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ビジネスメールの作成や記事執筆において、誤字脱字のチェックや表現の推敲に多くの時間を奪われていませんか?
「Microsoft Copilotを使えば文章校正が楽になる」と耳にしても、具体的な指示方法が分からず、結局手作業で修正している方も多いのではないでしょうか。
Microsoft Copilotは、単なる誤字修正だけでなく、文脈を理解したリライトや、ビジネスシーンに合わせたトーン調整までカバーする強力なアシスタントです。
しかし、その実力を引き出すには「プロンプト(指示文)」の工夫が欠かせません。そこで本記事では、実際の校正シーンでMicrosoft Copilotがどの程度使えるのかを検証してわかったポイントをご紹介します。
基本的なプロンプトのテクニックから実用する際の注意点までわかるので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事は、以下のような方におすすめです。
まずは、どうやってMicrosoft Copilotで校正できるかを一覧でご紹介します。
Yoomとは?ノーコードで業務自動化につながる!
複数のSaaSやAIツールをノーコードで連携できる「Yoom」を使えば、Google スプレッドシートやDiscordで送信された文章をAIで自動校閲し、その結果をMicrosoft Teamsへ通知することができます。手動でのチェックやコピペ作業を省き、校閲結果をすぐにチームへ共有できるため、確認漏れや対応の遅れを防げるのが特長です。
文章確認にかかる時間を減らしつつ、品質を一定に保ちたい業務に向いています。以下の自動化テンプレートから、すぐに試すことができます。
今回は、ビジネスシーンで頻発する「謝罪メール」の校正と、Webメディア運営に欠かせない「SEO記事」の校正(他の生成AIと比較)でテストを行いました。
【検証1】
【検証2】
使用アカウント
【検証1】謝罪メールのトーン調整と誤字修正Outlookで作成した下書きの謝罪メールをCopilotで校正します。
検証ポイント:
【検証2】SEO記事の文章校閲(他社AIとの比較)
以前に執筆した、「Microsoft CopilotとChatGPTを徹底比較!料金、機能、日本語性能で選ぶならどっち?」という記事のドラフトに10個のミス(誤字脱字衍字や文脈的なミス)を入れて校正してもらいます。
検証ポイント:
前半でご紹介したプロンプト作成のテクニック(役割の付与、制約事項の明記、表形式での出力指示)を実際に適用し、出力された結果を評価します。
【検証1】
Outlookで作成した謝罪メールの下書きをCopilotにチェックしてもらう手順です。
1.OutlookでCopilotを開く
メールの下書きが完成したら、「Copilot」をクリックします。
2.チャットにプロンプトを入力して送信
メールの文章をCopilotに校正してもらうためのプロンプトを入力して送信します。
【検証プロンプト】
あなたは「企業のカスタマーサポート責任者」であり、クレーム対応のプロフェッショナルです。
部下が作成した以下の謝罪メールの下書きを校閲し、顧客に対して失礼がなく、かつ誠意が伝わる文章にリライトしてください。
【依頼内容】
【制約事項】
【出力形式】
まず、修正後の完成版メール文面を提示してください。
その後に、修正箇所がわかるように修正箇所・修正案・修正理由を表形式で作成してください。
【謝罪メールの下書き】
(ここにメールの下書きを入力)
【検証2】
続いては、SEOブログを執筆したときに校正してもらう手順です。
Microsoft Copilot
1.Microsoft Copilotにログイン
2.モデルを選択
検証内容に合わせて、利用するモデルを選択します。
今回は、より思慮深い応答ができるThink Deeperモードを選択しました。
「+」マークをクリックすると、ファイルを添付することもできます。
3.プロンプトを入力して送信
以下のプロンプトを入力して送信しました。
【検証プロンプト】
あなたは大手Webメディアで活躍する「SEO記事専門の凄腕編集者」です。
以下のドラフト記事について、検索ユーザーにとって読みやすく、信頼性の高い記事になるよう校閲を行ってください。
