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「社内の問い合わせ対応に追われて、本来の業務がなかなか進まない」
「AIを業務に取り入れたいけれど、プログラミングは難しそうだし、コストも気になる」
そんな悩みを抱えるバックオフィスや事業企画の担当者の間で、注目を集めているのが「Dify(ディフィ)」です。そこでこの記事では、Difyの基本的な特徴を押さえつつ、どのようなAIアプリが作れるのか、そして実際の業務でどんな使い方ができるのかを具体例とともにご紹介!
日々の仕事を少し楽にするヒントとなればうれしいです。
ここでは、本記事がどんな方の役に立つのか、またDifyを使ううえで知っておきたいポイントを簡単に整理します。
本記事は、以下のような悩みを持つ方におすすめです!
Difyはプログラミングの知識がなくても、誰でも手軽にAIアプリケーションを開発できるオープンソースのプラットフォームです。
「AIアプリを作るための道具箱」とも呼ばれ、以下の3つの特徴があります。
1. 直感的な操作でアプリを作れる
ドラッグ&ドロップで操作できるので、エンジニアでなくてもアプリを組み立てられます。
複雑な条件分岐や処理の流れも、画面上で視覚的に作成できるのがポイントです。
2. いろいろなAIモデルを使える
OpenAIのGPTシリーズやAnthropicのClaudeシリーズ、Googleの最新モデルなど、世界中の大規模言語モデル(LLM)を自由に選んで使えます。
用途や予算に合わせて、最適なモデルを選べるのも便利です。
3. 独自データの活用(RAG)
社内マニュアルやPDFなどを読み込ませることで、その情報にもとづいた回答ができる「ナレッジ機能」が標準で搭載されています。
これにより、一般的なAIでは対応しにくい社内特有の質問にも答えられるようになります。
Difyで作成できるアプリケーションや機能は多岐にわたります。
主なカテゴリは以下のとおりです。
ここからは、Difyを使って実際に構築できるアプリケーションや機能をカテゴリごとに厳選して10個紹介します。
【一言でいうとどんなツール?】
就業規則やマニュアルにもとづき、社員の質問に即答してくれるAIボット。
【主な特徴】
【ここがポイント】
マニュアルをアップロードするだけで、精度の高い回答が返ってきました。担当者が不在でも自己解決が進むため、問い合わせ対応工数を削減できます。
【一言でいうとどんなツール?】
会議のメモや録音データを投げると、要点とネクストアクションを整理してくれるツール。
【主な特徴】
【ここがポイント】
ダラダラとした会議のログでも、「誰が何をいつまでにするか」をピシッと抜き出してくれました。音声入力対応なので、入力の手間が省けます。
【一言でいうとどんなツール?】
キーワードやテーマを入れるだけで、SEOを意識した記事や魅力的な投稿文を作るツール。
【主な特徴】
【ここがポイント】
毎回ゼロから考える苦痛から解放されました。プロンプトを工夫すれば、自社の文体に似せたドラフトがすぐにできあがります。
【一言でいうとどんなツール?】
単なる翻訳だけでなく、文脈や専門用語を考慮して自然な表現にする翻訳ツール。
【主な特徴】
【ここがポイント】
海外向けのメール作成で重宝します。単に訳すだけでなく「失礼のないビジネスメール形式で」といった指示も同時にこなしてくれるのが便利です。
【一言でいうとどんなツール?】
顧客からのメール内容を理解し、適切な返信案を作成または自動返信するツール
【主な特徴】
【ここがポイント】
全てのメールに即座にレスポンスできるため、顧客満足度が上がりました。Difyが下書きを作ってくれるので、人間は確認して送信ボタンを押すだけです。
【一言でいうとどんなツール?】
アンケートや口コミ、サポート履歴から顧客の要望や課題を自動で洗い出すツール。
【主な特徴】
【ここがポイント】
数百件のアンケートを目視で分類していた作業が数分で終わりました。人間では見落としがちな小さな要望も拾い上げてくれます。
【一言でいうとどんなツール?】
URLを指定すると、そのサイトの内容を要約・分析してレポートにするツール
