補日:12月16日(火) 09:00~10:00、12月18日(木) 13:00~14:00、12月19日(金) 15:00~16:00
まずは、Grokにサインアップします。
すでにお持ちのXアカウントやAppleアカウントを活用して作成することも可能です。
すでにアカウントをもっている方は、ログイン操作を行いましょう。
以下は、メールアドレスでのログインを行ったものです。(GoogleアカウントやXアカウントを利用してログインすることも可能です。)
ログインした後、チャット画面に移行します。これで、Grokが使用できる状態になりました!(検証はスーパーグロックで行います。)
まずは、検証シナリオとして「1.オンライン会議の日程調整メールの作成」を挙げ、ビジネスシーンに適したメールを生成できるかを検証しました。
月数十件以上の打ち合わせ調整を行う方だと、候補日の抽出からカレンダー登録までの手作業に1件あたり約15分、月間で5時間以上を費やしていたかもしれません。この時間が微々たるものか、貴重な時間を無駄にしていると感じるかは人それぞれです。
Grokはどのくらいの精度でメールを作成してくれるでしょうか?
下記のプロンプトを入力して↑矢印をクリックします!なお、この際にGrokには「優秀な営業担当者である」という役割を与えてみました。
結果は以下の通りです。
✅ 成功したと感じた点:表現や日時処理は適切
日時はMarkdown方式になっており、正確かつ見やすい内容となっていました。
また、「貴社のご要望に沿った〜」「何卒よろしくお願い申し上げます。」といったフォーマルな表現でメールが構成されています。
さらに、『営業ミーティング』という曖昧な指示だけで、「弊社の[製品/サービス名]に関するご相談」という文言が挿入されていました。
Grok自身が考え、想定されるビジネスシーンから適した文章を生成してくれており、これには驚きを隠せません!
❌ 正しい結果を得られなかったと感じた点:余計な情報や意図にそぐわない情報が入っていた
メールの始めと終わりに送り元の会社名や名前が入っており、情報が重複していました。Zoomの使用方法については、Zoomアプリのインストールを推奨していますが、アプリをインストールしない「Webで参加する方法」が初心者ユーザーには優しいかもしれないと感じました。
また、「アカウントなしで参加する方法のリンク」が提示されましたが、遷移後のページはZoomのシステム要件を説明するものであり、適切なリンクではありませんでした。
改善策としてのプロンプト修正
これに対し、生成した一次結果をコピペして、その下に以下のプロンプトを追加しました。
「こちらのメール文の初めに入っている送り主の会社情報を削除して作成し直してください。
「Zoomの参加方法」をWebからの参加方法で構成し直してください。
Zoomアプリのインストールは行いません。
また、下記リンクを説明文に見合ったものに修正してください。」
すると、こちらもわずかな時間で修正後のメールを生成してくれました!
メールの始めにあった会社名や名前といった余計な情報が削除されていますね。
また、Zoomミーティングの参加方法もブラウザ参加の手順に差し替えられており、挿入リンクも適切なものに置き換わりました。
2つ目の検証として、頻繁に実施する定期会議の日程調整メールをGrokで生成してみます。
1つ目の検証と同じく受け取る側が日時情報を一目で把握できるように整理されているかや、指示通りの形式でメールが作成されているか。
また、同じチームメンバーに対して親しみやすい、かつビジネスメールとしての書式で構成されているかもチェックしていきます。
先ほどとは違う文章構成のプロンプトですが、意図を汲んだメール内容を生成してくれるでしょうか?
下記のプロンプトを入力して↑矢印をクリックします!なお、今回はGrokに役割は与えていません。
結果は以下の通りです。
って、生成時間2秒!!思わず2度見してしまいました。
✅ 成功したと感じた点:指示通りの形式が適用されており、全体的に情報が見やすい
日時は指示した通りのMarkdown方式になっていました。
また、会議概要と日時の情報がしっかりと分けられているのも良い!
筆者的には、「多数決で決定」「参加者の情報を入力する返信テンプレートの挿入」、この部分がプロンプトに入っていないにもかかわらず盛り込まれていることに感動しました!
❌ 正しい結果を得られなかったと感じた点:特に感じられず
今回の結果に関して、特筆すべき齟齬・相違点はありませんでした。
生成結果に「[あなたの名前]です。」とある部分のみを修正するだけで、すぐにでもメールを送信してもいいクオリティとなっています。
もうちょっとくだけた文章表現にしたい場合には、「もう少しカジュアルにして」とプロンプトを追加して生成し直すと良さそうです!
検証の結果、完璧なメール構成を生成できるわけではありませんでしたが、充分実務に導入できるクオリティの文章を生成できると実感しました。
このようにGrokを効果的に活用することで、メール作成における大部分の工数削減につながります。
Grokは単なるチャット相手ではなく、ビジネスでも充分にヘビーユーズできるツールです。
まずは無料プランの範囲から、「AIに仕事を任せ、ともに働いていく感覚」を体験してみてはいかがでしょうか。
なお、Grok単体でコピペを繰り返す作業は大変と感じる方もいるでしょう。
ノーコード自動化ツールYoomでフローを組んでしまえば、Grokがバックグラウンドで処理してくれるため、業務の中断が最小限に抑えられます。
生成したメール文をそのまま自動でGmailで送るといった作業も人の手で行うことなく完結します。
xAI(Grok)と他のツールを利用する業務を効率化したいときは、以下もチェックしてみてください。