【記事情報】
【依頼内容】
以下の2つの視点でチェックを行い、結果を出力してください。
視点1:明白なミスの指摘(修正必須)
視点2:可読性とSEOの改善(修正推奨)
【制約事項】
【出力形式】
視点1と2、それぞれで修正箇所・修正案・修正理由を表形式で出力してください。
【記事ドラフト本文】
(ここに本文を入れる)
Gemini
1.アカウントにログイン
2.モデルを選択
入力欄の右下からモデルを選択します。
今回は、最高性能のProモデルを選択しました。
「+」マークからファイルをアップロードすることもできます。
「ツール」から機能を選択することも可能です。
3.プロンプトを入力して送信
Microsoft Copilotと同じプロンプトを入力して送信しました。
Claude
1.アカウントにログイン
2.モデルを選択
入力欄の右下からモデルを選択します。
無料プランで利用できるモデルの中で最も高性能なSonnet 4.5を選択しました。
3.機能を選択
「+」マークから「ウェブ検索」を選択し、最新のウェブ情報を参照できるようにしました。
また、回答性能の向上につながる「じっくり考える」機能もオンにしています。
4.プロンプトを入力して送信
これまでと同じプロンプトを入力して送信します。
「配送ミスに対するお詫び」という設定で、わざと誤字や不適切な表現を混ぜた下書きをCopilotに修正させました。
校正結果の一覧は以下になります。
Copilotが出力した修正内容を、検証ポイントをもとにまとめると以下になります。
今回の検証では、メールという比較的短い文章構成だったこともあり、全体的な修正が漏れなく行われていました。
特筆すべきは、単に「てにをは」や敬語の文法的な間違いを正すだけでなく、口語やカジュアルすぎる表現など、「謝罪」というシビアなシーンと文脈を深く理解した上で修正提案がなされた点です。
例えば、原文にある「こちらのURLから伝票が見れますので、印刷して貼ってください。」という一文は、そのままでも意味は通じるので社内メールであれば許容範囲と言えるでしょう。
しかし、これは「ら抜き言葉」である上に、お客様へのお詫びとしては配慮に欠けた表現です。
Microsoft Copilotはこれを「ご返送いただけますでしょうか」といった丁寧な依頼形に修正しました。
このように、「今は謝っている場面である」という意図を正確に汲み取り、それにふさわしい表現へリライトする能力の高さは、まさに優秀な校閲パートナーが隣に座っているような頼もしさを感じさせました。
プロンプトで指示した通り、修正案とともに「なぜ修正したのか」という理由が表形式で明記された点は非常に評価できます。
AIによる校正で一番困るのは、「なぜ変えられたのかわからない」というブラックボックス化です。
理由が示されることで、その修正が本当に文脈に合っているのか、それともAIの過剰反応なのかを人間が即座に判断できるようになります。
例えば、「遺憾に思います」という表現に対し、「やや上から目線で不適切」といった具体的な指摘がありました。
もし理由がなければ「あ、直されたんだな」で終わってしまいますが、理由があることで「なるほど、この言葉はこういう場面では使わないのか」という学びが得られます。
単に修正箇所を指定するだけでなく、自分自身の言葉選びの勉強にもなるため、新人教育などの場面でもこの「理由付き校正」は強力なツールになると思います。
Outlook上で直接Microsoft Copilotを起動できる点は、アプリを行き来する「タブ切り替え」の手間がなく、Microsoft製品同士のエコシステムとしての相性の良さを強く感じました。メール作成画面のすぐ横でAIが待機している安心感は大きいです。
一方で、今回の検証環境では「下書きのメール本文をチャット欄に貼り付ける(コピペする)」というひと手間が必要でした。
アドオンライセンスのMicrosoft 365 Copilotであれば、メール本文を直接認識する「コーチング」や「リライト」機能が利用可能ですが、今回検証したライセンス( Microsoft 365 Business Basicのみ /Copilotアドオンなし)の範囲では、チャット欄に対しテキストを渡す(コピペする)必要があります。