【主な特徴】
【ここがポイント】
競合調査の時間が短縮されました。複数のページを見に行かなくても、Difyが必要な情報をまとめてきてくれる感覚です。
【一言でいうとどんなツール?】
日本語で「先月の売上出して」と頼むと、データベースを操作するコードを書いてくれるツール。
【主な特徴】
【ここがポイント】
エンジニアに依頼しなくても、自分でデータが出せるようになりました。分析業務のスピード感が高まります。
【一言でいうとどんなツール?】
Difyの判断結果をトリガーに、SalesforceやSlack、kintoneなどの外部ツールを自動操作する仕組み。
【主な特徴】
【ここがポイント】
Dify単体では「文章を作る」までですが、Yoomとつなぐことで「システムに入力する」ところまで自動化できました。業務効率化を支える中核的な存在です。下記のようなテンプレートを活用することで、Yoomとシームレスに連携できます。
【一言でいうとどんなツール?】
スマホから音声で喋るだけで、整った日報や報告書を作成・送信してくれるアプリ。
【主な特徴】
【ここがポイント】
営業先からの帰りの移動中に日報が終わります。音声認識精度も高く、誤字脱字の修正もAIがやってくれるので楽ちんです。
今回は活用事例10選から「社内ヘルプデスク(Q&Aボット)」を構築し、その実力(精度・柔軟性・誠実さ)を検証します!
検証条件:Dify Sandboxプラン
想定するユースケース:中途入社者が、まだ社内の複雑な規定に慣れていない時期に、周囲の手を止めずに「これってどうなってる?」を自己解決する
検証項目:
それでは、実際にボットを作っていきましょう!
まずは、ボットの脳内ソースとなる社内規定を用意します。
今回は別途作成した、ダミーの社内規定PDFファイルを読み込ませます。
ステップ1で作成した社内規定PDFファイルをナレッジデータベースに登録します。
簡単にいうと、AIに社内ルールを覚えさせる作業です。
1.上部メニューの「ナレッジ」→「ナレッジを作成」をクリック
2.ファイルをアップロード
データソースは、以下の3つから選択できます。
今回は「テキストファイルからインポート」を選びました。
3.資料をドラッグ&ドロップし、設定画面では何も変更せず「保存して処理」をクリック
チャンク設定は変更せず、インデック方法と検索設定を以下のように設定します。
設定後、「保存して処理」をクリックします。
インデックス方法の「経済的」と「高品質」の違いは、以下のとおりです。
経済的モードから高品質モードに戻すことは可能ですが、逆は不可能になるため注意してください。
知識を詰め込んだら、次はユーザーと対話するボット本体を作ります。
1.上部メニューの「スタジオ」をクリックし、「最初から作成」を選択
画面上部の「スタジオ」を選択します。
次に左メニューから「最初から作成」をクリックします。
2.「チャットボット」を選び、名前(例:社内ヘルプデスク)を付けて作成
「初心者向けの基本的なアプリタイプ」を開くと、チャットボットが選択できます。
アプリの名前と説明を入力して、「作成する」をクリックします。
3.編集画面の左側にある「コンテキスト」の「+追加」をクリックし、ステップ1で作ったナレッジを選択
「スタジオ」から先ほど作成したアプリを選択します。
編集画面の左側にある「コンテキスト」の「+追加」をクリックします。
追加するナレッジベースをクリックし、追加します。
4.モデルをインストール
アプリで使用するAIモデルをインストールします。
編集画面の右上にあるアカウントアイコンをクリックし、「設定」を選びます。
ワークスペースで「モデルプロバイダー」を選択すると、モデル一覧が表示されます。
今回はOpenAIを選択しました!
OpenAIをインストールすると、試用のための無料クレジットが「200」提供されるため、ご自身のAPIキーがなくてもチャットボットを試せます。
クレジットを使い切ったときは、有料で追加購入するか、ご自身のOpenAI APIキーを設定する必要があります。
モデルの詳細を確認すると、無料プランで利用できるモデルがデフォルトで選択されていました。今回はこのまま進めていきます!