もし、同じ環境で長文の重要なメールを作成してじっくり校正する場合は、一度Wordで下書きと校正を済ませてからOutlookに貼り付けるというフローの方が、ストレスが少ないかもしれません。
次に、WebメディアのSEO記事の校正です。
ここでは比較対象として、GeminiとClaudeの無料版も同時に使用し、性能差を明確にしました。
それぞれの校正結果は以下になります。
【Microsoft Copilot】
【Gemini】
【Claude】
3つのAIの校正結果を、検証ポイントをもとに比較すると以下になります。
※()内の内容は、各AIでダブルチェックを行った後の結果です。
3つのAIツールを比較検証した結果、Microsoft Copilotが最も高い校閲性能を示しました。
その根拠は「修正漏れの少なさ」と「処理速度」です。
まず修正漏れに関しては、誤字脱字・衍字(余計な文字)の5箇所すべてを完璧に指摘できており、文脈から判断が必要なミスの検出漏れも2件のみと、他ツールと比較して最小限に抑えられていました。
また、特筆すべきはそのスピードです。
プロンプトを送信してから結果が出力されるまで、Geminiは40秒、Claudeは45秒かかったのに対し、Copilotはわずか19秒で完了しました。
これは他社の2倍以上の速さです。
Webメディアの現場では、毎日何本もの記事をチェックする必要があります。
1記事あたり20秒以上の差が積み重なれば、月間では膨大な時間の差となります。
大量のテキストを素早く、かつ正確に処理したい場合、現状では処理性能の高さと速度の面からMicrosoft Copilot一択であると言えます。
Microsoft Copilotが非常に優秀であることは間違いありませんが、今回の検証でも明らかになった通り、決して「完璧」ではありません。
AI校正はあくまでアシスタントであり、最終責任者は人間であることを忘れてはいけません。
具体的には、今回の検証用記事の中に「コサイン類似度」という専門用語の定義を、あえて事実とは逆(本来は1に近いほど類似しているが、0に近いほど類似していると記載)にしておいた箇所がありました。
Microsoft Copilotは初回のチェックで、この事実誤認を見落としました。
また、文章の接続詞として少し違和感がある箇所もスルーされていました。
このように、文法的には正しくても「事実として間違っていること」や「微妙なニュアンスの違和感」をAIだけで完全に見抜くことはまだ困難です。
AIが出した結果を鵜呑みにせず、必ず最後に人の目でファクトチェックと推敲を行うフローは絶対に省略しないようにしましょう。
AI校正の弱点を補い、精度を極限まで高めるためのテクニックとして「ダブルチェック」を強くおすすめします。
これは、「修正漏れがないかもう一度チェックしてください」と送信して、再度校正を行わせるという単純な方法ですが、効果は絶大です。
実際に今回の検証でも、Microsoft Copilotに対して2回目の校正(ダブルチェック)を依頼したところ、初回では見落とされていた「コサイン類似度の定義ミス」を見事に指摘してきました。
AIはその時の処理状況や確率論的な挙動により、出力結果が微妙に変化することがあります。
ダブルチェックにかかる時間は、わずか数十秒程度です。
このわずかな時間を投資するだけで、致命的なミスを発見できる可能性がグッと高まります。
重要な記事や外部に公開する文書の場合は、AIによるダブルチェックを行ったうえで、最後に人間が確認するという3段構えのフローを組むことで、校正の抜け漏れリスクを最小限に抑えることができます。
今回の検証を通じて、Microsoft Copilotはビジネスの現場で十分に通用する校正能力を持っていることが確認できました。
結論として、Microsoft Copilotを活用することで、誤字脱字チェックやトーン調整といった「作業」の時間を圧縮し、人間は企画や最終確認といった「コア業務」に集中できるようになります。
もし、さらに校正業務を自動化したいなら「Yoom」もおすすめです。
【出典】
Microsoft Copilot/Microsoft Copilotの会話モード/Outlook/Gemini プラン/Gemini モデル/Claude モデル概要/Claude プラン