5.モデルを設定する
アプリの編集画面を開き、モデルを設定します。
ここで選んだモデルによって、チャットボットの応答品質や速度、コストが変わります。
今回は「chatgpt-4o-latest」を選びました!キレキレの回答を期待しましょう。
6.プロンプトを貼り付ける
AIに「どう振る舞うか」を指示します。
入力したプロンプト:
あなたは社内の総務担当です。
コンテキストにある情報のみを使って回答してください。
情報がない場合は「担当部署へ確認してください」と答えてください。
ユーザーの質問文とナレッジ内の表現が異なる場合(例:「パソコン」と「PC」、「休み」と「有給休暇」など)でも、文脈から意図を汲み取り、適切な条文や指示を案内してください。
これですべての設定が完了しました。
右側のプレビュー(チャット欄)で、以下の3パターンを試します。
実際に3つのテストを行った結果をレビューします。
Difyを導入する際の設定のコツも見えてきましたよ!
検証項目①:回答精度と根拠表示
【判定:◯】数字に強く、エビデンスも確認可能
最初のテスト「有給休暇は何日?」という質問に対し、ナレッジ(PDF)から「5日」「さらに5日」という正確な数値をピタリと引用できました。
素晴らしいのは、回答と一緒に「どの資料のどこを参考にしたか」という引用元(ソース)が明示される点です。
これなら、もしコンテキストに大量のファイルが入っていても、ユーザーが自分でパッと一次情報に当たれるので、わざわざファイルを探す手間が省けますね。
検証項目②:ハルシネーション抑制
【判定:◯】 知らないことを「知らない」といえる
AIの弱点とされる「もっともらしい嘘(ハルシネーション)」のチェックです。
ナレッジに記載がない副業のルールについて聞いてみたところ、AIは捏造することなく「担当部署へ確認してください」と回答しました。
プロンプトで指示した通り、ナレッジ外の情報には踏み込まない「ガードレール」がしっかり機能しています。これなら社内運用でもリスクを抑えられそうです。
検証項目③:表現ゆらぎへの対応
【判定:×】 「経済的」設定だと、少し言葉に厳しいかも?
ここで少し課題が見つかりました。
「パソコンが動かない」という質問に対し、規定にある「PCトラブルの連絡先(内線88)」を案内できず、「担当へ確認を」という定型文に逃げてしまいました。
気づいたこと
表現のゆらぎによって回答がうまく返ってこなかった原因を探るため、ナレッジベースの設定を変更して再テストしてみました。
具体的には、以下のように設定を見直しています。
その結果、回答の精度が改善しました。
同じ「パソコンが動かない」という質問でも、文脈から「PCトラブルに関する問い合わせだ」と判断し、内線番号や受付時間まで含めた案内ができるようになりました。
なお、インデックス方法で「高品質」を選択すると、以下の検索方式を利用できます。
用途や目的に応じて、最適な検索方式を選ぶのが良さそうです。
今回の検証を通じて、Difyを使いこなすためのポイントも見えてきました。
社内ヘルプデスクとして新入社員のサポートを任せるのであれば、「高品質」モードがベストな選択といえそうです!
今回の検証を通して、Difyは単なる「チャットボット作成ツール」ではなく、煩雑な日常業務をスマートに整理してくれる心強いパートナーだと感じました。
なかでも印象的だったのが「社内ヘルプデスク」の検証です。マニュアルから正確な情報を引用する精度の高さや、ハルシネーションを起こしにくい誠実な挙動は、実務で運用するうえで大きな安心材料になります。
初期段階では言葉のゆらぎに戸惑う場面もありましたが、設定を少し工夫するだけで改善でき、その柔軟性もDifyならではの魅力だといえるでしょう。
「AIは難しそう」と感じている方こそ、まずは日々の業務で負担を感じている部分から、小さく取り入れてみるのがおすすめです。
Difyを上手に活用することで、業務の効率化だけでなく、働き方そのものに余白と安心感をもたらしてくれるはずです。
Yoomは、さまざまなLLMやSaaSツールをノーコードで連携できるサービスです。
たとえば、DifyとSlackをYoomで連携すると、Slackで受信したメッセージをDIfyのチャットボットで解析できます。
他にも、DifyとChatGPTの連携により、受信したメールをChatGPTで要約し、DIfyで回答を作成することもできます。直感的な設定だけで、簡単に業務の自動化フローを構築できるので、ぜひ試してみてください!
[Yoomとは]